マーガリンの消費量と離婚率に関係があるって本当?
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざを聞いたことがある人は多いだろう。ひとつのことが次々と別の事象を引き起こし、やがて予想もしないところに着地する。「風が吹くこと」と「桶屋が儲かること」はまったく関連性のない出来事であるように感じられるが、辞書で意味を調べてみると「なるほどなぁ」と思わされるものだ。
さて、タイトルにある「マーガリンの消費量と離婚率」も、「風と桶屋」同様、関連性のない項目どうしであるように映る。
しかし、作り話のようなことわざとは違い、こちらには相関関係を表したグラフがあるのだ。
(※参考:http://tylervigen.com/spurious-correlations)
黒線のグラフは“Per capita consumption of margarine(1人あたりのマーガリン消費量)”を、赤線のグラフは“Divorce rate in Maine(メーン州の離婚率)”をそれぞれ表している。ここから、マーガリン消費量が多い年は離婚率が高く、逆に少ない年は離婚率も低いということが読み取れる。離婚率については「アメリカの1つの州」という小さい規模の話であるが、どうやらこの2つには密接な関連性があると見てよさそうだ。
……と言われて、あなたは信じてしまっただろうか?
結論を言うと、マーガリンの消費量と離婚率の間には関連性など存在しない。まったく異なるデータが、たまたま同じような形で増減していたというだけのことだ。このように、因果関係のないもの同士が、あたかも因果関係で結ばれているかのように見えることを“Spurious correlation(疑似相関)”という。
今回は極端な例を引用したが、例えばこれが「テレビゲームのプレイ時間と非行で補導された若者の数」として提示されたとしたら、「テレビゲームは若者を非行に走らせる!」という論調が生まれてしまうかもしれない。
様々な情報に容易くアクセスできるようになった現代。2つ以上のデータを比較するグラフを見たときは、ただそれを鵜呑みにするのではなく、本当に因果関係があるかどうかしっかりと判断できるような目を養っておきたいものだ。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/3/9 16:00 |
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