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アルジェリアで見つかった太陽系最古のものは?

1962年7月にフランスから独立した北アフリカの国・アルジェリア。

首都はアルジェ。「アフリカにある国でアルジェリアの首都はアルジェですが、ナイジェリアの首都はどこでしょう?」と、クイズでは前振りに使われることが多々ある。

ちなみに正解はアブジャ。

アルジェリアはアフリカの中では面積第一位の国で、世界の面積では第11位に位置している。また国の約84%が砂漠地帯(サハラ砂漠の一部)で、砂漠と地中海との間にはアトラス山脈が横切っている。

ちなみにサハラ砂漠の「サハラ」は砂漠という意味なので現地では砂漠砂漠なのだが、アトラス山脈の「アトラス」は山という意味があるのでこちらも山山と呼ばれているとか。

 

そんなアルジェリアで2020年5月に見つかった隕石が太陽系最古の火山岩であると、今年(2021年)に国立極地研究所の国際研究グループより発表された。

隕石はサハラ砂漠で見つかっており、「Erg Chech 002」と名付けられている。

研究グループが「Erg Chech 002」隕石を分析した結果、二酸化ケイ素量が全体の約6割ほど存在している火山岩の安山岩であることがわかった。

さらに溶岩が固まった年代が太陽系誕生から約225万年後(現在から約45億6500万年前)と推定されることから、今まで発見された隕石の中では最も古い火山岩となったのである。

 

これまでの研究では太陽系が生まれたばかりにできた微惑星や原始惑星の表面には火山岩があり、その火山岩は二酸化ケイ素の量が安山岩より少ない玄武岩だとされていたが、最近になって安山岩の説が出始めてきた。

そして今回の研究成果により、太陽系初期の天体には安山岩の溶岩が多く存在していた可能性を示すようになった。

なぜ今回の隕石のように安山岩が数多く見つからなかったのか。研究チームによると当時多く存在していた安山岩は天体同士の衝突で破砕されていき、惑星などの材料となったことにより見つかる数が少ないと推察している。

今後も従来の説が覆される新たな科学的発見があるかもしれない。だから惑星や宇宙のふしぎはまだまだ奥が深い!

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横浜のフリークイズライター
マジー田中
1991年生まれ。大阪府生まれ奈良県育ち。現在は横浜在住。
2011年に大阪大学理学部に入学。大阪大学クイズ研究会(OUQS)と大阪大学天文同好会に入り、4年を過ごした。
2015年に大阪大学卒業後、大阪大学大学院理学研究科に進学。惑星物質学研究室に配属。
2017年に修了後、千葉大学大学院博士課程に進学したが、2019年夏に中退しカヤックに秋入社。2021年にカヤックを退職。
現在はクイズ・謎解き集団Raiseのクイズライターで活動中。

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