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太陽系惑星の中で円に最も近い軌道を持っているのは?

「地球は太陽を中心に回っている。」

この一文は事実と少し違う。

ケプラーの第一法則を用いて説明しよう。

16世紀のデンマーク出身の天文学者であるティコ・ブラーエ(1546-1601)は20年にわたり火星の位置の観測を行なっていた。その観測記録をヨハネス・ケプラー(ドイツの天文学者, 1571-1630)が受けとり、解析に基づいて定式化したのがのちのケプラーの法則だ。

その第一法則は「惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道上を描く」としている。

つまり惑星は太陽を中心に回っているのではなく、2つの焦点の一つの位置に太陽が存在し惑星が楕円の軌道を描きながら回っている。ちなみにもう一方の焦点には何も存在しない。

 

かみくだいて説明すると最初の文章は「地球は太陽を焦点に回っている」とした方が良いということである。またその軌道は円ではなく楕円なのだ。

 

それでは本題に入ろう。

先ほどのケプラーの第一法則より惑星は太陽を焦点に回っているが、どのような楕円となるかは離心率(※)によっている。離心率が0から1の間ならば楕円を、1ならば完全な円の軌道で回る。1に近いほど円に近く、0に近いほど細長い楕円軌道となる。

 

※離心率・・・焦点からの距離と特定の直線(数学用語で準線と呼ぶ)からの距離の比率

 

太陽系の8つの惑星の離心率はどのようになっているのか。理科年表に基づくと以下のようになる。ただし数値は小数点第4位までとする。

 

水星: 0.2056

金星: 0.0068

地球: 0.0167

火星: 0.0934

木星: 0.0485

土星: 0.0555

天王星: 0.0463

海王星: 0.0090

 

したがって円軌道に最も近い軌道を持っているのが金星、その次が海王星となる。

円軌道に最も離れているのは水星。

しかしながら水星を除いた惑星は0にほぼ近いので、円にほぼ近い軌道を持っているといえよう。

 

ちなみに1930年から2006年までに「太陽系の惑星の中で円に最も遠い軌道を回っているのは?」を出題したら、答えは冥王星となる。冥王星の離心率は0.2488で、水星より少し大きい。

結論「太陽系の惑星は水星を除けば、ほぼ円に近い軌道を描いて公転している」

今日はここまで!

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横浜のフリークイズライター
マジー田中
1991年生まれ。大阪府生まれ奈良県育ち。現在は横浜在住。
2011年に大阪大学理学部に入学。大阪大学クイズ研究会(OUQS)と大阪大学天文同好会に入り、4年を過ごした。
2015年に大阪大学卒業後、大阪大学大学院理学研究科に進学。惑星物質学研究室に配属。
2017年に修了後、千葉大学大学院博士課程に進学したが、2019年夏に中退しカヤックに秋入社。2021年にカヤックを退職。
現在はクイズ・謎解き集団Raiseのクイズライターで活動中。

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