大神ゼウス君の世界神話教室
女神のコトならワシに聞け! 第6話
インドより愛を込めて~人類の母サラスヴァティー~
世界各地の神々の物語“神話”。時代も文化も違うにも関わらず、どんな神話にも何故かよく似たストーリー、よく似た教訓を残しているものも多くあります。神様は意外と人間臭い。特に女神は感情豊かでわかりやすい。世界中の神話から女神1柱をPICK UP!
ナビゲーターはギリシャ神話の神の長にして、女性には百戦錬磨の大神ゼウス!自由奔放な女神の物語から神話の世界を覗いてみましょう。。
最初にクイズです!
Q1「インド神話の女神サラスヴァティーの日本名は?」
a アマテラス b イザナミ c 弁財天
…答えはこのゼウス君の神話教室にあるよ!
ゼウス:ナマステ~!ゼウス先生だよ~
今回はインドで最も美しいと言われる女神「サラスヴァティ―」を紹介しよう。
その前に、まずインド神話だ。これは複雑だ。そもそもここには世界四大文明の1つインダス文明があり、インダスの神話があったのだが、、後にシルクロードと呼ばれる道の途中。西は中東~ヨーロッパ、東は中国。ここで文化も神話も融合され、この土地に生まれたヒンドゥー教、バラモン教、仏教など宗教と共に各地へ伝わっていった。成立時期や伝承者などによって若干異なるが…長くなるから省略!早い話、インド神話はほぼヒンドゥー教神話と思ってくれ。
インド神話の有名な神様といえば、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの3神。創生神といわれる皆様だ。
諸説あるが女神サラスヴァティ―はブラフマーの妻とされている。
現存はしない、が聖なる川と言われたサラスヴァティ―川の化身で水と豊穣の女神だ。インドの最も古い聖典『リグ・ヴェーダ』にはこの世の流れる形を留めない言葉や知識、音楽や芸術などの女神とされている。色白で額に三日月の印、4本の腕のうち2本の腕に数珠とヴェーダ、残りの2本の腕でヴィーナという弦楽器を抱えている。白鳥やクジャク、時には白い蓮華の上に座る美しい姿が描かれている。。
実はブラフマーの妻でもあるけど、娘でもあるんだ。ブラフマーは「出来るっかな?出来るっかな?フフフン~♪」と1人で女神を作ってみたら…
「いいね!超美人じゃ~ん、どこからでもずっと見ていたいな」と自分の顔を前後左右に顔を造った。さらにサラスヴァティーが逃げないよう監視するため、5つ目の顔を作ってる矢先、さすがのサラスヴァティーも「ヤダ、コワ~イ!」と逃げ出した。そりゃそうだよね、“頭中顔”にずっと監視されるんだもん。ところがブラフマーはサラスヴァティ―を妻にしようと追いかけまわす。
美人に造って頂いたとはいえ、頭が顔だらけの執拗なストーカーに追い回され少し可哀相だが、根負けしたサラスヴァティーはブラフマーの妻になり、人間の始祖「マヌ」を生み人類の母となった。
サラスヴァティーの性格は女神にありがちの自由奔放でプライドが高い。そんな性格が見える最も有名なエピソードしては…
ブラフマー主催の祭儀の日、サラスヴァティ―がいないじゃないの!急いで使者に迎えに行かせたところ「支度には時間がかかるのよ」と急ぐ様子は全くナシ。困ったブラフマーは急遽、別の娘を妻に迎え祭儀を行うんだけど…主役はトリよ、と言わんばかりにバッチリメイクで遅れてご登場のサラスヴァティ―は当然ブチ切れ!自分の遅刻を棚に上げ夫であり創生神のブラフマーに祭事を年に1度しか出来ない呪いをかけ、「そこの小娘!私が第一妃だから、よく覚えておきなさい!」と圧をかけ自身の地位を確固たるものにした。一説ではその時に妃となった讃歌の神格化とされる神妃ガーヤトリーは何かとサラスヴァティーと同一視されているとか。それは私ですから!ってこと?出る杭は打たれるのね…
インド神話では最も美しく最上の女神サラスヴァティー。しかし性格は私・至上主義。世界共通、女神は美しい程コワイねぇ。
サラスヴァティ―は仏教と共に日本に伝わり今も君たちの身近な女神となっている。七福神の紅一点「弁財天」こそサラスヴァティ―だ。琵琶のような楽器を抱え知恵・言葉・音楽など芸術を司る。その姿は本来のサラスヴァティーそのもの。さらに財運や招福、長寿まで!ベッピンさんのベンテンさんは有難~い女神様だ。
というわけで、冒頭のクイズの正解は、c弁財天。です。
しかし、どこを向いていても四六時中観ていたい美人とは…是非一度お食事を、と言いたいところだが“おめかし待ち”でぜっかくのインドカレーも冷めちゃうかなぁ。
次はどんな女神に会いに行こうかな?では、フィル ミレンゲー(また会いましょう)
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2021/7/6 16:00 |
本業はTV番組・イベントなどキャスティングP
音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。
仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に
巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!
それらを伝えていこうと執筆している。
得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。
趣味はイラストレーション、読書。
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