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平安貴族が仕事をサボるときに使っていた口実とは?

仕事しなきゃ。でも気分が乗らない。

友達と遊ぶ約束した時はウキウキしていたのに当日になると急に行きたくなくなる。

こんなことありませんか?

 

わたしはあります。

 

そんな「休みたい」時に(平安時代に使える)言い訳を2つ紹介します。

 

①物忌み

物忌み(ものいみ)とは、

何か「ケガレ(穢れ)」に触れてしまった時に、浄化を目的として一定期間家などに籠もることです。

 

神に仕える仕事をする前に身を清めることを目的とする場合もあります。

 

「ケガレ」とは、人や動物などの死、お化け・血など、不吉なものを連想させるモノを広く言います。

 

親類など身近な人は亡くなったときはもちろんですが、

幽霊やもののけ、血などの不吉なモノを見てしまったときも物忌みを行います。

 

本当は「ケガレ」が悪い影響を及ぼさないように物忌みをするのが基本です。

ただ、実情は仕事のサボりの口実にも使われていたようです。

 

・出勤途中に動物の死骸を見てしまった!

・目が覚めたら幽霊がいた!

物忌みをしなきゃ!外に出られない!仕事休まなきゃ!

 

こういう思考回路です。

 

他人は本当かどうかも確認できませんし、ケガレのきっかけなんてどこにでも転がっています。

 

「本当に物忌み?」と思ったとしても本当だったら困るので、ムリに来いとも言えない。

 

なんて好都合なサボり口実!

 

②方違え

方違え(かたたがえ)とは、占いで導き出された、行ってはいけない方角を避けて出かけることです。

 

導き方はややこしいので割愛しますが、

ざっくり言うと、「すごい神様」が地上に降りてきてあちこち移動する期間があるので、その「すごい神様」と鉢合わせしないように気を付けて行動することです。

 

例えば、北に行ってはならないと占いの結果が出たとします。

でも、次の日には北の方角で仕事がある。どうしようか?

 

前日に東にある別荘などで宿泊します。

そこから目的地に行き、「北西」に出かけたことにするのです。

目的地は同じでも「北」には移動していないのでセーフです。

方違えもドタキャンによく使われていました。

 

平安時代は「通い婚」という恋愛・結婚形態で、

男が女のところに出かけていって、女の家でデートするのが一般的でした。

 

会う約束をしていたとしても、男が面倒になって

「今日はあなたの家の方角に行けません。方違えだから」と、

デートの予定をドタキャンする口実になっていたようです。

ひどい時には、別の方角の家に住む、浮気相手の女のところに行くこともありました。

 

現代のわたしたちには残念ながら使えない言い訳ですが、

当時の「休み」に対する大らかさを見習いたいものです。

 

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一介の予備校国語講師
ことのは

大阪府出身・在住。
同志社大学文学部国文学科卒業。
現在は予備校で(比較的)新人講師として勤務。
担当ジャンルは【古典文学】

授業では、本編よりも脱線話の方がウケて悲しい反面、過去の自分もそうだったので生徒を責められません。小ネタを収集する日々です。

基本どんなジャンルでも興味あり!
でも、結局言葉(=ことのは)のもつ魅力から逃れられずここまで来てしまいました。
尊敬する人は中2のときからロザンの宇治原さん。好きなことは、得意ジャンルが全く違う同居人とクイズ番組を見ながらやいやい言うこと。

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