シャベルとスコップの違いとは?
人生でシャベルとスコップの区別に迷ったことのある方はどれくらいいるだろう?おそらく多くの方が「大きさの違い」と答えると思う。
では周りの方、それもなるべく出身地がばらばらの集団に聞いてみてほしい。
もしかすると、あなたは周りが信じられなくなるかもしれない。「スコップの方が大きい」と言う人と「シャベルの方が大きい」と言う人のどちらも真顔なのだから。
概ね、東日本出身者は前者、西日本出身者は後者の区別だと言われる。これは明治書院『日本のことばシリーズ』にも載っているので、方言差と呼んで差し支えないだろう。
東日本の人は「スコップ」で雪かきをするが、大阪人にとってそれはボケにしか聞こえないのである。
辞書ではどうか。大辞林・大辞泉・日本国語・学研国語・明鏡では、スコップに「小型」「短い」などの説明がある。
広辞苑では同義語の扱いだが、シャベルに「掘削」「木柄をつけたもの」、スコップに「混和する」の説明があり、やはりシャベル>スコップをイメージしている感がある。
異色なのは三省堂国語辞典で、元々はシャベル>スコップの説明だったものの、第6版で東京式に合わせて説明を入れ替えたという。
最も明確な線引きがされているのは、JIS規格だ。
ショベル(シャベル)とは先端の上部が平らで足をかけて押せるもの、スコップとは足をかけられないものだそうだ。大きさは全く関係なく、大きなシャベルも大きなスコップも存在するという。
相手に、「JIS規格って2019年に『日本工業規格』から『日本産業規格』に改称されたんだぜ~」とクイズ知識を披露してみて、それで納得するような相手ならこの説明が良いだろう。
しかし、万人に納得してもらえる説明はというと、英語由来(shovel)かオランダ語由来(schop)か、それだけである。
ジャンル | ことば・文学 |
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掲載日時 | 2020/3/15 16:00 |
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