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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
<座敷わらしは良い子?悪い子?普通の子?>

地球・あやかし紀行

不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

古事記、日本書紀と古い書物にも登場する妖怪。日本人はどうやら“あやかし”“物の怪”と言った大好きなのでしょうか?どんな時代にも妖怪ブームは必ず巡ってきます。

最近はコロナ渦という誰もが辛く我慢を強いられるためか、災いから護ってくれる妖怪、癒しの妖怪、幸運を呼ぶ妖怪などが注目されています。

そこで、家に繁栄をもたらす“あやかしさん”の代表「座敷わらし」を紹介します。

 

まずは、「座敷わらし」の基本知識です。

  • 家の奥座敷、台所や子供部屋、旧家の蔵などに在住。(現代では家の各所)
  • 年齢は5歳~15歳位、一家に1体とは限らず数体確認されることもある。
  • 姿はおかっぱ、もしくは散切りヘア。女児は着物に赤いチャンチャンコ、男児はかすりや縞模様の黒っぽい着物。稀に振袖姿の少女も。(現代では洋装も)
  • 基本的に家主(家族)以外にはその気配は感じられず、誰もいない所で何かしらの生活音を発したり、就寝中に身体に乗る、周囲を走るなどイタズラをする。
  • 豆が好物。赤飯や煮豆などを供えると喜ぶ(翌日、器がカラになる)
  • 座敷わらしが棲む家は繁栄し、姿を消すと衰退する。

座敷わらしは家に住む精霊、家の守り神、と言われていますが、居なくなると衰退するとは…手放しでは喜べませんね。

☆座敷わらしの起源

座敷わらしの起源で代表的なものは大きく3つ。

  • 幼くして亡くなった子や間引いた子どもの霊
  • 大工など建築する者たちの思念
  • カッパ、タヌキなど外部から侵入した妖怪や動物

1つ目の亡くなった子どもの霊という説。これば定説とも言われています。特に口減らしで間引いた子どもの遺体は奥座敷の軒下や台所の土間などに埋葬したので、その子どもは死んだことに気づかず、普段通り家族と一緒に生活しているとか。

2つ目の大工や職人さんのマイナス思念が家に残る説は安い賃金で働き、大工の棟梁や仲間への不満、豊かな経済力を持つ家主に対するヤッカミもあったのかもしれません。いわゆる生霊。でも、これだと「座敷おじさん」かもしれません。

3つ目のカッパやタヌキなどの妖怪や動物説も有り得ますが…カッパや野生動物がずっと家に居たらさすがに気づかれます!しかも、妖術に長けていないと難しそう…。

おそらく、これら“座敷わらし像”と様々な信仰や人の想いなどが融合し、家に居つく謎の妖怪“座敷わらし”となったのでしょう。

  • 座敷わらしの故郷と移動方法

今では全国に座敷わらし逸話があり、座敷童の住む家、座敷童に会える旅館など話題にされます。研究者たちによると、その伝説は岩手を中心に、青森、秋田、宮城など東北に特に多く分布し、少しずつ各地へと広がっているとされているため、座敷わらしの故郷は東北説が有力です。

どうやって全国に散っていったか?と言えば、一説では遠方からの来る修行僧や神社仏閣の参拝者など旅人に憑いて移動したのではないかと言われます。人から人へ、家から家へ、居場所を求めて旅をしているのでしょう。

  • 座敷わらしの加護

座敷わらしが棲む家は、その存在を大切に扱います。食事を供えたり、物音がすると

話しかけたり、部屋の一角に“座敷わらし専用スペース”を作る家庭も…。妖怪といえど、繁栄をもたらす守り神には、いつまでも居て欲しいものです。

しかし、座敷わらしはずっと居続けるとは限りません。滞在期間も様々で何を基準に去っていくのか分かりません。ただ、一部の地方では赤い童が(赤い顔、赤い服、赤い影)が現れたら「さようなら」の挨拶とも伝わっています。

何を求め、どこへ行くのか?座敷わらしは繁栄をもたらす善き童であり、去れば衰退させる悪しき童。必ずしも幸運だけをもたらすワケではありません。もし、座敷わらしなりに何か考えがあり、人間に幸と不幸を平等に与えながら行動しているならば、公平な普通の童(妖怪)とも言えるかもしれません。

 

余談ですが…これを書いている私も子どもの頃、“座敷わらし”らしき存在と同居していました。私自身は不思議な子どもの声しか聴いたことはありませんが、当時、両親はその存在をしっかりと認識していたようです。

仕事で毎日深夜に帰宅し1人玄関わきの和室で寝ていた父は、夜明け前、布団の周りを走り回る子供の足音を度々聞いていたといいます。母は洗濯物を干していると時々、部屋から部屋へとスッと走り去る幼いのおかっぱ頭の子どもの姿を目撃していたと。

その後、母は半身不随になる大病をしましたが、幸いにも退院し、暫くして気づいた頃には「そういえば、アレ最近いないね」と…

旧家でなくタダの新築建売住宅。大きな繁栄も衰退もあったとも思えません。しいて言えば…その後、奇妙なものがよく居るようになった程度です。この家に限らす転居するともれなく…私の家族は“あやかしさん”に好かれやすいタイプだったのでしょうか?

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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