標高が22kmを超える山はどこにある?
あなたに短文クイズを3問出題。全部解けるかな〜?
Q1. 日本で一番高い山は?
Q2. 地球上で一番高い山は?
Q3. 太陽系で一番高い山は?
それでは正解を発表。
A1. 富士山(標高3776m)
A2. エベレスト(標高 8848m)
A3. レアシルヴィア
おや、と思ったあなた。それはクイズプレイヤーもしくは太陽系に精通している方なので誇りに思っていいだろう。
太陽系で一番高い山は火星のオリンポス山じゃないの?
確かに火星のオリンポス山(火山)は1971年に発見されて以来40年以上、太陽系で最も標高が高い山といわれてきた。その標高は書籍やホームページなどにより色々あるが、約21.9kmとされている。
3問目のクイズの正解であるレアシルヴィア。今回はこれについて解説しよう。
レアシルヴィアがあるのは小惑星ベスタ。火星と木星の間の小惑星帯(メインベルト)に存在している2番目に大きい天体だ。
ベスタは1807年にドイツの医師かつアマチュア天文学者のハインリヒ・ヴィルヘルム・オルバースが発見した。古代ローマ神話で竃(かまど)や家庭を司る女神の名前に由来している。
ベスタの表面をみていくと、直径が約500km以上のクレーターが1つ存在している。それがレアシルヴィア。ベスタの中で最も大きい構造だ。
ベスタの表面構造はハッブル宇宙望遠鏡(1997年)やNASAが打ち上げた無人探査機・ドーン(2011年)によって解析されている。
レアシルヴィア・クレーター中の盆地にある山の最大標高が22.5km。実はオリンポス山よりも高いのだ。
ところで標高はどのように決められるのか。日本での標高は東京湾の平均海水面を海抜0mとして標高が決められている。
天体の視点から見てみるとどうか。惑星の重力の位置エネルギーの等しい面を重力平均面(ジオイド)として仮想的に作成し、その高度差を元に標高を出している。
火星のオリンポス山やベスタのレアシルヴィアは人工衛星の解析に基づきジオイドや標高を算出するのだ。
結論。Q3の「太陽系で一番高い山は?」に対する正確な回答は「小惑星ベスタのクレーター・レアシルヴィアの中央丘」である。ただしレアシルヴィアの中央丘は天体衝突によりできた地形とされているので、2020年現在「太陽系で一番高い火山」をクイズ大会などで問われたら火星の「オリンポス山」と答えてね!
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2020/10/23 16:00 |
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