ドイツの結婚式で、夫婦の共同作業として切る習慣があるものは?
6月に結婚する花嫁「ジューンブライド」。なぜ6月の花嫁が特別なのか、由来は諸説あるが、最も有力なのは、6月を表す「June」が、結婚をつかさどる女神ユノ(Juno)にちなむからという説。ユノはローマ神話の主神・ユピテルの妻で、ギリシャ神話のヘラと同一視される(なお、オリンピックの聖火の採火式が行われるのは、ギリシャのオリンピアにあるヘラ神殿)。
そのほかにも、6月のヨーロッパは気候が良いからとか、昔は3月〜5月までは農繁期で結婚できなかったから、などの説がジューンブライドの謂れとしてある。日本では6月は梅雨にあたるため、以前は結婚式の時期としては人気がなかったが、1960年代後半にホテルオークラが6月の挙式を増やすためのイメージ戦略として、ジューンブライドを打ち出すことを考えついたという。
さて、結婚式の習慣というのは国によって異なるが、ユニークな結婚式が行われる国のひとつがドイツだ。
ドイツの結婚式は役場の戸籍課で行われ、ここで保証人とともに婚姻届に署名し、指輪の交換を行う。カップルの信仰にもよるが、役場での結婚式に加えて、教会でも式を挙げる人達もいる。結婚式のあと、屋外に出ると用意されているのが、持ち手が2つあるノコギリと丸太。新郎新婦は、2人で力を合わせて困難を乗り越えていけるようにとの願いを込めて、初めての共同作業で丸太を切るのだ。ということで、問題の答えは「丸太」。現在では結婚式のための専用の丸太も売られているそうだ。
もう一つ、ドイツの結婚に関連するユニークな習慣が「ポルターアーベント(Polterabend)」というもの。ドイツ語でpolternは「騒音をたてる」、abendは「晩」を意味する(ちなみに心霊現象の「ポルターガイスト」は「騒々しい霊」という意味)。この習慣は、結婚式の前夜に親戚や友達が持ち寄った陶磁器のお皿をみんなで割り、新郎新婦で破片を集めるというもの。大きな音を立てることで悪霊を追い払うという意味がある。また、2人で片付けることも丸太切りと同様に、カップルが力を合わせることの象徴だそうだ。
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/6/21 16:00 |
『アメリカ横断ウルトラクイズ』に感化された最後ぐらいの世代。学生時代は競技クイズを熱心にやっていました。大学卒業後は憧れていたアメリカと日本を行ったり来たり。その後2012年に思い立って渡欧し、今はオランダ在住。ボタンは長年触っていませんが、海外移住後も作家という形でクイズに関わっています。家はあのスケベニンゲンの近く。
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