ニュースで耳にするワクチン摂取。
食卓に馴染みな原材料のひとつは何?
正解は茹でても焼いても、さらには料理の材料にもなるあの卵だ。
現在、テレビのニュースや、SNSで目に止まる”ワクチン”の文字。現在、新型コロナウイルス対策の予防薬として注目されている。
実はこのワクチン、様々な種類や製造方法があるのをご存知だろうか。
そもそもニュースでよく流れる新型コロナウイルスのワクチンはメッセンジャーRNA型が主流だ。
まずRNAって一体なんだろうか。高校生物で習う内容で、アデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)と呼ばれる塩基と糖、リン酸で構成されたヌクレオチドと呼ばれる化合物を連結し鎖状にしたものである。塩基がウラシル(U)からチミン(T)に変わるDNAとともに核酸として分類される。そして体内には細胞が何兆個もあり、そのなかに核が存在する。核には別名、人間の設計図と言われるDNAがあり、このDNAを特殊な酵素が転写し核外へ輸送する際に、メッセンジャーRNAへと変化する。このメッセンジャーRNAを細胞内にある巨大複合体リボソームが翻訳し、タンパク質が得られる。この一連の流れをセントラルドグマなのだ。
難しい話をつらつらと書いたが、ざっくり言うと、人間の設計図であるDNAを違うところへ持ち出したいけど、DNA自体を持っていくと機密漏洩や欠損すると危ないから複製したものがメッセンジャーRNAなのだ。
毒性が低い新型コロナウイルスと似た配列のメッセンジャーRNAをワクチンとして打てば、細胞内の巨大複合体がこのメッセンジャーRNAは体内で複製されたものだと勘違いをし、タンパク質だが異物を作製し、身体を守るための免疫反応として有名な抗体が異物を退治することで、実際のコロナウイルスが体内に入ってきても、退治した記憶をもった抗体が対処してくれるという仕組みになっている。
しかしこのメッセンジャーRNA型ワクチン、ニュースでも言われているのが、保存方法は-80℃冷凍庫を用意しなければならず、さらに製造するにも各会社の独自方法なので海外からの輸入品であるやコストなど課題が多い。
では他のウイルスからワクチンを見てみよう。例えばインフルエンザや麻疹、風しんなどのワクチンはすでに一般病院などに普及しており、コロナほど脅威とされていない。何故か。それは答えにもなった卵の存在だ。
製造工程は以下の通りだ。卵の内部にワクチンを作るためのウイルス液を入れ培養する。培養液を取り出し、エーテル処理という特殊な処理を施す。2つの工程を繰り返し行うと、適正なワクチン原液3種に製造され、必要に応じて使用される。
普段の食卓からは想像つきづらく、アレルギーを持っている方がいらっしゃるのではないだろうか。その点は安心してもらいたい。アレルギーに反応する成分は作業工程でほとんど省かれており、誰でも摂取が可能だ。副作用が気になる方はワクチンによってそれぞれ提示されているので調べてみるのもありだ。
この卵を使った製造方法であれば、新型コロナウイルスワクチンもコストも抑えられ、国内生産も出来そうなものだが、まだ手法が確立されておらず、世に出回っていない。
別のタンパク質ワクチン製造方法として、ウイルスの働きを不活性化させたDNAを組み換えたタンパク質を作り、ワクチンとして開発するのが進んでおり、現在、臨床試験を行っている。
全国民に安全が担保された予防薬が投与され、コロナが蔓延してなかった日常が一日も早く取り戻せるのを願っている。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2021/4/10 16:00 |
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