ペットのヒヤリハットを探せvol.7
【なぜこうなった?1】
SNSや動画サイトではペット動物との可愛らしくほのぼのする日常のひとコマを捉えた動画や写真、エピソード再現漫画などが人気を博しています。しかしながら、そうしたひたすら「ほのぼの癒しネタ」としてもてはやされるペット画像の中には、明らかにいわゆるヒヤリハット事例というべきものも実は案外多く、ラッキーな偶然によってたまたま大惨事にならずに済んだようなケースもあります。
ラッキーな偶然によってたまたま大惨事にならずに済んだということは、裏を返せばその「ラッキーな偶然」がなければ大惨事になっていた可能性が非常に高いということでもあるわけですが、投稿主である飼い主さんやこうした「ペットさんほのぼの日常」ネタが好きな人々には往々にして、そうした危険予測の発想が欠落してしまっている傾向があります。
ところでこの2点の拙イラストは、そうした「ほのぼの癒しネタ」としてのみもてはやされてしまっている幾つかのヒヤリハット事例であり得たかも知れない、とある架空の室内事故を「ビフォーアフター」式で描いたものです。
<Before>では、キッチンで食器を洗う飼い主さんの背中にペットの猫が登ってじゃれついており、一見いかにもほのぼの日常のひとコマといった風情です。
しかし、元気だった猫は<After>では吐血して手足を激しくばたつかせてのたうち回り、動物病院を受診したもののそのまま死亡してしまいます。<Before>と<After>の間に、何が起きていたのでしょうか。<Before>の場面からは猫の突然死の原因が何かを推測できる点が最低でも2点ありますが、それはどれとどれでしょう?
・・・正解は、「ゴミ箱のフタが空いていること」と「人間用食材及び調味料による食器の汚れや洗剤」です。
キッチンのゴミ箱には、竹串など先端の尖ったものやビニール包装、人間用食材の捨てる部分など猫が誤食すると中毒を起こす可能性のあるものや、誤食で喉に詰まったり突き刺さったりする危険があるものが捨てられています。こうしたものが捨てられるキッチンのゴミ箱にはペットのいたずら対策がされているものを選ぶのが一番ですが、蓋の開け閉めが面倒くさいからといって蓋を開けっぱなしにしてしまうのでは何の意味もありません。蓋を普段からきちんと閉めておくと同時に、キッチンで作業をする際にはペットを入れてしまわないよう入り口に仕切りを立てておくくらいの慎重さが欲しいところです。
また、もう一方の「人間用食材及び調味料による食器の汚れや洗剤」についてですが、先程もゴミ箱のくだりで若干触れましたが人間用の食材には猫が誤食・誤飲すると中毒の原因になるものもあります。それから洗剤をなめてしまった場合も、中毒の危険があります。特に漂白剤は危険度が高いので注意です。
ペットさんの賢さをきちんと理解することは大切ですが、その賢さに対する過信は危険予測を曇らせるので十分注意したいものです。
<参考サイト>
異物を誤飲したときの対処について <お家の中にあるもの編> <猫>
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1348
異物誤飲に注意 (1) <猫>
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1340
異物誤飲に注意 (2) <猫>
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2021/7/22 16:00 |
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