オーロラが見えるのは地球だけ?
オーロラが地球上で一般的に見られる地域はどこか?
知っている人は「北極圏もしくは南極圏」と答えるだろう。
では、オーロラとは何か?
一言でいうと「さまざまな色をなす光の帯」。少し説明を加えると、太陽から出ている太陽風が地球上の磁場と相互作用して発光している状態だ。極圏領域の夜の時に磁場が強いので、極圏の晴れた夜にオーロラは見られやすい。
ちなみにオーロラという言葉は、ローマ神話に登場する暁の女神アウロラ(Aurora)に由来している。
では本題に入ろう。オーロラは地球以外の惑星で見られるのか。
答えはYes!太陽系だと水星以外ですでに観測されている。
まず木星型惑星(木星・土星・天王星・海王星)について説明しよう。
オーロラの発生に必要なのは、恒星から出ているプラズマ(太陽でいう太陽風)・惑星が持つ磁場と大気だ。太陽系には太陽があるのでプラズマの条件はクリア。
木星型惑星には強い磁場と大気があるから、オーロラは見える。
木星型惑星で見られるオーロラは地球で見られるものと性質が違う。
例えば木星のオーロラは太陽風だけでなく木星の衛星による影響もある。
特に衛星の一つであるイオは火山活動をしているため、その活動が木星の磁場に影響してオーロラが見えるのだ。
イオに関しては「地球以外で火山活動をしている太陽系天体は、主に何を噴出している?」を参照してほしい。
また土星のオーロラは紫外線・赤外線の領域で発生していることが多く、可視光領域しか見られない肉眼では観測しにくい。ただし稀にピンク・紫色のオーロラが見られることも…。
金星と火星で見られるオーロラはさらに様相が異なる。
金星には固有の磁場がないため、本来はオーロラが観測されない。ところが太陽風が金星の大気中の電離層と作用して磁場圏が発生していることが研究でわかった。その影響で不明瞭な形ながらオーロラが金星で観測できたと推定される。
火星は大気が薄くオーロラは発生しにくいとされていたが、2004年に火星の東経177度南緯52度付近でオーロラが観測された。調査研究の結果、その領域に一番強い磁場圏があることがわかった。
水星にも磁場は存在していることが観測から分かっている。ではなぜ水星にオーロラが観測されないのか。それは水星の大きさが小さいのと太陽に近すぎるためだ。この2つの要因で水星の大気がほぼないので、オーロラが発生しない。太陽系の惑星で暁の女神に唯一見放されたような感じでさみしいのは僕だけだろうか…
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2020/9/2 16:00 |
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