アサフ・ホール3世が発見した2つの衛星は?
アサフ・ホール3世。この一文が早押しクイズで出てきたら「フォボスとダイモス」と答えれば、いじわるでない限り正解するだろう。
アサフ・ホール3世。1829年10月15日に生まれ、1907年11月22日に亡くなったアメリカの天文学者だ。
彼が行なった研究は太陽系に限らず、宇宙への知見に貢献した。
コネチカット州ゴーシェンに生まれた彼は16歳で大工に弟子入りし、その後ニューヨークセントラルカレッジで数学、ミシガン大学(短期講習)で天文学を勉強した。
20代後半になると、彼はハーバード大学天文台で職を得ることができた。そこで彼は知識の吸収・研究の実践・論文の執筆を行う。
30代前半に彼はアメリカ海軍天文台の数学教授に就任し、その職務を約30年間全うした。
その約30年の間に彼は惑星科学に関する研究論文を多く発表した。二重星(肉眼では1つに見えるが、望遠鏡などで観察すると二つの星)の軌道・土星の輪の質量・土星の自転周期・年周視差(惑星の公転により天体の位置が変化して見える現象とその大きさ)の定義など…。その中で一番有名なのが火星の2つの衛星・フォボスとダイモスを発見し、その軌道も予測で出したことだ。いずれもホールが数学の知識を駆使して出された成果といえよう。
ここで少し脱線。フォボスとダイモスについて解説しよう。
フォボス(Phobos)はギリシャ神話に登場する「恐れ(fear)」を指す神、ダイモス(Deimos)は「より大きい恐怖(terror)」を指す神の名前に由来している。フォボスがダイモスより大きい。命名者はアサフ・ホール3世。
話を元に戻そう。前述した多くの功績により、アサフ・ホール3世はラランド賞(フランス科学アカデミーの天文学賞)や王立天文学会ゴールドメダル(イギリス王立天文学会の賞)を授与される。
アサフ・ホール3世がアメリカ海軍天文台を1891年に退職した後、1896年にレジオンドヌール勲章(フランスの最高勲章)を受賞。同年に彼はハーバード大学の教授になり、5年間在籍した。晩年も研究に没頭した人生で、幕を閉じた。
彼の死後もその業績は讃えられ、月とフォボスにホールと名付けられたクレーターが存在している。まさに天文学に身を捧げた学者の誉れだ。
ジャンル | 歴史 |
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掲載日時 | 2020/8/26 16:00 |
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