お札を印刷して捕まった芥川賞作家って誰?
1981年、尾辻克彦名義で「父が消えた」を執筆し、芥川賞を受賞した赤瀬川源平という人物を知っているだろうか。
その他にも、1998年にはエッセイ「老人力」がベストセラーとなり、年をとりボケたり衰えたりすることを「老人力がつく」と逆転の発想で表現し、その概念「老人力」がその年の流行語大賞のトップ10に入るなど世の中に影響を与え続けた人物だが、平成以降に生まれた若者は知らない人も多いかもしれない。
ここまでの経歴だけを聞くと小説家・文筆家だと思ってしまうかもしれないが、赤瀬川は芥川賞受賞前から著名で独創的な前衛芸術家であった。
そんな赤瀬川が、芥川賞受賞のはるか前に世間を賑わせたのが、「千円札裁判」と呼ばれるものであった。千円札を印刷・模写し芸術作品として多数発表していたのだ。
千円札をルーペで詳細に観察し200倍に拡大し模写した作品、千円札を印刷し鞄や瓶を梱包した作品、数枚の印刷千円札に切り取り線をつけた作品など様々だ。
もちろん法律で紙幣を印刷することは許されていない。赤瀬川は通貨及証券模造取締法に問われたのだった。
表現の自由をめぐり争われた「千円札裁判」は、最終的に最高裁まで争われ、執行猶予付きの有罪判決が下されることとなった。
その後赤瀬川は、前衛芸術の一線からは身を引き、漫画家やイラストレーターの領域に進出・活躍し、小説家としても芥川賞をとるなど多方面での才能を開花させることとなる。
多岐に渡るジャンルで赤瀬川が世に残した作品は数えきれないほどあるが、「千円札裁判」という作品も、芸術家・赤瀬川源平が残した代表作の一つとなったのである。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/8/12 16:00 |
担当ジャンル:生活
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