仏教パワーで歴史的な快進撃?このサッカーチームはどこ?
タイトルが少々胡散臭いのだが、スポーツ選手でも受験生でも、神仏にすがりたくなる気分のときもあるだろう。お守りや絵馬、必勝祈願の需要は現代においても一定のものがあるように思える。
今回はその神仏への祈りが想定以上に効き過ぎたのではないかという海外のサッカーチームを話題としたい。
「好調の陰に仏教の力があったのでは」といわれるチームが確かに、しかも近年存在する。岡崎慎司選手が所属して活躍し、2015-2016シーズンにイングランド・プレミアリーグで優勝したミラクルレスターこと、レスター・シティー・FCがそれである。
プレミアリーグといえば、マンチェスターの両チームやアーセナル、チェルシーといった資金も潤沢で、有力選手を多く有する強豪チームがひしめくリーグで、1992年の創設以後、優勝チームはほぼ全て上記のチームだった。
一方、レスターは2013-2014シーズンに昇格し、2014-2015年シーズンは14位と、お世辞にも良い成績ではなかった。イギリスのブックメーカーではレスター優勝より「エルビス・プレスリーが生存している」方が高い確率とまでされていた。
しかし、優勝前年のシーズンは確かに終盤まで最下位争いをしていたが、その頃から既に良い兆候があったという。9月21日の第5節・マンチェスターユナイテッド戦に5対3で勝利という大金星を挙げているのだ。
ファーガソン監督退任後のこの頃のマンチェスターユナイテッドの迷走ぶりを見ていると意外な結果とも言い切れないのだが、昇格組に伝統的な強豪チームが3対1から逆転されたことは大々的に報じられた。
そして、レスターのタイ人オーナーのヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏(当時キングパワー・インターナショナル・グループCEO兼会長)がしばしばタイから仏教徒を招いており、その頃彼らが練習場やスタジアムにお清めを行っていたことが、後ほど明かされた。
翌シーズンに優勝するわけだが、その開幕前にも同様の儀式や、お守りを渡すなどといったことを行っていたという。2015年序盤の好調が注目され、前年のもの含め、タブロイド紙で報道された。
タイといえば日本と異なり上座部仏教の国である。日本と同じ仏教といえども、岡崎選手にもそこまで馴染みがあったものではないだろうし、他の欧州やアフリカの選手にどう映ったかは定かではないが、好成績に結びついた背景には何らかの信じる心のようなポジティブな感情も、少なからずあったのかも知れない。
とはいいつつも、ヴァーディー、カンテ、マフレズ、シュマイケルなど、後に高く評価される選手も多かったのだが。
なお、レスターの快進撃に際して、地元であるレスターのサポーターの中にはツイッター上で「優勝したら屋外で裸踊りをする」、「帽子を食べる」などのふざけたものに紛れ、「仏教徒になる」と宣言した人もいるようだ。この儀式に関しては認識されていたか報道で広まったのかは調べきれなかったが、あまりネガティブにはとらえられなかった印象だ。
もし、イングランド・レスター出身の仏教徒をみかけたら、きっかけはこのときの騒乱なの影響かも知れない。
ジャンル | スポーツ |
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掲載日時 | 2020/10/13 16:00 |
学習院大学文学部史学科卒
大正大学大学院仏教学研究科浄土学専攻修士課程修了
高校・大学は剣道部、前職は中学・高校の社会科教員。クイズ作家としてはクイズ研究会やサークル所属経験のない異色の経歴。クイズ番組は好きだったが、プレイヤーとしての経験はアーケードゲームのみ。
僧侶としても、仏教系大学に大学院のみ在籍という極少数派。
有限会社セブンワンダーズ入社後は僧侶とクイズ作家の兼業で活動。法話にもクイズ作成で得た知識や要素を取り入れ、独自性のあるものを展開しているほか、寺院での「仏教クイズ」も企画している。
好きなジャンルは仏教、世界史、サッカー。
クイズに関するニュースやコラムの他、
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