よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』
宮内庁御用達のお店はいくつある?
【朗読】リラックス効果抜群の雑学【聞くトリビア】

『全身麻酔が効く理由はわかっていない!?』

『消毒液を使うとキズの治りが遅くなる!?』

 

聞いているうちに不思議とどんどん落ち着いてくる、1時間の面白雑学動画!

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

仮面ライダー2号は、初代仮面ライダーの事故がきっかけで生まれた

現在も毎年新作が制作され続けている「仮面ライダー」シリーズ。その第1作は1971年から1973年にかけて放送されました。藤岡弘、演じる本郷猛が変身する仮面ライダー1号と、佐々木剛(ささき・たけし)演じる一文字隼人が変身する仮面ライダー2号が、悪の組織ショッカーに立ち向かうという内容は、当時の子どもたちを虜にしていました。実は仮面ライダー2号は、番組開始当初の計画にはなかったキャラクターで、撮影中に起こったある事故をきっかけに急遽生まれたものでした。

当時、まだ予算も十分に確保されておらず、人員も限られていたため、スタントシーンは本郷を演じる藤岡弘、本人がたびたび担当していました。そんな中、藤岡がバイクで転倒し、全治6カ月の重傷を負う事故に見舞われます。主役が不在となったことで、このままでは撮影は続けられない状況に陥りました。そこで考案されたのが仮面ライダー2号でした。新しいライダーを登場させて、主役を担わせることでその後の撮影を続けることができると考えたのです。

そのアイデアは大成功に終わり、放送開始時は視聴率が8.1%だった番組は、その年末には30.1%まで跳ね上がり、後に藤岡弘、も復帰し、1号2号の「ダブルライダー」体制で話が展開し、さらに大きな支持を集め、人気番組としての地位を固めました。

花言葉と同じように、カクテル言葉がある

花にはその種類ごとに花言葉があり、プレゼントする際はそれを意識して選ぶことがあります。実は、お酒のカクテルにも花言葉ならぬ「カクテル言葉」というものが存在します。

たとえば、スクリュードライバーには「あなたに心を奪われた」、ジンライムには「色あせぬ恋」、テキーラサンライズには「熱烈な恋」というカクテル言葉があります。もし目当ての人とバーに行く機会があれば、こうしたカクテルを注文してみるのも、ひとつの演出になるかもしれません。

一方で、別れを連想させるようなカクテル言葉を持つものもあります。たとえば、ピニャコラーダには「淡い思い出」、ギムレットには「遠い人を思う」、さらにブラッドハウンドというカクテルには「探さないで」というストレートな意味が込められています。

カクテルを飲むとき、それらに込められたカクテル言葉を想像してみると、さらに楽しいお酒を飲めるかもしれません。

京都には、三本足の鳥居がある

京都市右京区の太秦(うずまさ)にある「木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)」、地元では「蚕ノ社(かいこのやしろ)」と呼ばれ親しまれていますが、実はこの神社には非常に珍しい鳥居が存在します。

それは、三柱鳥居(みはしらとりい)と呼ばれる、足が3本ある鳥居です。三つの鳥居を上から見ると正三角形の形を描くように組み合わさった独特の形をしています。地面を見ると、その中央にはいくつかの岩をまとめた神様を祀るための神座(かみくら)と呼ばれるものが置かれています。それに触れないようにするためか、柵で囲われていて、鳥居自体に近づくことはできません。

なぜ、このような鳥居のデザインになったのか、またいつ建てられたかはわかっていません。ただ、鳥居がそれぞれ下鴨神社、伏見稲荷大社、松尾大社の方向に向くように作られたのではないかと言われています。

この鳥居は、現在こそ土の上に建っていますが、かつては足元に湧き水による池がありました。そこでは土用の丑の日に池の水に手足を浸すことで、一年間病気をせずに過ごすことができると信じられていました。現在でも土用の丑の日には、人工的に水を満たす儀式が行われ、多くの参拝者が訪れるそうです。

アメリカ、メジャーリーグでは、7回表終了後に、観客が背伸びをする風習がある

アメリカのメジャーリーグでは7回裏が始まる前に「7th Inning Stretch(セブンス・イニング・ストレッチ)」という軽い体操が行われています。観客全員が席から立ち上がり、背伸びをするなどして、座りっぱなしだった体をほぐしています。またその時間には観客全員で『Take me out to the ballgame(私を野球に連れてって)』という歌を合唱することも名物になっています。

なぜこのようなことが行われるようになったのでしょうか。一説によると、1910年にメジャーリーグの試合を観に来ていた当時の大統領ウィリアム・タフトが、体の凝りをほぐそうと7回裏直前に立ち上がってストレッチを始めたところ、それを見た他の観客が彼をまねて同じようにストレッチを始めたのをきっかけに、やがて球場側がこれを名物として取り入れ、メジャーリーグ全体に広がったと考えられています。

ちなみに、もし延長戦に突入し14回まで到達した場合には、14回裏が始まる前にもストレッチと歌の合唱が行われるそうです。

漢字を発明した人物は、目が4つあった

現在、われわれの生活に欠かせない漢字。これを発明したのは中国古代の史官である「蒼頡(そうけつ)」という人物だとされています。

この蒼頡という人物ですが、現在残っている彼の肖像画を見ると、非常に奇妙な点に気づくと思います。それは彼の目が4つあるということです。蒼頡はその4つの目を持っていたことから観察力に優れていて、足跡を見ればその足跡がどんな動物や鳥のものであるかわかったと伝えられています。彼はあるとき鳥の足跡を見て「それをイメージさせる記号を作れば、誰でもそれが鳥であることがわかるのではないか」と考え、そこから漢字を発明したとされています。

ただ、この蒼頡は伝説上の人物であり、実在はしていません。観察力に優れていることを強調するため、目が4つもあるという設定が付け加えられたのではないかと言われています。

「近頃の若い者は…」というフレーズは、5000年前から言われていた

「最近の若者は…」というフレーズを、現在でもたまに耳にすることがあります。ただ、よく考えてみると、このフレーズを使う人も、若い頃には年上の世代から同じように言われていたはずです。実はこのフレーズ、およそ5000年前の古代エジプトの時代にも使われていたという記録が残っています。

エジプトで発見された5000年ほど前の遺跡の壁画や碑文などには、当時の人が残した「最近の若者は私たちの若い頃に比べてダメである」などと記されたものがあります。また、エジプトだけに限らず、古代ギリシャでも、哲学者プラトンが、「最近の若者は年上の人間に対して敬意がない」と述べたという記録が残されています。

さらに、このフレーズは平安時代の日本でも使われていたそうで、清少納言は『枕草子』の中で、「最近の若者は、言葉が乱れていて嘆かわしいし、みっともない」といった内容を記している箇所があります。

結局のところ、このような「最近の若者」批判の連鎖は途絶えることなく、年齢を重ねるとこうしたフレーズを使う人は、いつの世も際限なく現れるようです。もしこのフレーズを使われたとしても、気にせず聞き流すのが一番良いのかもしれません。

かつて、口ひげカバーつきのティーカップがあった

19世紀、ビクトリア女王が統治していた時代のイギリスでは、「ムスタッシュカップ」という特別なティーカップが販売されていました。これは通常のティーカップの口をつける部分に小さな仕切りが設けられているもので、この仕切り、実は男性の口ひげがコーヒーや紅茶で汚れないようにするためのカバーとして使われていました。

当時のイギリス紳士は、口ひげを生やすのが一般的で、形を整えるためにワックスをつけることも多かったそうです。しかし、ワックスをつけた状態で飲み物を飲むとひげに色がついたり、ワックスが飲み物に溶け込んでしまいかねません。そこで発明されたのがムスタッシュカップです。このカップ、ヨーロッパだけでなくアメリカなどにも急速に広まり、多くの口ひげをたくわえた人たちに愛用されました。有名な陶磁器メーカーのロイヤルクラウンダービーやマイセンなどもこのムスタッシュカップを製造していたことがあります。

現在はそのような口ひげをたくわえる人は少なくなったため、ムスタッシュカップを見る機会は少なくなりました。しかし、当時作られたものを収集するコレクターが存在し、多少の需要はあるようです。もし口ひげをたくわえている人がいたら、探してみてはいかがでしょうか。

土星の大気には、六角形の渦がある

宇宙にはわれわれの想像を超えるさまざまな不思議な物体や現象が存在します。そのひとつが土星の北極にある渦ですが、この渦はなんと六角形の形をしています。

六角形の渦は、1980年代の初めにNASAのボイジャー宇宙探査機が初めて観測したもので、そのサイズは直径およそ3万キロ、地球の直径の2.4倍ほどに相当します。この渦は、大気の上層部を吹き抜けるジェット気流によって形成されていますが、その気流のスピードは時速およそ320キロメートルにも達します。台風の平均時速が20キロメートルほどであるため、かなり早いスピードであることがわかります。

なぜ、六角形という不思議な形をしているのかについては、ジェット気流の下で吹く風がこのような形を生み出していると考えられています。

また、この渦は季節によって色が変化する特徴があります。この色は太陽の光が、大気中に浮遊するエアロゾルという粒子と気体の混合体に反射することで生じます。季節によって変化する理由は、季節ごとに太陽の位置が変わり、光が差し込む角度が変わるからです。

ウサギは寂しくなっても死なない

よく「ウサギは寂しくなったら死んでしまう」という話を耳にします。しかし、実際は必ずしもそうではありません。では、なぜこのような話が広まったのでしょうか。

実は、1990年代に人気となったドラマシリーズ『ひとつ屋根の下』で、酒井法子さんが演じた小雪という人物が「ウサギは寂しいと死ぬ」らしきセリフを言ったことがきっかけでした。このセリフが本当の話であると多くの人が信じたため、事実として広まったようです。また、同じく酒井法子さんが歌った『蒼いうさぎ』という曲の歌詞にも、同じようにウサギが寂しくて死んでしまうという内容が含まれていて、これも話題が広まる一因になったのではないかと考えられています。

ただ、確かにウサギは寂しさだけで死ぬことはありませんが、ストレスに弱い生き物であることは事実です。環境が悪いと体調を崩しやすく、ときには命を落とすこともあります。また、ウサギは本能的に、弱っているところを見せると捕まって食べられてしまうと考えていることから、体調が悪くてもそれを隠す習性があります。ウサギを飼っている人はつきっきりで世話をする必要はありませんが、こまめに体調をチェックしてあげたほうが良いでしょう。

卑弥呼と争ったライバルの名前は「卑弥弓呼(ひみここ)」

邪馬台国の女王・卑弥呼。戦乱で混乱していた古代日本を統治し、平和な時代を築いたことで知られます。そんな彼女に対抗したライバルで、狗奴国(くなこく)という国の王として君臨していたある人物がいました。その人物とは、卑弥呼とよく似た名前を持つ「卑弥弓呼(ひみここ)」という男性でした。

狗奴国は邪馬台国の南方に位置していた国で、その統治者であった卑弥弓呼は、卑弥呼に対して強いライバル心を抱いていたようで、2人の関係は一触即発の状態だったようです。そして247年、邪馬台国と狗奴国の間で戦争が勃発。途中、中国の魏が介入したことで中断しましたが、その間に卑弥呼は亡くなりました。

一説では、卑弥呼と卑弥弓呼とは血縁関係があったのではないかと言われています。これは、名前が似ていることが理由のひとつだそうです。2人が同じ一族の出身であり、名前もその一族に由来するものを襲名したから似ているのではないかと考えられています。

ただ、この説はあくまで仮説に過ぎず、はっきりしたことはわかっていません。今後の研究によって解明されることが期待されます。

演奏中、演奏者が次々に舞台から去っていくクラシック曲がある

オーストリアの作曲家ハイドン。多くの交響曲や管弦楽曲を残したことで知られるクラシック界の巨匠です。そんな彼の作品の中に、一風変わったものがあります。

それが交響曲第45番、通称『告別』です。この交響曲は全部で4つの楽章で構成されていて、第三楽章まではオーケストラが普通に演奏を続けますが、第四楽章の途中から雰囲気が一変します。演奏が進む中、楽器奏者が一人ずつステージから離れていくのです。自らのパートを終えた奏者が一人ずつ舞台を降り、最後には2人のバイオリン奏者だけが残り、彼らの演奏で曲は静かに終了します。

このような演出が生まれた背景には、ハイドンが宮廷楽団の楽団長として仕えていた貴族・エステルハージ家の主人に対する抗議がありました。楽団員たちは、主人の長期休暇に付き合わされ、オーストリアを離れてハンガリーの離宮で数カ月滞在することになりました。しかし、団員たちは家族を置いて長期間帰れない状況に不満を募らせていきます。とはいえ、楽団員が主人に対して直接不満を伝えるのはあまりにも恐れ多いことでした。そこでハイドンは、音楽を通じてその不満を伝えようと考え、この演出を盛り込んだ曲を作曲したのです。

そして、この曲が主人の前で初めて演奏された際、主人は楽団員の意図を理解し、彼らに休暇を与えたといわれています。

カジノで使われるトランプは、すぐに捨てられる

トランプを買うと、ひどく汚れたり折れ曲がったりしない限り、しばらくの間使用し続けるのが一般的ですが、カジノでは違います。バカラで使用されるトランプは、ゲームが一回終了するごとに捨てられて、新しいものと交換されるそうです。

というのも、バカラでは「絞り」という、プレイヤーがカードの端から少しずつめくりながら中身を確認する行為が行われます。一度絞られたカードはダメージを受け、元の状態に戻すのが難しくなるため、ゲームが終わるたびに使えなくなるということで処分されてしまいます。たとえば、マカオなどの巨大なカジノでは、毎日およそ2万組ものトランプが処分されているそうです。ただ、コストを抑えるため、バカラで使われるトランプは安物の紙製のものが使われています。

バカラ以外のゲームでも、プレイヤーの中には爪で傷をつけるなどして目印をつける人もいるため、ゲームごとに捨てるほどではないにしろ、頻繁にトランプが処分されています。また、一度そのテーブルで使ったトランプは、別のテーブルに移して再利用するといった工夫も行われているところもあります。

「社会の窓」という言葉は、ラジオ番組が由来

よく男性のズボンのファスナーのことを「社会の窓」と言います。この名称、実はあるラジオ番組のタイトルに由来しています。

その番組とは、昭和23年(1948年)にNHKで放送されていた『インフォメーションアワー・社会の窓』です。さまざまな社会問題をテーマに、その当事者や関係者にインタビューするという内容の硬派な番組でした。この番組では問題の裏側が深堀りされており、「普段見られないような部分が明らかになる」という意味合いがありました。そこから、ズボンのファスナーのことを、開いていると普段は見えない部分が見えるということから、「社会の窓」と呼ぶようになったそうです。

ちなみに当時、女性のスカートのファスナーのことを「社会の窓」に引っ掛けて「理科の窓」と呼んでいたそうです。しかし、こちらはほとんど普及せず、いつのまにか使われなくなっていきました。

鼻水は1日に体内で1リットル以上作られる

風邪を引いたり花粉症になったりすると、止まらなくなる鼻水。いったいどれぐらいの量が出るのか、考えたことがある人もいるのではないでしょうか。実は、そういう状況でなくても、通常の状態で分泌される鼻水の量は、なんと1日1.5リットルもあると言われています。

では、実際にそれだけの量が鼻から出ているのかというと、そうではありません。多くは喉の奥に流れて飲み込んでいたり、体内に吸収されたりしているため、ほとんどは外に出ることがないのです。

風邪や花粉症などの場合は、鼻が炎症を起こすため、鼻水の分泌量がうまく調整できなくなり、鼻水が増えて外に出てしまいます。また、粘膜が腫れることで鼻の内側が狭くなり、鼻詰まりが起きることも、鼻水が増える原因のひとつです。

ただ、鼻水の量が増えることで、風邪の細菌や花粉を洗い流し、さらに鼻詰まりによってこれ以上体内に細菌や花粉が侵入するのを防いでくれます。鼻水が出ることはつらいことかもしれませんが、体を守るために重要な反応なのです。

芥川賞と直木賞、両方にノミネートされた小説がある

日本の文学界を代表する賞、芥川賞と直木賞。芥川賞は純文学を、直木賞は大衆文学を対象としています。ジャンルが異なるこれらの賞を、同時に受賞することは不可能と思われます。実際、同じ作品が両方の賞を受賞することはできません。しかし、過去には直木賞と芥川賞の両方にノミネートされた作品があります。

松本清張の小説『或る「小倉日記」伝(ある「こくらにっき」でん)』は、当初、昭和27年(1952年)の直木賞候補作としてノミネートされていました。ところが、直木賞の選考委員がこの作品は芥川賞向きではないかと判断し、芥川賞の候補作として選考会へ回しました。すると、芥川賞の選考委員から高い評価を受け、結果として同年の芥川賞を受賞することになりました。

これは当時、現在ほどそれぞれの賞のカテゴリーが明確に定められていなかったことが大きな理由のようです。現在では、両方の賞の定義が定められているため、同時にノミネートされることはありえません。さらに、どちらかの賞を受賞した作家は、もう一方の賞の候補になることができないという取り決めも存在します。

ちなみに過去、両方の賞にノミネートされた作品は、『或る「小倉日記」伝』の他に中村八朗の『桑門(そうもん)の街』、柴田錬三郎の『デスマスク』、北川荘平の『水の壁』と、計4作品あります。

「豚に真珠」という言葉は、聖書から生まれた

価値のわからない人には、どんな貴重なものを与えても何の役にも立たないことを表すことわざ「豚に真珠」。このフレーズ、実は『新約聖書』に書かれていた文章に由来しています。

『新約聖書』の「マタイによる福音書」7章には、「豚に真珠を投げ入れてはならない、投げ入れると、それを足で踏みにじって、あなた方に噛みついてくるであろう」と書かれている一節があります。人間にとって価値のある真珠も、豚にとってはただの石でしかないということから、「豚に真珠」ということわざが生まれたとされています。

同じように『新約聖書』由来のことわざには「目から鱗が落ちる」「砂上の楼閣」「働かざる者食うべからず」などがあります。また、ことわざではありませんが、スポーツの試合などでよく耳にする「ジャイアントキリング」も、実は『新約聖書』から誕生した言葉だそうです。探せば、他にも聖書由来の言葉が見つかるかもしれません。

作家コナン・ドイルは、オリンピックでマラソン選手を失格させたことがある

名探偵シャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイル。彼はオリンピックで起こった「悲劇」ともいわれる出来事に関与していたというエピソードがあります。

1908年に開催された第4回ロンドンオリンピックのマラソンで、イタリアのドランド・ピエトリという選手が2位以下の選手に大差をつけてゴールのある競技場へと入ってきました。残りトラック1周でゴール目前というときに、ピエトリは突然倒れてしまいます。おそらく、これまでの疲労が限界に達したのでしょう。ピエトリはそれでも必死で立ち上がって前に進もうとしますが、すぐに倒れてしまい、それを何度も繰り返します。結果、見かねた大会役員たちが手を貸し、ピエトリの体を支えながらゴールさせました。

しかし、この行為が後に問題となり、ピエトリは失格となります。この出来事は「ドランドの悲劇」として多くの人に知られることになりました。その際、ピエトリに手を貸した役員の一人が、医者でもあったコナン・ドイルとされています。

ただ、一説では、ドイルは観客としてそのシーンを目撃しただけだともいわれています。どちらにしろ、ドイルと「ドランドの悲劇」には大きな関わりがあるようです。

こたつの赤い光は、実は意味がない

冬場にぬくもりを与えてくれるこたつ。中を除くと暖かそうな真っ赤な光が照らされている印象を持つ人が多いと思います。しかし、この赤い光が実は暖かさとまったく無関係であるという事実は、あまり知られていないのではないでしょうか。

こたつは、中の熱源から発する赤外線によって暖かさを生み出しています。この赤外線は、私たち人間の目では見ることができません。すなわち、あの赤い光は赤外線そのものの色ではないというわけです。

では、なぜあの赤い光が出ているのかというと、赤い色が暖かさをイメージさせるため、こたつが熱を発していることを視覚的にわかりやすく伝えるために導入されたとされています。実際に、あの赤い色を見ることで、「こたつがちゃんと熱を発している」と感じる人も多いはず。あの赤い光は、心理的な効果を狙って取り入れられた工夫だったわけです。

ただ、最近では赤く光らないこたつが主流となりつつあるようです。実際には役割がないとはいえ、赤い光がないと寂しい気がしますね。

どんな人の腹筋でも、もともとは割れている

ジムで体を鍛えている人にとってシックスパックは憧れの的だと思われます。腹筋を割るために努力している人も多いでしょう。しかし、実は腹筋は誰もがもともと割れており、すでにシックスパックを持っているのです。

人間の腹筋の一部である腹直筋(ふくちょくきん)は、縦に走る「白線(はくせん)」と横に走る「腱画(けんかく)」と呼ばれる腱によって6つに区切られています。これがシックスパックのもとになっていて、おなかの脂肪を減らすことで、これらの腱の溝がくっきり見え、6つに分かれるように見えるのです。すなわち、腹筋はもともとから6つに分かれていることになります。

ただ、分かれているからといって、それがしっかり表面に見えなければ意味がありません。割れたシックスパックが見えるかどうかは、体脂肪率や筋肉量によって決まります。

結局のところ、トレーニングしなければシックスパックは現れませんが、誰もがすでにシックスパックを持っているため、「シックスパックを作る」という表現は正確ではありません。その点にご注意ください。

全身麻酔がなぜ効くのかは、まだ解明されていない

手術をするときに行う全身麻酔。実は、なぜ麻酔が効くのか、そのメカニズムはまだ完全に解明されていません。

麻酔が痛みを抑える理由として、神経細胞同士をつなぎ、痛みなどの情報を伝えるシナプスと呼ばれる構造が、麻酔薬によって遮断され、意識や痛みがなくなるからだということはわかっています。しかし、麻酔薬がどのような仕組みでシナプスに影響を及ぼすかは、依然として謎のままです。

シナプスへの影響のメカニズムとして2つの説が提唱されていました。ひとつは、麻酔薬が細胞膜の脂質に作用するという「膜脂質(まくししつ)説」、もうひとつは細胞膜のタンパク質と麻酔薬が結合して効果を発揮する「膜タンパク質説」です。しかし、これらの説はいずれも決定的な証拠に欠け、推測の域を出ていません。

しかし2020年に、麻酔薬が神経細胞の「脂質ラフト」と呼ばれる部分を破壊することが明らかになり、これが麻酔の効果に影響を与えるのではないかという新たな説が提唱されました。

麻酔のメカニズムが解明されれば、麻酔に関する研究がさらに進むだけでなく、神経系の病気の新たな治療法の発見にもつながる可能性があります。今後のさらなる研究が期待されています。

天気予報で使われる天気図には、夏用と冬用がある

テレビや新聞の天気予報に掲載されている天気図。夏のものと冬のものを見比べてみると、大きな違いがあることに気づくでしょう。実は、夏用の天気図は南側、冬用の天気図は北側が広めに表示されています。

なぜそのような違いがあるかというと、夏用では、太平洋高気圧や南の海上で発生する台風を掲載しやすくするために、南側を広く取っています。一方、冬用では、中国やシベリア大陸から張り出す高気圧や寒気の影響をわかりやすく見せるため、北側が広く取られていということです。

また、天気記号の凡例も変化があります。夏用では雪のマークがなくなり、その代わりに雷のマークが掲載されています。それぞれの季節の天気を解説しやすいように色々と変えられているのです。

なお、これらの天気図が変わるのは、冬用から夏用が5月1日、夏用から冬用が11月1日です。新聞を購読している人は、ぜひ見比べてみてはいかがでしょうか。

夏の甲子園の優勝旗が盗難されたことがある

夏の甲子園で優勝した高校には深紅の優勝旗が贈られ、1年間その高校で保管された後、翌年の開会式で返還されます。しかし、1954年(昭和29年)、愛知県の中京商業、現在の中京大中京高校に贈られた優勝旗が何者かに盗まれるという事件が起こり、大きな話題となりました。

事件が発覚したのは11月のことです。同校の生徒が校長室に入ったとき、優勝旗が無くなっていたことに気づきました。学内で秘密裏に調査が行われましたが、どうしても見つからず、最終的に警察に届け出を出したことで捜査が始まりました。

それからおよそ2カ月半後の1955年2月、近くの中学校の床下から、風呂敷に包まれた優勝旗が発見されました。誰が盗んだかは結局わかりませんでしたが、それでも学校側としては、優勝旗が無事に戻ったことに一安心でした。

しかし、夏の甲子園を主催する朝日新聞社の取締役は、お詫びのために訪れた中京商業の校長に対し、出会った瞬間に怒鳴りつけたといいます。主催側としては、大会の象徴である優勝旗を一時的でも紛失してしまったことが許せなかったのだと思われます。

十円玉にレモンの果汁をかけると、きれいになる

長年使い込んだ十円玉は、酸化によって表面がくすみ、汚れてしまうことがありますが、そんな十円玉を簡単にピカピカにする方法があります。それは、レモンの果汁を垂らしてしばらく置いておくことです。すると、信じられないほどピカピカに輝きます。

十円玉の95%は銅によってできており、それが空気中の酸素と結びつくことで酸化銅のくすんだ膜が表面に作られます。この膜は酸に触れると、溶けてくすみが取れる性質があります。レモンの果汁にはクエン酸という酸が含まれています。このクエン酸が十円玉をピカピカにする効果を発揮してくれているというわけです。

また、果汁に加えて食塩を混ぜると、よりきれいに汚れが落ちるそうです。これは、食塩に含まれる塩化物イオンが酸化銅を溶けやすくするためです。ただし、酸を加えない中性の食塩水のみでは、あまり効果は期待できません。酸と食塩が相互に作用することで、より高い効果が生まれます。

ちなみに、十円玉以外にも、アルミニウム100%の一円玉以外の硬貨にはすべて銅が含まれているため、同じ方法が有効だそうです。レモンと食塩、そして小銭が手元にある人は、一度試してみてはいかがでしょうか。

地図には描かれているのに、実際には存在しない島がある

どんな場所でも地図どおりに進めばその場所に到達する、普通の人はそう考えるでしょう。しかし、かつては例外もあり、実際には存在しない島が地図に描かれていたことがあったそうです。

これは16世紀頃の大航海時代、多くの探検家が海洋を探索し、その情報をもとに地図を製作するブームが起こったことが原因で生じた現象です。地図製作者は探検家の報告を頼りに、発見されたという新しい島を次々と地図に追加していきました。しかし、新たな島をいち早く記載しようとする過度な競争が起こり、噂や信憑性の低い情報をもとに適当な島を記載することもありました。その結果、実際にない幻の島が地図に描かれる事態が生じたのです。

これらの島のうち、後の調査で存在しないことが確認されたものは地図から削除されていきましたが、中には確認ができず、存在しないのにもかかわらず長い間地図に記載され続けた島もありました。最近では2009年まで残っていた島もあったほどです。

現在ではGoogle Earthなどの技術によって、地球上のあらゆる場所を詳細に確認できるようになりました。そのため、今後このような存在しない島が地図に載ることは、もうないでしょう。

神奈川県の芦ノ湖を管理しているのは、静岡県

観光地としての人気の湖、芦ノ湖。全域が神奈川県足柄下(あしがらしも)郡箱根町に位置する神奈川県最大の湖です。そんな芦ノ湖、湖の水を利用できる権利は当然神奈川県が有していると思われるかもしれませんが、実は実際には静岡県がその権利を有しています。

江戸時代まで、この地域を小田原藩が統治していました。当時、芦ノ湖も小田原藩の支配下にありましたが、明治時代の廃藩置県によって、この地域は静岡県と神奈川県に分割されました。この分割により、芦ノ湖の水利権をめぐって両県が争い、裁判が行われることになります。その結果、水門が設置され、長らくその水を利用していた静岡県が勝利し、芦ノ湖の水利権を取得することとなりました。それが現在でも続いているというわけです。

ただし、水利権は静岡県が持っていますが、水門や水道の修理、維持といった土木工事に関する権利は神奈川県が管理しています。そのため、渇水などの非常時には神奈川県も芦ノ湖の水を利用できる仕組みになっています。

ふりかけは、薬剤師が開発した

ご飯のお供としておなじみの「ふりかけ」。その起源は大正時代にまで遡ります。

当時の日本は食糧不足に悩まされ、人々はカルシウムが慢性的に不足していました。そこで、薬剤師の吉丸末吉(よしまる・すえきち)という人物が、手軽にカルシウムを補える食べ物を開発しようと考え、魚を骨ごと砕き、ゴマや青のりなどで味付けして作り上げたのが、日本初のふりかけ「御飯の友」でした。開発当初はあまり認知されず、近所の人にお裾分けに配っていた程度でしたが、魚嫌いな子どもでも美味しく食べることができ、カルシウムも摂取できるということで口コミで評判が広がり、やがてヒット商品となりました。

現在でも、この「御飯の友」は熊本県のフタバという会社が販売しており、100年以上続くロングセラー商品となっています。いりこをまるごと砕いて作られているため、現在でも手軽にカルシウムを摂取できる食品として人気を保っています。

「宮内庁御用達」のお店は、現在はひとつもない

「宮内庁御用達」を掲げる老舗の店は数多く存在します。このフレーズは、天皇陛下をはじめとする皇室の方々が使用する商品を、宮内庁へ直接納めていた業者を指す言葉ですが、実は現在、正式に「宮内庁御用達」とされているお店はひとつもありません。

というのも、この御用達制度は1954年(昭和29年)に廃止されたからです。太平洋戦争に敗れた日本がアメリカによる統治を受けた際、天皇陛下や皇室に関する意識改革を求められました。この制度の廃止も、その影響を受けたものと考えられています。

では「宮内庁御用達」の看板を掲げることは、虚偽の広告にあたるため、問題になるのではないかと思われるかもしれませんが、日本広告審査機構によると「歴史的事実として表示する場合を除き、使用は認められない」としています。すなわち、「宮内庁御用達」の看板は、過去に実際に宮内庁へ商品を納めていたという実績を表しているのです。

たとえ現在、天皇陛下に商品を納めていなくても、過去に販売していた商品が認められていたのは事実です。そうした背景を考えると、「宮内庁御用達」という看板は、お客さんにとって商品の信頼性を示すひとつの指標となるといえるでしょう。

神社の屋根を見ると、神様の性別がわかる

神社には「主神」と呼ばれる、その神社で中心となって祀られている神様がいます。その神様が男性であるか女性であるか、神社のある部分を見れば判断することができるそうです。その部分とは神社の屋根です。

実は、神社の屋根の形は神様の性別に合わせて設計されているそうです。屋根の棟の上に並べられている木材の「鰹木(かつおぎ)」と、その棟木(むなぎ)の両端でX字型に交差している(千の木と書く)「千木(ちぎ)」が、神様の性別によって異なった特徴を持っています。

「鰹木」は、男性の神様の場合はその本数が奇数、女性の神様の場合は偶数となっているのがふつうです。たとえば、出雲大社では祀られている大国主命(おおくにぬしのみこと)が男性の神様であるため、鰹木は奇数の3本になっています。

そして「千木」は、その先端部分が、男性の神様の場合は先端を地面に対して垂直に削った「外削ぎ」、女性の神様の場合は水平に削った「内削ぎ」となっています。

ただし、これらには例外もあるらしく、これらを見ても性別がわからない神社も存在するようです。しかし、ひとつの目安として、こうした違いを観察してみるのも楽しいかもしれません。

土俵のゴミを外に捨てて負けた力士がいる

1968年の9月場所初日で行われた、十両の和晃(かつひかり)と朝嵐(あさあらし)の取り組みで、珍しい事件が起こりました。

この取り組みでは、立ち合いまではいたって普通に進行されていました。しかし、制限時間いっぱいになったとき、朝嵐が土俵の上に落ちていたゴミに気づき、それを拾っていったん土俵を降りてしまいます。すると、審判員がこの行為を反則だと指摘し、朝嵐は反則負けとして黒星がついてしまったのです。

実は、大相撲の規定では制限時間いっぱいのときに土俵の外に出た場合は負けになると定められています。今回の反則負けは、この規定に基づき、「戦意を喪失していた」とみなされて宣告されたものでした。ゴミを拾ったこと自体が問題だったわけではありません。

いらぬ黒星をつけられる結果となった朝嵐でしたが、この出来事がきっかけで奮起したのか、その場所では8勝7敗と勝ち越しを決めています。

木が空中に浮かんでいる盆栽がある

現在は日本のみならず、海外でも愛好者が増えている盆栽。一般的には1本の樹木が植えられたシンプルなものが多く見られますが、中には変わったものも見受けられます。

それが「Air Bonsai」なるもので、苔の玉などに植えられた植物が台座から数センチ浮いた状態でくるくる回転しているという、見る人を驚かせてくれる盆栽です。実は、この苔玉の中には磁石が仕込まれていて、同じく台座に仕込まれた磁石と反発し合うことで宙に浮いているという仕掛けです。

この「Air Bonsai」は、九州の企業がアートプロジェクトの一環として製作したもので、奇をてらってはいますが、台座は伊万里焼のものを使用するなど、見た目のインパクトだけでなく、伝統工芸の技術を取り入れるというこだわりが感じられる一品となっています。

現在は在庫が無くなっているために、残念ながら販売は中止されているようです。海外にもファンが多いとのことなので、販売の再開が待たれるところです。

お葬式に赤飯を出す地方がある

赤飯といえばおめでたい日に出されるイメージがありますが、一部地域では、お葬式の日に出す風習があるそうです。

なぜ、そんな悲しい席で赤飯を出すのかというと、長生きした人のお葬式のときに、それだけ長生きできたということはむしろおめでたいことだ、という考え方があり、その長寿にあやかって赤飯を出すのだそうです。また、浄土真宗の家庭では、亡くなった人は極楽浄土に行くのだから、むしろお祝いすべきである、という考えのもと赤飯を出すことがあるようです。

他にも赤飯の小豆の赤色には邪気を払う力があり、災いを振り払って福をもたらしてくれるという考えも昔からあったと言われています。

この風習は長野県や島根県をはじめ、東北地方などでも見られるそうで、案外少数派ではないとのことです。もしかしたら、知り合いの中にも赤飯を出された経験のある人がいるかもしれません。もしお葬式の際に赤飯を出されても、その地方の風習だと思ってありがたくいただくのが良いでしょう。

江戸時代、刺身はお酒につけて食べられていた

皆さんはお刺身を食べるとき、何につけて食べるでしょうか。ほとんどの人は、醤油とわさびで食べるでしょう。中には、魚によって塩をつけて食べることもあるかもしれません。しかし、江戸時代には醤油を使わずに、変わったものをつけて食べていたという記録が残っています。

それは「煎酒(いりざけ)」と呼ばれる日本酒をもとにして作られた調味料です。日本酒を煮きったところに梅酢や昆布だしなどを加えて作られたもので、当時は何にでも使える調味料として刺身以外にもさまざまな料理に使われ、重宝されていたそうです。1463年に出された日本最古の料理書『料理物語』の中にもその作り方が書かれています。

他にも刺身には、わさび酢、しょうが酢、酢味噌といった酢をベースにした調味料が使われていました。しかし、これらは醤油が普及するにつれて、だんだんと使われなくなっていったそうです。

ちなみに、煎酒は通販でも購入できますし、材料さえそろえば簡単に作れます。醤油に飽きてきた方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

酔いつぶれた夫の代わりに戦場へ出た戦国武将の妻がいた

戦国時代、北条氏の家臣として仕えていた武蔵国の日尾城(ひおじょう)城主、諏訪部定勝(すわべ・さだかつ)。戦いで多くの功績を残し、武将として一目置かれていたようです。そんな彼ですが、残念ながら酒癖はひどく、常日頃から二日酔いの状態で、ひどいときは飲んだ勢いで敵の陣に突入するという酒乱ぶりを見せていました。そんな定勝には、酒乱が招いた興味深いエピソードがあります。

ある夜、定勝の城に突然武田軍が攻め込んできます。しかし、前夜から客人と酒を飲み交わしていた定勝は、泥酔して眠ってしまい、何をしても起きてくれません。そこで、彼の妻である妙喜尼(みょうきに)が、甲冑をまとい、家臣らを率いて夫の代わりに戦いの場に出ました。そして、なんとか耐え凌ぎ、城を守ったそうです。

このことで妙喜尼は、部下どころか敵からも一目置かれる存在になりました。また、定勝が他の地で戦に出るときも城を任されるようになったといいます。対して定勝は、この一件で北条氏から怒られ、禁酒を命じられたのでした。

葛飾北斎の娘もまた、天才画家だった

『冨嶽三十六景』などの作品で知られる江戸時代の絵師・葛飾北斎。彼の残した作品は多くの人を魅了しています。実はそんな彼には応為(おうい)という名前の娘がいて、浮世絵の名手としてその名が知られています。

彼女は北斎の2人目の妻から生まれた子どもで、幼い頃から父親の作品を間近に見て育ち、彼の書き損じを手本にして絵を描くことが好きでした。そして、わずか14歳のときにある本のワンカットを手掛けて商業デビューを果たしました。それをきっかけに北斎も彼女に真剣に絵の指導を行ったそうです。

応為は一度結婚したものの離婚し、後に北斎と同居して絵を描き続けました。同時に北斎のサポートも続け、年老いた北斎の作品の色付けなども行っていました。

応為自身も『吉原格子先之図(よしわらこうしさきのず)』をはじめとして自身の作品を描いていたものの、現存しているものは数点しかありません。彼女の名前が知られていないのはその点が大きな理由のようです。しかし、彼女の実力は北斎も認めていたようで、「美人画は俺よりうまい」と言わしめたほどでした。

シマリスは、敵に襲われると尻尾を切って逃げる

トカゲが敵から逃げるときにしっぽを切り捨てるという話は有名ですが、実は、リスの一種シマリスも、トカゲ同様にしっぽを切って逃げることがあります。

野生のシマリスは小柄であるため、他の動物から狙われやすく、常に危険と隣り合わせの毎日を過ごしています。もし襲われた場合、まずしっぽを振ったりして敵を威嚇しますが、それでも効果がなく、しっぽを掴まれたりするときがあります。そんなとき、シマリスはしっぽを切って身代わりにして逃げるというわけです。ただ、シマリスは自分から切断するというわけではなく、もともと切れやすくできているため、結果として切れて逃げるということに。

また、トカゲの場合はしっぽが切れても再び生えてきますが、シマリスの場合は再び生えることはなく、切れたまま生涯を過ごすこととなります。中には、しっぽの先だけがなかったり、半分ほどなかったりするものもいるそうです。

ペットとしてシマリスを飼う場合は、しっぽが簡単に取れてしまうため、引っかかる場所がないかちゃんと確認する必要があります。見た目が悪くなるだけでなく、そこから病原菌が入り感染症にかかる可能性もあるからです。

錆びにくい素材のステンレスは、もともと錆びている

直訳すると「錆びない」という意味の素材「ステンレス」。いつまでもきれいな状態で使うことができるということで、シンクやフライパンなどで利用され人気がありますが、実は「錆びない」というのは完全に正しいわけではありません。それどころか、ステンレスの表面は常に錆びている状態にあるのです。

ステンレスがなぜきれいに見えるのか。それは、表面に「不動態皮膜」と呼ばれる膜が形成されているからです。この膜は鉄とクロムを合わせた合金において、クロムが鉄よりも酸化しやすい性質を利用して作られたものです。その厚さは1ナノメートルと薄く、かつ無色透明であるため、肉眼では確認できません。通常、サビは金属が酸化することで発生するものです。つまり、ステンレスの表面はクロムが酸化してできた膜、すなわち「クロムのサビ」で覆われているということになります。

このクロムのサビが鉄の酸化を防ぐ役割を果たしているわけですが、汚れや水分が残っていたり、表面に鉄などの金属が付着した状態で放置したりすると、ステンレスでも鉄のサビが発生することがあるので、日頃の手入れには注意が必要です。

ケガの傷口に消毒液をかけると、治りが遅くなる

ケガをしたらすぐに傷口に消毒液をかけて、絆創膏などで保護する人も多いのではないでしょうか。実は、最近になって、消毒液を使うとむしろ傷口の治りが悪くなるため、使用しないほうが良いという考えが広まっています。

その理由は、傷ができると体は体液を分泌し、その中のさまざまな細胞が働いて傷口を修復しようとします。ところが、消毒液をかけると、その修復に必要な細胞を殺してしまい、結果的に傷が治るのを遅らせる可能性が出てきます。また、皮膚には「常在菌」という体を病原菌から守る役割を持つ良い菌が存在しますが、消毒液はこれも一緒に殺してしまいます。常在菌がいなくなると、病原菌が侵入しやすくなり、かえって感染症を引き起こすリスクが高まるのです。

では、どうすれば良いかというと、最も簡単で効果的な方法は、傷口を水道水でしっかり洗い流すことです。傷口の汚れや細菌、血液の塊などを十分に洗い流せば、感染のリスクを大幅に減らすことができます。傷ができたときの応急処置はこれぐらいで十分なのです。

ただし、出血がひどかったり、痛みがおさまらない、傷口が深いといった場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

新幹線が通る踏切がある

秋田新幹線などのミニ新幹線を除く新幹線は、通常、大部分が高架の上を走っているため、踏切を通過することはありえません。しかし、静岡県には新幹線が踏切を通る、不思議な光景を見ることができる場所が存在します。

その踏切とは、浜松市にある西伊場(にしいば)第1踏切で、この踏切はJR東海の浜松工場の敷地内を横切る公道に設置されています。すなわち、この踏切を通過する新幹線は、工場でメンテナンスを受けるためにやってくる車両というわけです。そのため、通過時のスピードも非常にゆっくりで、16両編成の車両がすべて渡り切るまでにはかなりの時間がかかります。

ではなぜ、この部分だけ踏切を設置しているのでしょう。立体交差にすれば良いのではないかと疑問に思われるかもしれません。実は、この浜松工場は新幹線が建設される以前から在来線の車両工場として利用されていました。そこを新幹線の修理用工場としても利用することになったため、やむを得ず公道を横切っているそうです。

この踏切は日本で唯一、踏切を通る新幹線を見ることができる場所であるため、鉄道ファンが集まる人気スポットとなっています。

隣の駅まで30km以上離れているJRの駅がある

JR山手線の駅と駅の間の距離は、およそ500メートルから2.2キロメートルほどです。駅が密集した都市部はこれぐらいの距離が一般的ですが、鉄道の少ない地域では駅間の距離はもっと長くなることがあります。新幹線などを除くと、もっとも駅と駅の間の距離が長い区間は北海道にあり、その距離はなんと37.3キロメートルになるそうです。

これはJR石北(せきほく)本線の上川(かみかわ)駅と白滝(しらたき)駅の間の区間で、特急列車で移動しても30分以上かかります。ちなみに、東京駅から37.3キロメートルの地点は、横浜駅や千葉駅よりも遠い位置にあります。

なぜこのような長い距離になったかというと、かつてはこの区間にも複数の駅が存在しましたが、利用者数が極端に少ない駅が次々と廃止されていき、最終的に駅がすべてなくなったため、この区間が日本最長の駅間距離となりました。

では、逆に駅と駅との間がもっとも短い区間はどこかというと、長崎県の松浦鉄道にある中佐世保(なかさせぼ)駅・佐世保中央駅間、福岡県の筑豊電気鉄道にある黒崎(くろさき)駅前駅と西黒崎駅間の200メートルです。路面電車を含めると、高知県のとさでん交通にある一条橋(いちじょうばし)駅と清和学園前(せいわがくえんまえ)駅間の63メートルが最短だそうです。

自分のいたずらによって命を落とした天皇がいる

現在まで、日本の天皇は120人以上が即位してきました。中には歴史に名を残す業績を築いた天皇もいれば、あまりにもとんでもない理由で亡くなった天皇もいます。それが、1232年、わずか2歳で即位した第87代の四条(しじょう)天皇です。

幼かった彼は非常にわんぱくで、身の回りの人に対していたずらをしかけ、驚かせて楽しんでいたようです。そんな性格のまま12歳まで成長した四条天皇ですが、ある日、宮廷の女性たちを驚かせようと、廊下に滑る石を並べて転ばせるいたずらを計画していました。ところが、その仕掛けの最終チェック中、自分が置いた石につまずいて転んでしまい頭を強打、打ちどころが悪く、そのまま亡くなってしまったそうです。

周囲の人々も、まさかそんないたずらが原因で亡くなってしまうだなんて思いもよらず、この出来事は幕府に大きな混乱を引き起こしました。四条天皇もまだ若かったため次の天皇も決まっておらず、天皇不在の状態が11日間も続く事態となりました。最終的に、後鳥羽上皇の孫にあたる後嵯峨(ごさが)天皇に即位してもらう形で、なんとか混乱を収めることができました。

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