クレジットカードの「VISA」って何の略?
2019年の「ギャル流行語大賞」で大賞を受賞したのは「KP(ケーピー)」という単語だった。意味は「乾杯」、つまり「K(乾) P(杯)」である。そこからさかのぼること一回り、2007年には、本家(?)の「新語・流行語大賞」に「KY」という単語がノミネートされていた。「K(空気) Y(読めない)」という意味である。
このように、世の中には「アルファベットの略語」、とりわけ「頭字語」があふれている。「頭字語」とは、「その言葉を構成する単語の頭文字を繋げて作られる単語」のことだ。「ASEAN(Association of South‐East Asian Nations, 東南アジア諸国連合)」や「ASAP(as soon as possible, できるだけ早く)」などは、目にする機会も多いだろう。
そんな頭字語界で指折りにユニークなのが、クレジットカードでおなじみの「VISA」である。略さずに記すと“Visa International Service Association”、日本語では「Visa国際サービス協会」とでも表すことになるだろう。
さて、お気づきだろうか? 「VISA」は略称であると同時に、正式名称を構成する単語の1つなのである。略称としての「VISA」を説明するために“Visa”という単語を使用しなければならない。このような構造を持つ単語を「再帰的頭字語」という。
一方、頭字語のように見えて頭字語でないものも存在する。「SOS」がその最たる例だ。難破した船が助けを求める際の信号として使われた「SOS」であるが、もともとは、モールス信号で打ちやすい文字(・ ・ ・ ― ― ― ・ ・ ・)であったことから使われていたにすぎない。しかしこれが「Save Our Ships」の略語であるという説が誕生し、広まってしまったというのである。
特別な意味のない文字列すらも「なにかの略語だろう」と感じてしまうあたり、「省略の文化」は、国や時代を問わず息づいていると言えそうだ。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/3/13 16:00 |
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