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土星の環って数えられるの?

土星問題。太陽系の惑星の中で、リング(環)を持つのはいくつ?

 

正解は、木星・土星・天王星・海王星の4つ。

その中でもひときわ目立つのが土星の環だ。図鑑に載っている写真やイラストを一度でも見たら、環のない土星はイメージできない。

 

土星の環の正体は、マイクロメートル単位からメートル単位まで様々な大きさがある無数の粒子の集合体。その粒子たちの集合密度により環のように見えるのだ。

これを踏まえて、土星の環はいくつなのか?

 

写真やイラストによく載っている土星の環で、環の名前がついているのは5つ。

土星に近い方からD環・C環・B環・A環・F環となっている。その中でメインリングと呼ばれているのがA環・B環・C環の3つだ。A環とB環、そしてC環の一部は明るく描写されているため、明確に理解しやすい。

C環より内側にあるD環は土星の雲の上端まで達しているが、C環より密度が疎なのでよく見ないとわからない。内側にあるA環と比べて非常に細かいF環は、土星の環の中で急速に特徴が変化する活発な環だ。

またB環とA環の間の空間をカッシーニの間隙(かんげき)、A環とF環の間の空間をロシュの間隙、そしてA環中の目立つ隙間をエンケの空隙(くうげき)、目立たない隙間をキーラーの空隙と名付けられている。

間隙と空隙の違いは、ある一つの環と別の環との間の隙間か、一つの環の中の隙間かだ。ちなみにいずれも粒子が存在しており、環と比べて非常に低密度なので何もない空間のように一見見えてしまう。

 

次に一般的な土星の画から外側に広がっている環を紹介しよう。F環から外側に向かって、ヤヌス/エピメテウス環・G環・メトネリングアーク・アンテリングアーク・パレネ環・E環・フェーベ環がある。E環とG環はいずれも薄く、境界線がメインリングと比べるとわかりにくい。他のリングは2000年代後半に入り発見されている。

 

以上から2020年現在土星の環は、一般的な画からは5つ。ただし視野を広げると12、環の間の間隙や環の中の空隙などを含めるとキリがなくなってしまう。そのため、正解を一つに絞るのが難しい…。だから土星の環には有限らしい無限さがあって面白い。

 

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横浜のフリークイズライター
マジー田中
1991年生まれ。大阪府生まれ奈良県育ち。現在は横浜在住。
2011年に大阪大学理学部に入学。大阪大学クイズ研究会(OUQS)と大阪大学天文同好会に入り、4年を過ごした。
2015年に大阪大学卒業後、大阪大学大学院理学研究科に進学。惑星物質学研究室に配属。
2017年に修了後、千葉大学大学院博士課程に進学したが、2019年夏に中退しカヤックに秋入社。2021年にカヤックを退職。
現在はクイズ・謎解き集団Raiseのクイズライターで活動中。

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