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2000年のノーベル賞を受賞した偶然は?

皆さんは「セレンディピティ」という言葉をご存じでしょうか?

セレンディピティとは、簡単に言うと「ふとした偶然で幸運をつかむこと」です。

自然科学では、このセレンディピティにより様々なものが発見されてきました。

その中でも、今回は日本人がノーベル賞受賞を果たすことになったセレンディピティについて紹介します。

 

皆さんは白川英樹先生をご存じでしょうか?

白川先生は「導電性高分子の発見と発展」により、2000年にノーベル化学賞を受賞されました。

分かりやすく表現すると、電気を通す性質を持つプラスチックを発見したため、ノーベル賞を受賞されたということです。

電気を通すプラスチックは現在、タッチパネルや携帯電話の電池など様々なものに利用されています。

 

実はこの電気を通すプラスチックは偶然発見されたものです。

どのような経緯で発見されたのでしょうか。

 

白川先生は東京工業大学、および東京工業大学大学院で高分子について研究を行っていました。

大学院で博士課程を修了すると、大学の研究所で助手を務めました。

ある日、韓国からの研究生がポリアセチレンというプラスチックを作りたいと白川先生に希望します。

白川先生は研究生にポリアセチレンの作り方をメモにして渡し、実験をさせます。

この実験で、研究生はmmol(ミリモル)と書かれた触媒の物質量をmol(モル)と見間違えてしまいます。

これはmm(ミリメートル)とm(メートル)の関係でもわかるように、本来必要な量の1000倍の量の触媒を使用してしまったということです。

この実験で、本来は粉のようになっているはずのポリエチレンが黒い膜のようになってしまいました。

白川先生はこの膜に着目し分析を行います。膜に金属のような光沢があったため、電気を通すか調べますが、電気は通りませんでした。

 

1975年、化学者のアラン・マクダイアミッド先生が講演のため東工大に訪れます。

彼は光沢があるプラスチックを研究している人物がいると聞き、実際に白川先生のもとを訪ねます。

話を聞いたマクダイアミッド先生は白川先生に共同研究をもちかけました。

こうして、アメリカでアラン・ヒーガー先生を含めた3人を中心とし研究を進めます。

 

そして1976年、ポリアセチレンに少しの不純物(臭素)を入れることで、電気を通すことを発見しました。

後に臭素ではなくヨウ素を入れることでさらに導電性が増すことを発見しました。

この発見で白川先生はマクダイアミット先生、ヒーガー先生と共にノーベル賞を受賞します。

 

メモの見間違いに由来する発見が、現在の我々の生活を支えることになっています。

他にも自然科学では様々なセレンディピティのエピソードがあります。

調べてみると面白いかもしれません。

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某大学クイズ研究会所属の大学生
加賀

某大学クイズ研究会所属。

 

私が伝えた知識を吸収し、クイズに役立ててほしいです。

大学では自然科学について勉強しており、歴史好きというのも相まって科学史が得意です。

日本科学史、生物学史、元素といったジャンルの記事を書きます。

元素検定2級を持っています。現在1級取得に向けて勉強中。

 

加賀という名前ですが、石川県には1度しか行ったことがないです。

写真は福島県に旅行した時撮影した鶴ヶ城です。

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