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種痘法を開発し、天然痘撲滅に貢献したイギリス人は?

天然痘という病気をご存じでしょうか?

 

紀元前より伝染力が非常に強く死に至る疫病として人々から恐れられてきました。

天然痘ウイルスに1度感染すると高熱を出し、全身に皮疹ができ、最悪死に至ります。生き延びた場合でも失明や皮膚にできた皮疹のあとに苦しむ人が大勢いました。

日本では伊達政宗がこれにより片目を失明しています。

 

そんな天然痘も、人類の医療技術の発展に伴い1980年にWHOから、地球上からの根絶宣言が出されています。

どのようにして天然痘が根絶するまでに至ったのでしょうか。

 

18世紀ごろのヨーロッパでは天然痘が猛威をふるっており、イギリスでは3~5割の人が天然痘にかかっていました。

このころの対抗策としては、人為的に体に傷をつけ、痘瘡の水疱から出る膿をすりつけるという人痘法が行われていました。しかし、これは軽度であるものの実際に天然痘に感染させるため、あまり安全な方法とは言えませんでした。

 

イギリスのエドワード・ジェンナーは8歳の時に寄宿学校で強制的に人痘接種を受け、具合が悪くなってしまいます。その後、医師を目指している中で、もっと良い天然痘の予防方法がないものかと考えるようになります。

1768年、ジェンナーはソドベリー村での医師の研修中に、「牛痘にかかった人は天然痘にならない」という言い伝えを耳にします。

牛痘とは、ネコ科動物や牛などがかかる天然痘に似た病気です。ヒトでは感染しても天然痘に似た水泡ができるものの、天然痘ほど重症化しません。

ジェンナーはこれが天然痘の予防に使えないかと実験・研究をはじめます。

そして1796年、ジェンナーは牛痘患者の水疱から得られた分泌物を、使用人の子であるジェームズ・フィップスという少年に接種しました。その数週間後に天然痘を接種したところ、フィップスは天然痘を発症しませんでした。さらに、フィップスからできた水泡から得た分泌物を他の子どもに接種させ、さらに天然痘を接種したところほとんどの子どもが天然痘を発症しませんでした。

 

ジェンナーがこれらの成果を発表すると、この予防法は種痘法として世界に広まりました。

これは、あらかじめ弱くしておいた病原菌に感染させておくと、同じ菌が体内に入った場合でも発病しないという、免疫の仕組みを利用したものです。

 

このようにして天然痘は地球上から姿を消しました。

 

2011年には牛疫という牛などの動物の感染症の撲滅宣言が発表されました。

もしかしたらこの先、新たにいくつかの感染症が地球から消える日が来るかもしれませんね。

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某大学クイズ研究会所属の大学生
加賀

某大学クイズ研究会所属。

 

私が伝えた知識を吸収し、クイズに役立ててほしいです。

大学では自然科学について勉強しており、歴史好きというのも相まって科学史が得意です。

日本科学史、生物学史、元素といったジャンルの記事を書きます。

元素検定2級を持っています。現在1級取得に向けて勉強中。

 

加賀という名前ですが、石川県には1度しか行ったことがないです。

写真は福島県に旅行した時撮影した鶴ヶ城です。

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