お屠蘇って何が入っているの?
皆様は、正月にお屠蘇で一年の邪気払いを祈願しただろうか。現代では市販の屠蘇散を使い簡単に用意ができるお屠蘇。あるいは、神社等の振舞酒や甘酒と混同して自分では用意しないという方もいるのではないだろうか(私もそのタイプである)。
だが、お屠蘇あるいは屠蘇散の中身について、あまり詳しく知らないという方もいるのではないだろうか。
まず、お屠蘇の起源は、中国にある。
今年こそ残念な結果にはなったものの、中国では太陽暦の正月(一月一日)よりも春節、つまりは旧正月を元日として大きく祝い、例年だと一週間ほどの休日となり家族と過ごしたり海外旅行に出かけたりする。
そんな中国で、北宋時代の政治家・王安石は、「元日」という詩を残している。
爆竹声中一歳除
春風送暖入屠蘇
千門万戸曈々日
総把新桃換旧符
簡単に訳すと、「爆竹が鳴り年が明け 春風がそよぎ屠蘇を飲む 全ての家が朝の陽ざしに 桃符を古いものから取り換える」という感じだろうか。
このように北宋時代(約1000年前)には既に、爆竹、桃符、そしてお屠蘇が、元日の風物詩として存在していた。
「桃符」は魔除け札のことで現代では「春聯」として、「爆竹」も中国のお祝い事では魔除けや祝いの花火として、伝わっている。
だが、お屠蘇だけは今の中国では風習として残っていない。
さて、ここからが本題。
お屠蘇には何が入っているのか。
お屠蘇の起源には多くの説があるが、一番古い説は三世紀頃の三国時代の華佗という医者による発明ということだ。「屠蘇」は「病を屠り人を蘇らせる」の意味で元々は薬草を酒に溶かした漢方薬の一種だった(ちなみに「紫蘇」も「人を蘇らせる紫の薬」として、華佗が発見したものとされている)。
当時の屠蘇の材料が何かは伝わっていないが、平安時代には既に日本に輸入されていたという。
それ以降、江戸時代には小豆やトリカブトが入ったりしたそうだが、おおむね現代と同じく、山椒、肉桂、生姜、桔梗、細辛、防風、白朮などの薬草だったそうだ。
気になる薬効だが、お屠蘇程度の量だと漢方としては効き目がないとのこと。
だが、新年を家族で祝い宅を囲みお屠蘇を回し飲むことは、何よりの薬になるのではないだろうか。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/3/17 16:00 |
タグ | 正月 |
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