かに座の天体系に存在する希少な惑星とは?
惑星が存在するのはぼくらがいる太陽系だけではない。
太陽系外惑星(以下、系外惑星と称する)を探索するためにNASAが打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡は2009年から2018年まで運用したが、運用期間中に4000個以上の系外惑星を発見している。その中で地球外生命体がいる可能性がわずかでもあるのは10個ほどとされる。またNASAの研究者たちがケプラー宇宙望遠鏡の観測データに基づいて、天の川銀河に存在する地球型惑星(地表が主に岩石や金属などの固体でできている惑星)の推定数はおよそ10億。どのような特徴がある惑星なのか、解析がさらに進むことに大きく期待しよう!
そんな数多い系外惑星であるが、中には希少な価値を持っているものがあるのをご存知だろうか。
その惑星があるのは地球から約40光年離れているかに座の55番星を中心とする惑星系だ。かに座55番星は一つではなく太陽によく似た恒星と赤色矮星からなる連星(2つの恒星が両方の重心周辺を軌道運動している天体)で、5つの惑星が観測で発見されている。
その5つの惑星の一つであるかに座55番星eは直径が地球と比べて約2倍、そして質量は地球の約8倍と地球以上の大きさがある地球型惑星なのだ。このような特徴を持つ岩石惑星をスーパーアースと呼称されている。
地球上から観測して2004年に発見されたかに座55番星eだが、その後スピッツァー望遠鏡(NASAが2003年に打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡)による解析で2011年に惑星の大きさが産出された。その事柄に基づき化学組成、公転速度や地表温度などを推定していくと、惑星表面の下にはほどんどがダイヤモンドで構成されている層があるとわかったのだ。
ただし気をつけなければならないことがある。この系外惑星はかに座55番星との距離が近く公転周期がおよそ18時間なので、表面がおよそ2150℃にもなるのだ。つまり一般的に生物が住めるような環境ではない一方で、主に炭素で構成されていることが分析より判明しているためダイヤモンドの生成条件には適している。もしこの惑星に行けたとしても生きながらにしてダイヤモンドを採掘することはできないのでご注意を。
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2021/9/20 16:00 |
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