ペットのヒヤリハットを探せvol.8なぜこうなった?2
各種SNSや動画サイトでも人気の「ペット動画・写真」、あるいはエピソードの再現漫画などの中には、実は案外ペットの(更に場合によっては、時として飼い主さんや周囲の方たちの)命に関わる恐れのある事故につながりかねないいわゆるヒヤリハット事例というべきものが多いのです。
そして更に恐ろしいことには、ネットニュースサイトなどでもそうしたペット動画・写真などが人気になった場合に取り上げることがありますが、普段「ペットの事故に注意」などの記事もきちんと書いているニュースサイトであっても、こうした「バズった」ペット動画・写真などにヒヤリハット要素があったとしても、ひたすら投稿主さんや当該の動画などを「可愛らしく、賢い」ペット像としてもてはやすネットの声に媚びへつらって(あるいはそちらの記者の方たち=ニュースサイトの「中の人」も、そうした無批判無反省にポジティブな感想をはなから彼(彼女)らと共有していて)ただひたすらに「可愛らしく、賢い」だけのペット像や「癒される」というポジティブな感想だけを撒き散らし、こうしたヒヤリハット事例を「ヒヤリハット事例」とみなさない「世間の声」を強化してしまうことに加担してしまうことが近年多々あります。
どうしてこうなってしまうのかについては様々な理由があり一概に言えませんが、一つには筆者もこの「ペットのヒヤリハットを探せ」ジャンルの拙記事で何度か申しておりますが、「『人間以外の動物、特にペット動物の賢さ』への極端なまでの過信」というのがあると考えられます。そしてこの「『ペット動物の賢さ』への過信」は特に現代の日本社会では時として、「人間による『人間自身の賢さ』への過信」以上に過激化・先鋭化してしまうことがあります。今回の「ビフォーアフター編」で扱うテーマはまさに、その「『ペット動物の賢さ』への過信」による実話を元にした架空の事故です。
とある一般の人々への観光のための公開をしているポニー牧場にやってきたお客のペットの犬が遭った事故です。<Before>ではいかにも平和そのものの光景ですが、<After>
ではポニーが柵に入ってしまった犬を蹴ってしまい、犬は打ち所が悪く翌日には死亡してしまいました。なぜ、こんな事故が起きたのでしょうか。これが今回の問題です。
・・・正解は、「飼い主さんが犬のリードを外してしまったから」です。<Before>での光景をよく見ますと、飼い主さんは犬にリードを付けていますが<After>の事故シーンではノーリードであることに注意です。
つまり飼い主さんが、「うちの犬は賢いしポニーも賢い種族だ。そして何といっても自分たちがきちんと見張っているのだから、事故は起こらないだろう」と「ペット(及び家畜)動物の賢さへの過信」をしてしまったことが最大の原因なわけです。
しかしながらどれほど賢いといっても、人間以外の動物なので人間の言葉を理解できるわけがなく常に人間による危険予測が必要な存在であることを忘れてはいけません。しかもポニーも含めて馬という種族はしばしば予想外の刺激に対してセンシティブである傾向があり、且つ一瞬で強い力を出す特性もあるため、ノーリードの犬が馬のいる柵の中に入って走り回ったらどんな事故が起こるかということを想像するなら、柵の中とはいえ馬のいる場所で犬を放すのは百害あって一利なしでしかありません。他種族のペットや家畜同士が仲良くする光景もSNSや動画サイトで人気ですが、安易に影響を受けるべきではありません。
<参考サイト>
「一撃で蹴り殺された」ペットを連れて牧場を訪れる人がいる→賠償金やらケガやら誰も幸せにならないので、マジで止めた方がいい
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2021/10/19 16:00 |
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