太陽系の惑星のうち、一番傾いているのは?
太陽系の惑星は自転している。自転とは北極点と南極点を結んだ軸(地軸)を中心に天体自身が回っていることだ。
なお地軸の傾きは、「公転している面と垂直な面に対する傾き」とここでは定義。つまり垂直面が地軸と並行の場合は0°、垂直の場合は90°とする。
そのためWebや書籍で出ているものとは異なることをことわっておく。
また傾斜の数値は小数点以下第2位まで。
2020年現在、太陽系の惑星の地軸の傾きは以下のようになる。ただし誤差を除く。
水星は0.01°(※)、金星は2.64°、地球は23.44°、火星は25.19°、木星は3.13°、土星は26.73°、天王星は82.23°、海王星は28.32°となる。
(※)書籍やWebサイトによっては水星の地軸の傾きが0.03°や2.04°と異なるが、太陽系の中で一番傾きが小さいことは不変とされる。なお今回の数値はESAやIAUのデータに基づくものとしている。
上に述べた通り、傾きがほぼ水平なのは水星・金星・木星の3つ。25°前後なのは地球・火星・土星・海王星の4つ。垂直に近いのが天王星となる。
なぜ天王星が他と異なり、地軸がこれほど垂直に近いようになってしまったのか。
多くの科学者たちが唱える最有力説は、今より数十億年前にまだ出来上がったばかりの天王星が別の巨大な岩石型惑星もしくは原始惑星(いくつもの微惑星が衝突・集積して出来上がったとされる天体)と衝突したということだ。しかも1度ではなく少なくとも2度の衝突が短期間中に起きたのではないかと、2011年のシミュレーション結果よりほのめかされている。この衝突により他の巨大惑星と比べると内部からの熱供給が欠如しているとも…。
ちなみに地球ぐらいの傾きであれば季節をもたらすほど快適になるが、天王星ぐらい地軸が傾いていると極地域では昼と夜が約42年おきに繰り返されるとか…。(天王星の公転周期は約84年より)
上述した内部熱の欠如と自転軸の大きい傾きのおかげで、天王星の気候は他の巨大惑星よりも穏やかなのだ。水色に染まった天王星の写真を見たら、それはほぼ垂直に傾いた穏やかな惑星と認識していただければ!
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2020/9/20 16:00 |
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