その名前を3回唱えると、幸せになれるお菓子は何?
近年、コンビニスイーツが急速に発展し、クオリティの高いスイーツが手軽に手に入るようになった。
中でも、「スノーボールクッキー」という、たっぷり粉砂糖がまぶされた、軽い食感のクッキーが好きな人も多いのではないだろうか。
「スノーボールクッキー」は英語圏での呼び名であり、フランス語では「ブール・ド・ネージュ」と呼ばれ、球状で粉砂糖がまんべんなくまぶされている見た目から「雪の玉」という意味を持つ。
このお菓子の起源はスペインのアンダルシア地方にあり、現地ではクリスマスやお正月など、お祝いのお菓子として愛されている。
発祥の地スペインでは「ポルボロン」という名称がつけられており、口に入れるとほろほろと崩れやすく、非常に口どけの良い食感であることから、口に入れてから溶けてなくなるまでの間に「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」とその名前を3回唱えることができると幸せになれるという言い伝えが存在する。
しかしながら我々がよく目にするスノーボールクッキーとポルボロンでは製法や材料に少し違いがある。
スノーボールクッキーは、一般的なクッキー同様の手順で、材料は薄力粉、アーモンドパウダー、粉砂糖、バターで作られる。
一方でポルボロンでは、薄力粉をローストする工程が存在し、油脂はバターではなくラードを使用する。
まず、薄力粉をオーブンやフライパンで火にかけてローストすることによって、グルテンが変性し、粘りが出にくくなる。この工程を行うことで、生地がもろくなり、ほろほろと崩れやすい食感になる。
また、ラードは融点が人の体温に近く、冷めても柔らかい性質を持ち、さらにショートニング性という、油脂がグルテンの形成を阻害することで生地をもろい食感にさせる性質を持つため、よりサクサクと軽く、くちどけの良い食感にすることができる。
生地をこねてしまったり、混ぜすぎてしまったりしてせんべいのように固いクッキーを作った経験がある人も多いのではないだろうか。
薄力粉をローストするひと手間で生地がサクサクしやすくなるので、これを機にぜひ一度試してみてはいかがだろうか。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/11/3 16:00 |
管理栄養士養成課程在籍中の現役大学生。
中学生時代に繊細な作業を必要とするお菓子作りに魅了され、その作成過程における化学反応や、お菓子の歴史についても興味を持った。
高校在学時に東京ベルエポック製菓調理専門学校主催「高校生パティシエコンテスト」本選出場。
現在はヒマラヤ山麓原産のモリンガを添加したクッキーの開発・研究を行う。
ナナマルサンバツを読んで育ち、大学からクイズサークルに所属。
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