日本に由来がある冥王星の地形は何でしょう?
1930年にアメリカ・アリゾナ州にあるローウェル天文台で天文学者のクライド・トンボー(1906-1997)が発見した太陽系の天体。
発見当初は太陽系第9番目の惑星となったが、2006年に準惑星へと格下げされてしまった。
それが冥王星。英語名は “Pluto”で、ローマ神話における冥界(あの世)を司る神様の名前に由来している。
天体の地形には偉人や地球上の地名といったユニークな名前がついているが(『「アクタガワ」「ホクサイ」といったクレーターがある太陽系惑星は?』を参照)、冥王星の地形に名付けられたのは意外にも最近なのだ。
2006年1月に打ち上げられたNASAの宇宙探査機「ニュー・ホライズンズ」が2015年に冥王星に接近し、観測・探査を2016年まで行った。その時に発見された地形のうち、14個が名称を2017年にIAUが公式に承認された。また2019年には新たな14個の正式名称が認証され、2020年現在冥王星には28ヶ所の地名が存在している。
その中で一番目立つのが明るく白っぽいハート形の地域だ。冥王星の発見者・トンボーにちなんで「トンボー地域(領域)」と名付けられた。
そのトンボー地域の西側にスプートニク平原(世界で初めて打ち上げられた人工衛星「スプートニク1号」に由来)が広がっており、西側から南へ向けてヒラリー山脈とテンジン山脈が位置している。ちなみにヒラリーは「なぜ山に登るのか?」という問いかけで有名なニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリー、テンジンはインド・ネパールにまたがる高地領域出身の登山支援家テンジン・ノルゲイからとっている。
これは二人が地球最高峰エベレストの初登頂に成功している業績によるものだ。
そのトンボー地域の北側に広がっている大地には日本にちなんで名付けられた大陸の名前がある。それが「ハヤブサ大陸」。
このハヤブサは鳥のハヤブサではなく、小惑星イトカワからサンプルを採取した日本の小惑星探査機「はやぶさ」から名前をとっている。
2020年時点で海外の探査機や神話に由来している名前がほとんど冥王星につけられている中、日本のものが由来となっているのはこのハヤブサ大陸のみ。
今回紹介した冥王星の地名はハヤブサ含めて4ヶ所だが、他の24ヶ所にも興味引く名前がある。ぜひその目で検索して確認してもらいたい。
ジャンル | 地理 |
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掲載日時 | 2021/1/31 16:00 |
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