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閻魔大王のもとにある超高性能の鏡とは?

以前も閻魔大王については題材としたが、今回はやや踏み込んだ、裁判の際に用いる道具の話である。

 

有名な話であるが、「閻魔帳」というものが存在する。これは、倶生神(ぐしょうじん)の記録を基にしている。

倶生神は閻魔大王とともに描かれていることも多い男女で一対とされる神で、元々インドではサハダヴァ(Sahadeva)という冥界の神だったという。それが中国へ伝わると民間信仰などとも融合し、様々な要素が追加された。その中でも今回のテーマと密接に関わるのは、人が生まれた時から死ぬまでそばで様子を観察し、そのあらゆる行動を記録しているという。人の目が無いからといって漏らしてはくれないようだ。

そのデータから作られたものが閻魔帳とされる。生前のあらゆる行動が記録されているという。ちなみに、学校で教員が持つ、成績や出欠などを記入する帳簿も閻魔帳というが、当然ながらこれがルーツである。なお、教員時代に興味があったので様々なところで聞いて回ったが、どこも閻魔帳といっていた。完全に定着した俗称のようである。

 

この帳面があれば裁判には十分ともいえるのだが、実は閻魔大王にはもうひとつ強烈なアイテムがある。『十王図』など、閻魔大王が描かれている絵のそばに鏡が描かれていることが多いが、これを「浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)」といい、死者の生前の善悪の所業を映し出すという優れものだ。

その容量だけでもたいしたものなのだが、さらに行動が他人に与えた影響などについても見ることができる。たとえ良かれと思ってやったことでも迷惑だったのなら、その感想まで抜き出せてしまう。微妙な土産物を押しつけている人などは要注意だ。

しかし、閻魔帳さえあれば十分に思えるのだが、この鏡までセットで使用しているのは何故だろうか。その理由としては、罪状についてしらばっくれたりした場合、明確な証拠として示すためであったり、映像や周囲への影響を見せることで反省を促すというようにも考えられているようだ。映像データは没後も有用なようである。

 

このような内容が転じて、現代では「鋭い眼識」という意味で使われている言葉なので、観察眼が優れた人などを誉めたいときに使うといいかも知れない。

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浄土宗 願生寺 住職/有限会社 セブンワンダーズ所属 クイズクリエーター
遠藤和成

学習院大学文学部史学科卒

大正大学大学院仏教学研究科浄土学専攻修士課程修了

高校・大学は剣道部、前職は中学・高校の社会科教員。クイズ作家としてはクイズ研究会やサークル所属経験のない異色の経歴。クイズ番組は好きだったが、プレイヤーとしての経験はアーケードゲームのみ。

僧侶としても、仏教系大学に大学院のみ在籍という極少数派。

有限会社セブンワンダーズ入社後は僧侶とクイズ作家の兼業で活動。法話にもクイズ作成で得た知識や要素を取り入れ、独自性のあるものを展開しているほか、寺院での「仏教クイズ」も企画している。

好きなジャンルは仏教、世界史、サッカー。

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