選手・監督の審判へのルールについての抗議、正しいのは選手・監督?審判?
複雑な野球のルール
野球で、監督が審判にルールの運用について抗議をしたり、解説者が審判のルールに苦言を呈している場面を見たことがありませんか?
審判も人間だからジャッジミスをすると思われるかもしれませんが、ことルールについては100%審判側が正しいと思って間違いありません。
そこで、今日は「こんな時のルールは」という内容について2例説明します。
【問題①】
打者がハーフスイングしたものを球審が「スイング」と判定、打者は球審に対し塁審に確認を求めるも球審はこれを受け付けなかった。球審の対応は正しいか?
→正しい
解説:規則 9・02(c)【原注】には、「打者がハーフスイングをし、球審がストライク宣告をしなかったときに、守備側から塁審のアドバイスを求めるよう要請することができる」とあります。
ハーフスイングは、球審が「スイング」と判定しなかった場合に守備側が塁審に確認を求めることはできても、「スイング」と判定したものを攻撃側から確認を求めることはできません。「スイング」と判定したらそれが最終ジャッジとなります。
ちなみ、2019年オフにヤクルトからソフトバンクに移籍したバレンティン選手はハーフスイング時に自ら一塁塁審を指さすことがありますが、これは自分にとって不利にはなっても有利になることは何もないので、癖といえるでしょう。
【問題②】
2死満塁の場面、二塁塁審は内野手より前に位置していました。ここで打者の打球は痛烈なライナーで二塁塁審を直撃、ボールが外野を転々とする間に走者は全員ホームに還るも、球審は「ボールデッド」を宣告し、三塁走者の生還しか認めなかった。
攻撃側の監督は「審判は石ころだからインプレ―だ」と抗議するも球審は認めなかった。
この球審の対応は正しいか。
→正しい
規則5・09によると「次の場合にはボールデッドとなり、走者は1個の進塁が許されるか、または帰塁する」と規定。その項の(f)で、「内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合」とあります。
つまり、内野手より前にいる審判に当たった場合はボールデッドという判断は正しいものです。
ちなみに、走者がいない場合、二塁塁審は内野手より後ろに位置しますが、この状況で当たった時はインプレ―となります。
ジャンル | スポーツ |
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掲載日時 | 2020/3/12 16:00 |
担当ジャンル:スポーツ
1973年生まれ 福岡県出身
職業 クイズ作家 株式会社キュービック所属
物心ついたころから40年来の東京ヤクルトスワローズのファン。
年間の観戦数は30試合から40試合ほど。
仕事の「クイズ」と趣味の「野球」を組み合わせた「野球クイズ」をライフワークとし
プレーヤー・イベンターともに「野球クイズ」の第一人者を自負
主な実績
①プレーヤー
『全日本プロ野球クイズ王決定戦』(2013年6月)優勝
『プロ野球マニア王決定戦』(2019年3月)優勝
②イベンター
『プロ野球12球団ファンクイズ王決定戦』(2019年5月~2020年1月)
(全12球団+各回の優勝者で日本一を争う「日本シリーズ」の全13回)開催
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