よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』水族館で「サンマ」を見かけないのはなぜ?
【朗読】1%の人しか知らない雑学【聞くトリビア】

郵便記号のもとになった文字は○!?』

『タコの「口」は、口ではない!?』

聞くだけで能力開発⁉

面白雑学動画! 驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。

 

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

「ウンチク」は、垂れずに傾ける

「またウンチク垂れて!」という言葉を耳にしますが、正しい使い方は「ウンチクを傾ける」です。垂れるのは教えや訓示であり、目上の者から目下の者に対して、「垂れる」という言葉を使います。

ウンチクは非常に感心すべき知識です。ある物事についてより専門的で深い研究あって知り得た知識を“蘊蓄”といいます。漢字で書くと難しい字になりますが「蘊」には奥が深い、奥底という意味があり、「蓄」はご存知の通り蓄えるという意味。すなわち、「ウンチクを傾ける」とは、蓄えているものをすべて傾け、注ぎ込む、傾注するということです。

同じような意味合いで雑学や豆知識などという言葉がありますが、雑学は一般的にあまり普及していない多方面にわたる知識、豆知識には日常で知っていて損はない役立つ知識を指します。したがって、専門的ということにおいては蘊蓄、雑学、豆知識の順で、より専門的で学識が高いのは蘊蓄です。

ちなみに“トリビア”は日本語に訳すと「雑学」や「豆知識」、つまらないことについての知識などかなり幅広くをカバーしている言葉のようです。

平安貴族にとって烏帽子は、身体の一部

大河ドラマなどで注目を集める平安貴族の生活。ドラマや映画の中でも平安貴族は常に頭に烏帽子をかぶっています。家でも風呂でも眠る時も、さらには意中の女性とデートの時も…それは時代を意識しすぎた過剰な演出ではなく、実際にどんな時も烏帽子を取ることはありませんでした。

烏帽子は地位や名誉ある立派な成人男子である証です。烏帽子のない姿を他人に見られることは全裸で歩かされるようなもの。当時の文献によると家族や恋人ですら烏帽子をとった姿を見る事は稀だったようです。現在残されている古文書の中にも祭りの最中にウッカリ烏帽子を落としてしまい周囲の人に言い訳し回る貴族の姿、喧嘩になって相手の烏帽子をわざと吹き飛ばし辱める貴族の姿などの話も記されています。

そもそも当時、男子は頭頂部を人目に晒すのはマナー違反です。貴族の家の下働きの男性さえ頭にきちんと被り物をしていました。ただ、僧侶は俗世を離れた者なので例外です。

視力検査の「C」マークには、名前がある

視力検査で並ぶ「C」のマーク。Cのどちら側が開いているかで視力を測るものですが、あのCにはれっきとした名前があります。その名は「ランドルト環」。19世紀末から20世紀初頭にフランスの眼科医エドムンド・ランドルトによって考案されました。

視力1.0のランドルト環は直径7.5mmで、幅は1.5mm、切れ目も1.5mmとなっています。ちなみにCの切れ目の部分にも名前があり、視力の「視」に角度の「角」と書き、「視角」といいます。今では世界共通の視力検査用の記号です。

日本では一般的にランドルト環で視力検査が行われていますが、アメリカや中国ではEの文字の切れ目を見る「Eチャート」、主にヨーロッパでは様々なアルファベットが並んだ「スネレン視標」というものも採用されています。それぞれ視力を表す数値は異なります。日本でランドルト環で検査した数値とは違いがあるので海外で眼科に行く際は調べていくとよいでしょう。

鳥は、唐辛子を食べても辛くない

ペットのインコや文鳥などに唐辛子をあげても大丈夫なものでしょうか。答えはというとまったく問題ありません。唐辛子はビタミンが豊富で発汗作用、代謝の促進、食欲増進、疲労回復や抗酸化作用もあり、さらには脂肪燃焼にも役立つスーパー食材です。鳥類は唐辛子を食べても辛くありません。ほとんどの鳥類の舌には辛さを感じる感覚器官がないので、いくら食べてもへっちゃらです。

唐辛子を辛いと感じるのはカプサイシンという成分があるからです。実は私たち人間にも辛味という味覚はありません。ヒトの持つ味覚は苦味・酸味・甘味・塩味・旨味の5つ。舌にある感覚器官で温度や痛みを認識し“辛い”と感じています。

唐辛子も、行動範囲の狭い哺乳類よりも鳥類に食べてもらえば、遥か遠くまで生育地を広げられます。鳥類は種を鵜呑みにすることが多いため、鳥のお腹の中で遠くへ旅をして新天地で糞と一緒に外に出て芽吹くことが出来ます。鳥は元気に、唐辛子は広く子孫を増やし、自然界は上手く出来ているものですね。

昔、ロブスターは、「海のゴキブリ」と呼ばれていた

ロブスター料理が振る舞われると、見た目も華やかで香りも味もよく「いや~豪華だなぁ」と嬉しくなります。けれど、ロブスターが高級食材の地位を得たのはなんと20世紀に入ってから。それまでのロブスターは「海のゴキブリ」なんて異名を持つ残念な生き物でした。

元々ロブスターは畑の肥料や家畜の餌でした。人が食べるとすれば貧しい時に仕方なく…そんな食材でした。繁殖力も高く手軽に大量に手に入るものの、大きくなればなるほど味は大味で食感も悪い。しかも鮮度が落ちれば臭いも強くなり、とても食べられたものではなかったといいます。
19世紀末頃、貧しい庶民でも手軽に安く大量に手に入るロブスターを何とか美味しくいただけないものかと料理人たちが試行錯誤で調理法を編み出し、気が付けばパーティーの花形、豪華食材の一員に生まれ変わりました。

ちなみにロブスターとフランスのオマール海老は同じもの。海老は海老でもエビ目・ザリガニ下目(かもく)でザリガニの仲間です。しかし、日本のイセエビはエビ目・イセエビ下目・イセエビ科に属する生粋の海老です。

三毛猫は、ほとんど女の子

最近、あまり三毛猫を見かけなくなりましたが、もし、どこかで三毛猫を見かけたら、それはメスだと思ってよいでしょう。三毛猫の白、黒、茶の毛の色のうち、茶の毛の色は基本的にメス猫の持つXX遺伝子の染色体にあります。三毛猫は基本的には女系遺伝だと言えます。とはいえ、三毛猫が産んだメスの仔猫が必ずしも三毛猫であるとも限りません。これが、三毛猫の数の減少とほとんどの三毛猫がメスである理由です。

とはいえ、オスの三毛猫だって存在します。XYの遺伝子のオスの三毛猫が生まれる確率は極めてまれで、3000分の1とまで言われています。研究者がすべての三毛猫の数を正確に把握しているとは言えませんが、それくらいオスの三毛猫が誕生する確率は少ないのです。数々の偶然に導かれオスの三毛猫はこの世に生まれてきているというわけです。

昔から世界中で猫にまつわるジンクスは多くありますが、オスの三毛猫に出会えたら、それはまさしく稀少な幸運の兆しかもしれませんね。

カラスは、仲間の葬式をする

カラスが仲間の葬式をするなんて、あなたは信じられるでしょうか。カラスは仲間が息絶えていると、数羽集まりカーカーと鳴き声で死んだカラスを起こそうとします。しかし、もう死んでいますから何度鳴いても起きるわけはありません。そこでやっと仲間のカラスは死を認識し、その死因を調べます。鳴きながら飛び回り、周囲に自分たちの命を脅かすものがいないか確認をしているのです。これが「カラスの葬式」と言われています。人間のお葬式とは様子が異なりますが、さすが知能が高いカラスならではの行動です。

そもそも、カラスの死骸は車にひかれる、駆除されるなど人為的な要因がない限りなかなか見かけることはありません。それもそのはず、カラスは人目に付かない山や森の中に巣を作り餌を獲る以外、ほとんど巣を離れません。特に死を間近にした多くのカラスは巣の中で最期の時を迎えます。そのため、カラスの死骸を我々が見る事はあまりなく、カラスが死ぬと消える、異次元に行くなどという逸話まで生まれたのでしょう。

ヒトデは、エイリアンさながらのコワイ生物

英名スターフィッシュと言われる可愛らしい星型のヒトデは、エイリアンさながらの実に恐ろしい生態を持った生き物です。

ヒトデの目はあの星のような5つの腕の先端にあります。口はヒトデの腹の中心にあり、お尻の穴は私たちがよく見ている背中側の中心に存在しています。ヒトデには血管の代わりに水管と呼ばれる器官から体内に海水を循環させて生きています。食事がまた恐ろしい。大好物の二枚貝を見つけると、これまでの穏やかな姿とは打って変わり俊敏な速さで襲い掛かり、口から胃袋を出し貝の隙間から中に侵入。貝の中身を胃で包み消化液でゆっくり溶かし消化してまいます。

コワイのはそれだけでありません。天敵に襲われ腕を損傷したとしても、しばらくすると腕は再生し元の星型に戻ることができます。また、欠損して本体から離脱した腕も中枢神経が壊れていなければ新たなヒトデとして再生されます。つまり、クローンも作れてしまう優れた生き物だったのです。

台本と脚本の違いは、関係する人の違いによる

舞台、映画、ドラマなどの台本、脚本の違いとはなんでしょう?最近では時と場合により様々な使い分けをしていますが、そもそも台本も脚本も物語の背景やストーリーが描かれているものです。ただ、持つ人によって言い方の違いがあります。

台本とは基本的には演者である役者に向けて書かれたもので、俳優が役を演じるために必要なセリフやセリフ回し、役を演じる上での心情や周囲の情景が書き添えられているものです。脚本は監督をはじめ照明、音声、舞台装置、小道具からメイク、衣装に至るまで制作スタッフすべてに必要な情報が詳細に記されているものになります。一般的には脚本を元に台本を作成しています。

最近ではバラエティ番組やイベントなどでは司会が進行する上で必要な情報やナレータやスタッフにも必要な情報がすべて記載された「進行台本」というものもあります。台本も脚本も進行台本も作品の制作に携わる人にとっての必要不可欠な流れが記してある大切な“本”であることには変わりません。

ヘビの胴体と尻尾の境目は、お尻の穴

「ヘビの胴体はどこまで?尻尾はどこから?」と聞かれたらどう答えますか?ヘビの胴体と尻尾の境目は見た目にはわかりません。我々人間の目から見れば頭から後ろは太さの違いこそあれ、あまり変わらない長い胴体、あるいは頭から先は全部が尻尾に見えてしまいます。

しかし、厳密には胴体と尻尾の境目は決められています。ポイントはお尻の穴です。お尻の穴をもってして、頭寄りが胴体、お尻の穴から後ろの方が尻尾です。それはヘビに限らずミミズやトカゲ、ドジョウやウナギなど細長い動物は皆、基本的に同様です。

ただ、細長い動物の中には排泄も産卵も同じ穴から行うものもあり、その場合はお尻の穴を肛門とは言わず、総排泄孔と呼んでいます。また、オスは総排泄孔から尾にかけて生殖器や天敵を欺く術を隠し持っているある場合も多くあります。単なる尻尾と思うなかれ。自然界には人間の常識にない様々な不思議がまだまだたくさん隠れているようです。

吸血鬼がニンニクを嫌うのは、不健康だから

吸血鬼の弱点は太陽と十字架とニンニク、これは定番です。しかし、太陽と十字架はなんとなく想像はつきますが、ニンニクはどうしてなのでしょう?

その理由は諸説がありますが、その最も有力な説としてはニンニクは遥か昔から魔除けとされていたからです。古代エジプトでも魔除けとして首に下げたり、家に飾っていたとも伝わっています。実際にニンニクは栄養豊富で滋養強壮や疲労回復、殺菌作用もあるので、不健康そうな吸血鬼の苦手なものとしてもピッタリとも言えます。昔の人にとっては神がもたらした万病の薬、聖なる御守りだったといえます。

また、別の説では当時、悪魔の病とされていた狂犬病に人が感染すると異常な知覚過敏になるといった症状が出ます。嗅覚が敏感になりすぎた患者は強い香りのニンニクは耐え難く、近づくことさえ出来なかったと言います。これも、魔除けであり薬であり、元気の源でもあるニンニクが吸血鬼の嫌うものとなった理由ではないかと考えられています。

カモシカは実はシカじゃない

主に九州、四国、本州の山林に生息し今では特別天然記念物となっている日本固有の哺乳類、二ホンカモシカ。「古事記」や「日本書紀」にもその存在が記され古の時から日本人とと共に生きて来ました。カモシカというだけにシカかと思いきや、実はシカではなくウシの仲間です。

ニホンカモシカは偶蹄目ウシ科カモシカ属、確かにウシ科の動物です。「偶蹄目」とは偶数本の蹄(ひづめ)を持つ動物のことで、ニホンカモシカには前足に2本の蹄が見られまが、後足の指は退化しており、はっきりとはわかりません。角はというとシカのように毎年生えかわるのではなく、大きくなり続け、オス程大きくはありませんがメスにも小さいながら角がしっかり生えています。身体もしっかりしていてシカよりもウシを思わせるスタイルです。

「スラリとしたカモシカのような脚」という褒め言葉がありますが、それはアフリカなどに生息するカモシカの脚のこと。二ホンカモシカの脚は短くガッシリとしています。どうして、こんな混同が起こってしまったのかは、長くなるので別の機会にゆずるとして、脚の美しい人に「ニホンカモシカの脚のよう」なんて言わないように気を付けましましょう。

還暦に赤いちゃんちゃんこを着るのは、生まれたときに戻るため

60歳の還暦のお祝いに赤いちゃんちゃんこを着ることは、奈良時代から続く日本の昔ながらの風習です。今では赤いちゃんちゃんこで還暦祝いする人は少なくなりましたが、どうして60歳で赤いちゃんちゃんこを着るのでしょう?

還暦とは子・丑・寅・卯…と続く十二支と甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)…と続く十干の組み合わせでちょうど60歳で生れた時と同じ組み合わせとなるため、「生まれた時に戻る」という意味があります。いわば、第二の人生のスタートということです。また、60歳は厄年ということもあり、魔除けや活力の復活を意味する赤い色の赤ちゃんの服を着て、新たな人生を元気に生きることを祈願しています。

還暦は年寄りの始まりではありません。特に現代人は60歳はまだまだ若く、たとえ会社を定年退職していたとしても、まだまだ新たな事にチャレンジするには遅い歳ではありません。赤いちゃんちゃんこを着ても着なくても人生これから、第二の人生、大いに楽しみたいものですね。

コンビーフの缶の形は、みっちり詰め込むため

コンビーフは戦後、進駐軍によって広まり昭和23年に国産初のコンビーフが野崎産業、現在の野崎フーズから発売になりました。当初の容器は瓶でしたが、後に枕缶という台形の缶となり知られていきました。

どうして、枕缶を使用したかといえば、酸化を防ぎ品質や保存性を高めるためです。当時は手作業でコンビーフを詰めていたので、空気が入れば酸化し色も変わり食感も悪くなってしまいます。そこで、台形の缶の面積の広い方から狭い方へぎっしりと詰めていけば極力空気に触れることが避けられ、肉の品質を保持できたというわけです。当時の人の知恵の結晶があの台形の缶だったのです。

ところが、2020年3月、約70年の歴史あるコンビーフの枕缶はとうとうプラスチックにリニューアルされ、形が変わってしまいました。缶詰作りの工程の技術も上がり、より劣化せず品質を保ちつつ賞味期限も長くなるという利点があるからです。あの懐かしい枕缶と開封用の巻き取り鍵のついた昔懐かしお馴染みのコンビーフ缶の姿が消えてしまったことは、少し寂しい気もしますね。

平安時代の貴族は、午前中しか働かない

平安時代の貴族は1日4、5時間が平均勤務時間だったといいます。もちろん、役職や世間の事情によって長時間労働や夜勤をした例外もありましたが、基本的には日の出とともに出勤しお昼前には帰宅していたといいます。

平安貴族の1日は夜明けとともに起床し、軽い朝食。身なりを整えた後、暦でその日の運勢を調べます。この時、暦の占いで凶と出てしまえば、出勤はしない。それも出勤しない公然の理由となります。

では、退勤後、午後から何をしていたかといえば、主に仲間と情報交換をしたり、歌や楽器の稽古や書物を読むなど、教養を高めていました。現代人にとってはなんだか趣味のための自由時間のようで羨ましく感じるかもしれませんが、教養がないことは貴族にとっては最大の欠点になります。職を失ってしまうことさえある重要事項で、自分をより磨くことも大事なおつとめだったのです。朝が早ければ、寝るのも早い。早い人は現在の時刻で7時前には床に入っていたとか。まさに日の出とともに起きて日没とともに眠る生活です。

サンマが泳ぐ水族館がある

各地の水族館の目玉でもある大水槽。海底をイメージした水槽に様々な魚類がキラキラと鱗を輝かせ泳いでいます。日々私たちの食卓を彩ってくれるおなじみの魚も見つけることができます。しかし、この中にアジやイワシはいるけれどサンマは見当たりません。その理由はサンマはとても繊細で飼育が難しい魚だからです。それゆえ、水族館での飼育・展示はほとんどされていないのが実情です。

サンマは鱗が取れやすく、小さな揺れや衝撃でもすぐに傷ついて命を落としてしまいます。また、運良く水族館へたどり着き個別の水槽などに入れても、壁やガラスにぶつかり傷つき弱ってしまいます。

ところが、福島県の「アクアマリンふくしま」ではそんなサンマを飼育・研究のうえ、産卵にまで成功しています。2011年の東日本大震災では飼育施設が破損しサンマも全滅するなど、展示をあきらめたこともありましたが、スタッフの必死の努力で見事に復活。世界でたった一つサンマを展示する水族館として、多くの来館者でにぎわっています。

関ヶ原の戦いで、93歳のお爺ちゃんがいた

天下分け目の関ヶ原…その戦に出陣し大活躍したお爺ちゃんがいました。なんと御年93歳。その名は大島雲八(おおしま・うんぱち)。初陣の頃から弓の達人として名を馳せ、鉄砲の玉さえも打ち落とした弓の名手だったとか。信長、秀吉、家康と3人の天下人に仕え、信長から“雲八”という名を与えられたそうです。

当時の文献によると雲八は1508年、寛永5年美濃、現在の岐阜県で生まれます。初陣は13歳で、その後、数々の戦を経て、1600年の関ヶ原の戦いにも93歳で出陣。その時も彼は尋常ではない弓の技で勇敢に戦ったと記されています。

平均寿命が延びた現代でも93歳はかなりのご高齢。当時は幼くして亡くなる子供も多かったため、平均寿命は庶民は30歳程度、武士では織田信長も「人生50年」と詠ったように大体50前後の頃です。真田信之が92歳、北条早雲が87歳で没したと記録にありますが、さすがにその歳まで現役で戦に出ていたわけではないでしょう。93歳で大活躍した大島雲八。戦国時代のスーパーお爺ちゃんです。

続々、人々、時々…同じ漢字が続く際の2番目に書くアレの名前は「ノマ」

同じ読みの同じ漢字が続く時、次に続く漢字は“同じ字”を意味する記号のような文字があります。カタカナのノとマを合体させたような奇妙な文字(々)、パソコンなどで入力する際は「同じ」と打ち変換するとあの記号のような文字が出ます。実はアレには「ノマ」という名前があります。

ノマと呼ばれる理由は見ての通り、カタカタの「ノ」と「マ」を合体したように見えるところからです。これ実は文字ではなく正しくは記号。同じ漢字が続く場合2番目の文字に用いる「漢字の繰り返し記号」です。

ノマは単体で使われることも文字の最初に使われることもなく、前の漢字の読み方に従って読まれるため単体での読み方はありません。

昭和21年に文部省が指定した「くりかへし符号の使ひ方」では、「同(どう)の字点」と記され、印刷・出版業界では「ノマ」「ノマ点」呼ばれています。人名にも使うことも可能ですが、「野々村」「奈々子」「美々」などいずれも2番目に続く文字に使われ前の読みに準じて読まれます。

カレールーを銀の器に入れるのは、日本だけ

昔ながらの喫茶店や老舗レストランなどではカレーを注文すると流線型のラインの銀の器に入ったカレールーが出てきます。日本人はこれをカレーの器と思っていますが、実はこれ、インドでもヨーロッパでもカレーの器としては使われていません。

日本人がカレールーを入れる銀の器の名は「グレービーボート」といいます。グレービーとは肉汁という意味で、欧米ではステーキなど焼いた肉から出た肉汁を使って作るソースの器です。ところが、いつのまにか日本ではソースの器がカレーのルーの器となってしまいました。カレーが日本人に定着しレストランなどでも人気メニューになった頃、あの銀の器にカレーを入れた方が美しく高級そうに見えたからというのがその理由だそうです。

市販のカレールーのパッケージにもカレーが注がれたグレービーボートが使われていることがあります。当然、日本人にとってグレービーボートはカレーの器、そう認識されてしまいましたが、グレービーボートにはステーキソース、それが本来の使い道でした。

キリンの編み目模様は、目くらましのため

野生動物の体毛には身を守るため、獲物を捕らえるためなど、それぞれ理由があって色や模様があるのはご存じですよね。そして、毛の色や模様と毛の下の皮膚の色は動物によって必ずしも同じではありません。シマウマの皮膚の色は濃い灰色、パンダはピンク。しかし、トラやツートンカラーのホルスタイン牛は体毛と皮膚の色は同じです。

では、キリンはどうかというと茶色です。茶色い地肌にあの編目模様の毛が生えています。もちろん、身を守るためにあの模様があります。ただ、身を守るにはいささか目立ち過ぎるようにも感じますが…。

キリンは休憩するとき、木と一体になるかのごとく高い木の下に身を置きます。サバンナなどに照りつける太陽の木漏れ日の影と光りはキリンの編み目模様とよく似ていて、景色と一体となってしまうというわけです。

人間からみれば目立つキリンの模様は、色の識別があまり出来ない野生動物にとっては木漏れ日の中のキリンはほとんど目立たないというわけです。キリンの模様は、編み目ではんく、木漏れ日の模様なのでした。

元の木阿弥の「木阿弥」は、武将の影武者

順調にいっていたことや、よくなっていたことが再び元の状態に戻ってしまうこと、振り出しに戻ることを「元の木阿弥」といいます。ところでこの木阿弥とは何のことだと思いますか?

諸説ありますが、一番有力な説としては木阿弥は戦国時代にいたとある武将の影武者でした。当主が亡くなり嫡男が成長し家督を継ぐまで、周囲に当主が健在であると思わせるための影武者に抜擢されたお坊さんだったそうです。

顔や体はもちろん声や仕草もよほど似ていたのでしょう。木阿弥は突然、殿様生活をすることになりました。当然、食べるもの、着る物、行動もすべて殿扱いです。しかし嫡男はいずれ成長します。元服し家督を継いだらもう用済みです。とうとうその時が来て木阿弥はお役御免となり、元の貧しい暮らしに逆戻り。これが「元の木阿弥」という諺の元になったというお話です。元々僧侶であった木阿弥が上げ膳据え膳の殿生活を終え、果たして本当にがっかりしたかどうかは本人でないとわかりませんが。

人間の髪の毛は永遠には伸びない

人間の髪の毛は切らなければ伸び続けるわけではありません。あくまでも一般的にですが、髪の毛にも寿命があり、個人差はあるものの平均して4年~7年程度といわれています。1か月で1cm~1.5cm、伸ばし続けてもせいぜい75cm程度で1m以上伸びることはごくまれにしかありません。

長くなっても腰のあたりが限度のようです。髪の毛は毛根から遠い毛先はだんだんと細り色艶もなくなってしまいます。髪の毛は成長を終えると抜け落ちまた新しい髪の毛が生えてきます。

とはいえ、例外もありギネスでは5m~6mと長く伸ばした記録もあります。おそらく特殊な遺伝子や栄養状態、特別な手入れ方法があるのかもしれません。

平安時代の絵巻では床に届くほど長い髪の女性が描かれていますが、当時の女性は現代人より小柄です。小柄であれば同じ長さでも見た目は床につくほど長く見えます。その上、当時もつけ毛やウイッグのようなものがあったといいますから、髪は長ければ長いほど美人の証として、きっと工夫されていたのかもしれません。

タコのお尻は、まさかのあの口

さぁ、タコのイラストを描いてみましょう。絵の上手な人も苦手な人も、だいたい丸い頭に目が2つ、吸盤のような口に8本の脚。誰も同じようなタコの絵を描くはずで、あまり失敗することはありません。さて、その「口」ですが、あれは実は口ではありません。では何かというと、あれはお尻です。

タコの口はもっと下の方、8本の脚の真ん中にあります。そこから食べ物を摂取します。我々が丸い頭といっている部位は胴体、頭はその胴体と脚の間に位置しています。目もその頭の部分にあります。

私たちが丸い口と思っている部分の奥に「ろうと」という排泄口があります。タコのトレードマークと思っている口のような部分こそが、実はお尻の穴に繋がっているというわけです。生きものの体は摩訶不思議。人間の構造を常識にしてはなりません。生物の形態はそれぞれ環境や生き方によって違っているというわけです。

死んでも耳は、聞こえているのかもしれない

死んだら魂は本当に肉体から抜け出ていくのか?1901年マサチューセッツ州のマクドゥーガル医師は死期が近い高齢者養護施設の患者数名、を微妙な重さの変化も計測できる特殊なベッドに寝かせ、体内の水分の揮発や発汗も計算し、死の直前・瞬間・死後の体重を測定したといいます。すると個人差、状態こそありますが平均して約21グラム体重が軽くなったといいます。これが魂の重さとして広まり、2003年のアメリカ映画『21グラム』をはじめ小説、漫画やアニメの物語に大きな影響を与えています。

魂の存在は今も実証されていませんが、死んでも最後まで聴覚だけは残っているという説もあります。脳は心停止後、生命の機能を停止しますが、全ての機能が失われるまでにはわずかな時間差はあるはずです。音は耳から入り聴神経を経て、脳へと伝わっていきます。人間の五感で運動機能を使わない聴覚は、脳の血流が完全に止まっていなければ脳に情報を伝えるかもしれません。魂がまだ肉体を抜け出す前であれば、声は亡くなった人に届いているのかもしれません。

「ものもらい」は、迷信からついた呼び名

目が細菌に感染し、まつ毛の根もとやまぶたの裏側などが炎症を起こし腫れてしまう眼病を関東地方では「ものもらい」といいます。俗称は様々で地方によって「めばちこ」「めぼ」「めっぱ」などとも呼ばれますが、正式には(麦の粒の腫れで)麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいます。「ものもらい」なんて、感染病のようにも聞こえますが、基本的に他人に感染することはほとんどありません。では、どうしてそんな名前がついたのでしょう。

ものもらいになったら眼科に行くのが一番の得策ですが、あまり酷い状態でなければしばらくすると自然に収まっていき、1週間程度で治ります。さて、そのものもらいの名前の秘密ですが、昔の人は1日1軒ずつよその家から食べ物をもらって食べると治る、そう信じていたことがありました。ちょうど7軒目に行く頃には腫れも痛みも治まっています。この迷信から麦粒腫のことを「ものもらい」と呼ぶようになったといいます。

また、他人の物をあれこれ欲しがると罰として腫れ物が出来るから、という説もあります。

みたらし団子の「みたらし」を漢字で書くと「御手洗(おてあらい)」

醤油と砂糖の味が絶妙な甘辛いみたらし団子。今も昔も老若男女に人気が高い和菓子です。漢字で書くと「みたらし」は「御手洗(おてあらい)」と書きます。「え?トイレの団子?」といささかガッカリしますが、御手洗(みたらし)とはトイレではありません。本来は神社の入り口にある手や口を清める場所のことです。

京都の下鴨神社の境内には、御手洗(みたらし)池という池があります。下鴨神社では土用の日に御手洗祭(みたらしまつり)が行われ、人々は御手洗池に脚をつけ、無病息災を祈願しました。その御手洗祭で神社の境内で売られていた団子があまりに美味しく名物になったため、この団子を「みたらしだんご」と呼ぶようになったとか。

今では串にさされた団子の数は販売する店によっても異なりますが、そもそもは5つだったそうです。その昔、後醍醐天皇が御手洗池で水をすくうと、最初に一つ浮かび、続いて4つ浮かび上がった泡が串団子のモデルとなっています。この5つの団子は人間を表し、神前に供えた後、持ち帰って食べることで厄払いをしたともいわれています。

古代ローマ帝国ではオシッコで洗濯をしていた

近頃の洗濯洗剤は汚れだけでなく臭いを取り、乾けばしなやかな肌触りでシワまで消える優れた機能を備えています。古代ローマ人は遠い未来、まさかそんなスグレモノが登場するとは思いもしなかったことでしょう。彼らが洗濯に用いていたのは、なんと人の尿、オシッコだったのです。尿に含まれるアンモニアはアルカリ性で汚れを落とすのに効果があり、古代ローマ人はトイレから尿を取り分け洗剤として活用していたということです。

古代ローマの人の洗濯の行程は灰の汁で洗い、尿でつけ置き、最後に水ですすいで乾かします。尿は今でいう漂白剤、仕上げ剤といったところでしょうか。古代ローマ人がアルカリ性の存在をどの程度理解していたかはわかりませんが、尿に含まれる何かに洗浄効果があるということはわかっていたのでしょう。

古き時代の日本でもアルカリ性のものに洗浄効果があることは知られていました。木炭の灰汁や米のとぎ汁、大根の汁などを洗剤代わりにしていましたが、安心して下さい、日本ではさすがに尿を使っていたという記録はありません。

郵便記号の元になったのはカタカナの「テ」

おなじみの郵便を表す記号。アルファベットの「T」の上に、横線を引いたような図案です。初めて日本で郵便番号が制定された頃から今も変わらず郵便局のシンボル記号です。この郵便記号が登場したのは1887年2月8日。当時、郵便物を扱っていた「逓信省(テイシンショウ)」の頭文字「テ」がモチーフとなっています。

その後、逓信省は郵政省となり、民営化した現在まで、郵便局のシンボルであり続けています。この記号が出来た2月8日は今でも郵便マークの日とされています。

1887年、郵便のシンボルマークを考案する上でアルファベットの「T」という案がありましたが、国際郵便では万国共通で「T」は郵便料金不足の印でした。さすがに日本の郵便局のマークが“料金不足の印”というわけにはいかず、逓信省をカタカナで書いた頭文字「テ」をデザイン化して、あのシンボルマークが出来たそうです。

ちなみに、あのマークを「郵便マーク」と思っている方も多いでしょうが、JIS規格では「郵便記号」とされていて、「郵便マーク」はこの記号に顔がデザインされたものを指しています。

オスのチョウチンアンコウは、メスに吸収されて一生を終える

チョウチンアンコウのオスはメスに一生を捧げます。チョウチンアンコウは深海の中で恋の相手を探すのも至難の業、そんな中でようやくメスに出会えたら即座に食らいつきます。そして、すぐに交尾に至るのではなく、ゆっくりとメスの一部となることで子孫を残し消えていくのです。

メスは体長は40cm~50cm程なのに対し、オスはわずか5cmくらいしかありません。オスはメスの身体に特殊な酵素で張り付き、以後、動くことも餌を獲ることもせず、ひたすら僅かな栄養をメスの体内から吸収し生きていきます。もう、泳ぐ必要も身を護る必要も餌をとる必要もありません。そのためヒレも目も内臓さえも退化し最後に精巣のみが残され、それがメスの体内に吸収され受精し子孫を残す。生殖のためだけに燃え尽きるオスのチョウチンアンコウ。

メスに巡り合ったら何もしないで、メスに養われ一生を終える、我々人間にしてみれば何だかヒモのような生涯ですが、これこそがチョウチンアンコウのオスの輝かしき人生、何よりの成功者なのです。

平安時代は、占いでお風呂にはいる日を決めていた

日本人はお風呂が大好き。毎日お風呂にゆっくり浸かって1日の疲れを癒し身も心も清潔に、という考えが定着したのは実は昭和に入ってからです。

平安時代の人は5日に1度程度しかお風呂に入りませんでした。当時のお風呂といえば、熱した石などを利用した蒸し風呂、今でいうサウナだったということよく知られていますが、ちゃんとタライのようなものもあり腰から下程度は浸かることも出来ました。

ただ、入る日はすべて占いで決めていました。占いで凶の日や頻繁にお風呂に入ると、垢が抜けた毛穴から邪気が入り病気になったり、運が悪ければ死んでしまうと考えられていました。お風呂は毎日入ってはならないものだったのです。しかし、これは一部の貴族のお話。庶民は意外と自由で川や池で自由に身体を洗っていたといいます。もちろん、温泉も利用していたようです。お風呂に関しては庶民の方が贅沢だったのかもしれません。

現在のお風呂屋さんに当たる「湯屋」が広まっていくのは江戸時代、日本人のお風呂文化はその頃から発展していきました。

「ピンからキリまで」の「ピン」と「キリ」は、「1」と「10」

「ピンからキリまで」は、始めから終わりまで、最高から最低まで、上級品から下級品まで様々あるという意味合いで使われています。そのピンとキリですが、日本語が語源ではありません。どこから来たかというとポルトガル語。「ピン」はポルトガル語で「点」を意味するpinta (ピンタ)から、「キリ」は十字架を表す cruz (クルス)から来ています。

トランプやサイコロなどの遊びで「ピン」は1、「キリ」は十字で10を表すため、最後という意味を持っています。そのため、最初から最後まで、価値のあるものとないもの、良いものからそうでないものまで、という意味で使われるようになりました。

そもそもは物事の価値の上下を表していた言葉ですが、最近では「ピンキリで選べない」など一般的な価値観や優劣とは別に、“色々ありすぎる”という意味合いで使われることもあるようです。また、1人でやることを「ピンでやった」「ピン芸人」と言ったり、終わりがないことを「もう、キリがない」など、ピンとキリは別々に使われることも多くなりました。

『浦島太郎』は、昔々のオトナの童話

昔話『浦島太郎』は、助けた亀に導かれ竜宮城へ赴き、乙姫様に接待を受けた後、地上に戻りお爺さんになってしまったという物語ですが、その原作は『日本書紀』や御伽草子などにも記されている『浦島子伝(うらしまこのでん)』というオトナの童話です。

平安貴族たちも夢中になった『浦島子伝』。浦島子が亀を助け竜宮城へ案内される所までは同じですが、大人の物語になるのはここからです。乙姫様から受けたオトナの御接待が事細かに描かれています。これはもう子供には語れません。ただ、結末は『日本書紀』には浦島子は亀に連れられ蓬莱山へ行き仙人となり、「御伽草子」では貰った玉手箱を開け、鶴になって蓬莱山へ飛び立ち亀の姿になった乙姫と幸せに暮らしたとあります。室町時代には鶴と亀=不老不死の象徴として、浦島子は神になります。当時の人にとって、まさに大人の夢物語です。

これが今では思いやりの心、快楽におぼれない、約束は破らないという教訓を交え、健全な子供向けのお話になったとさ。

イチゴは、果実的野菜

イチゴは果物でしょうか?野菜でしょうか?…答えは「野菜」です。
スーパーではフルーツコーナーで売られていて、高級果実店でも王者のように君臨していますが、植物学的には「野菜」になります。

基本的な野菜の定義を簡単に言ってしまえば、木の実は果物、草の実は野菜です。しかし、イチゴは果物売り場に置かれ、我々の生活習慣の上でケーキの具材になるなど、果物として食べられ、おかずとして調理されることもあまりありません。そこで、農林水産省でも「果実的野菜」と分類しています。

メロンやスイカもこの定義では「野菜」です。バナナやパイナップルも木に実るイメージですが、実は木に見える部分は葉鞘(ようしょう)という幾重にも重なった草に実をつけるため、分類的には「野菜」です。これらは皆、果物として食べられているためイチゴ同様「果実的野菜」にあたります。

野菜か果物かの分類はあくまでも日本での基準です。国によっては若干違いがあります。

「シカト」は、シカの絵から生まれたことば

シカトとは相手を無視したり、見えないふりをすること。あまり良い行動ではありませんが、昭和の中頃から若者を中心に無視する、知らん顔をする動作や様子として使われてきた言葉です。

この、シカトの語源は動物の「シカ」。花札に描かれたシカに由来しています。花札の「シカの札」は10月の札です。秋の季語でもある紅葉とともに描かれているこの絵札のシカは、正面ではなくこちらを無視してそっぽを向いているように見えることから、「シカの十(じゅう)」がシカトという言葉になったといいます。博打の世界で相手を無視することを「シカトする」という隠語にもなっていました。それがいつしか人々に広まって行ったというわけです。

ちなみに花札の10月のシカのように本来見る方向でなく、あえて別の方を見て知らぬふりをすることを「そっぽを向く」といいますが、もともと「外方(外に方)」と書く「そっぽう」という言葉があります。この「そっぽう」が変化し「そっぽ」という言葉になったそうです。

南天の星座の神話は、取り急ぎ作られた

1928年に国際天文学連合が制定した世界共通の星座は全部で88あり、そのうち27星座は南の空に輝いています。私たちは北半球の星座にはなじみ深いものがありますが、南半球の星座では比較的知名度があるのは南十字座くらいなものです。

ほかにどういうものがあるかというと、カメレオン、はえ、くじゃく、とびうお、ちょうこくしつ、コンパス、ポンプなどなど。初めて聞く方も多いのではないでしょうか。これらも、れっきとした88星座の一員です。南天の星座は見る機会が少ない上に地味で神話もありません。なにしろ取り急ぎ作られた新しい星座ですから。

15世紀の大航海時代。南半球へ出航した天文学者や船乗りは、初めて見る南天の星々を好き勝手に繋げ星座を作りました。もう、南天の空は星座だらけです。後に国際天文学連合が88星座を制定する際、これを整理し空の領域を決める上で空いた場所にも強引に星座を置きました。コンパスや顕微鏡など研究用品をはじめ、ハエの近くには獲物を狙うカメレオン、彫刻室があるなら板を削るのみをモチーフにした彫刻具もと…神話がないのも当然です。しかし、南天の星座は名前だけでも面白く、形を調べてみるのも楽しいのではないでしょうか。

スイートルームは、新婚さんの部屋でもお菓子の部屋でもない

ホテルのスイートルームと聞くと豪華だなぁと思いますが、スイートルームって何が甘いのかと、考えたことはないでしょうか。新婚さんやカップルの泊まる部屋が語源?…いえいえそうではありません。英語の発音は同じですが甘いを意味する「sweet」ではなく、1つセットのという意味「suite」と綴るスイートで、居間と寝室が1セットになった2つ以上の部屋のことを指します。

日本ではスイートという響きから濃密な時間を過ごす部屋、新婚旅行で宿泊する贅沢な部屋というイメージが定着していましたが、スイート違いでした。確かに一般客室よりも豪華な部屋であることは間違いありませんが。

日本にも同音異義語といって発音が同じで意味が異なる言葉があります。正しい事の正確と人の性格の「せいかく」、仕事の交渉、時代考証、学校の校章の「こうしょう」などが同音異義語です。外国人には同音異義語は難しいですね。

かっぱえびせんのヒットの陰に「かっぱ」あり

「かっぱえびせん」といえば、「♪やめられない止まらないかっぱえびせん」のCMソングが頭に浮かぶ方も多いでしょう。子どもからお年寄りまで幅広い層に長く愛される大ヒット商品です。実はこのヒットはカッパのおかげです。「かっぱえびせん」の前身は「かっぱあられ」といいました。

カルビーの創業者が、当時の大人気漫画『かっぱ天国』を読み大ファンになったのがきっかけ。「この漫画のように幅広い層に長く愛される商品にしたい」と、原作者の清水崑氏にパッケージ用のカッパのイラストを依頼し「かっぱあられ」という商品を発売しました。

おかげで「かっぱあられ」は大ヒット。その後、カルビーはカッパを冠にカッパシリーズのお菓子をいくつも販売しました。1964年、カッパシリーズ最後の商品として売り出したのが、海老が練り込まれた「かっぱえびせん」です。この商品こそ創業者の願い通り「幅広い層に長く愛される商品」となり現在にまで至っています。これもカッパのご加護かもしれません。

ホワイトチョコレートが白いのは、カカオマスが入っていないから

ホワイトチョコレートはヨーロッパでは1930年代、アメリカではそれより20年ほど遅れて発売になりました。初めての日本製のホワイトチョコレートは1968年11月、北海道のお菓子メーカー「帯広千秋庵(せんしゅうあん)製菓」、現在の「六花亭」から売り出されました。

どうしチョコレートなのに白いのか?本当にチョコレートなのか?と当時は疑問に思う方もいたはずです。チョコレートはカカオ豆を焙煎しすりつぶして固めたカカオマスとココアパウダーが主な原料です。チョコレートが茶色なるのはこのカカオ豆の色です。

ホワイトチョコレートはカカオマスの製造過程で摘出した乳白色の脂肪分のココアバターのみを使用し、砂糖やミルクを加えて作られているため、カカオの色がつかないのです。ちなみにチョコレートの定義ではココアバターが18パーセント以上含まれること。カカオマスやココアバターが使われていなくても、ココアバターがたっぷり使用されたホワイトチョコレートも立派なチョコレートの仲間です。

橋には入口と出口がある

橋はふつう左右対称のような形になっています。もちろん、どちらから渡っても問題はありません。しかし、入口と出口が定められているのはご存じでしょうか。判別方法は2つあります。ひとつはわかりやすい方で、橋の名前の板。向かって左側についていますが、一般には漢字表記になっている方が入口、ひらがなの方が出口とされます。

そしてもう1つ。道路には道の始まりの地点を「起点」、終わりを「終点」とする決まりがあり、起点が入口、終点が出口です。かつてはあらゆる道の起点が東京都中央区の日本橋でした。そのため、日本橋に近い方が起点、すなわち入口。遠いほうが終点とされました。

とはいえ、現在は都道府県などでルールが様々となっており、県庁に近い方が起点、その逆、国道と県道で違うなど、ばらつきは出てきているようです。

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