よみもの|聞くトリビア(読む編)

雑学で日本縦断旅行【47都道府県の雑学集】

新潟県の雑学。湯沢町には期間限定の新幹線駅がある

期間限定の駅といえば、有名どころではかつての原宿駅の臨時ホームなどでしょうか。原宿駅ではかつて、初詣客のために明治神宮に直結した改札が設置されたホームが用いられていたことがありました。そんな特定の時期にだけ利用されるホームは全国にいくつかあり、中には新幹線の駅にもあると聞くと少し意外に思うのではないでしょうか。

その駅は湯沢町にある「ガーラ湯沢駅」。新潟ということから想像がつくかもしれませんが、冬季のスキーシーズンと例外的にイベントがあるときだけ停車します。これはあらゆる新幹線の駅の中でも唯一の特徴です。

当然、利用者のほとんどはスキー客。駅から出るとすぐ前にゴンドラがあり、スキー場へ直行というファンにはたまらないつくり。そのスキー場、ガーラ湯沢を運営するのはJR東日本。自社の施設に客を呼び込むためにはそこへアクセスの良い駅を作る必要があったのです。

ちなみに、この駅、新幹線は停まるものの、運行速度などが新幹線の要件には合わないので、扱い上は在来線・上越支線の駅ということになっています。

富山県の雑学。舟橋村には年間予算の8割を費やした図書館がある

多くの自治体で図書館というものは珍しい物ではありません。あって当然です。しかし、舟橋村の図書館は全国に類を見ないものです。

何といっても凄いポイントはコスト。年間13億円の予算のうち、10億円の事業費をかけたものなのです。そのいきさつとしては1989年の駅舎リニューアルがあります。老朽化していた富山地方鉄道本線の駅である越中舟橋駅は複合施設となる方針で話が進みました。その際、スーパーの誘致などが挙げられたのですが、幅広い年齢層が滞在できる図書館という案が採用されました。

これを含めた子育て支援策が功を奏し、この村には子育て世代の流入が多くなり、2010年の国勢調査では総人口に占める15歳未満人口の割合は21.8%と日本一の自治体となったのです。

この図書館が話題になった点は他にもあります。2008年に開館10周年を祝っている際にカモシカが侵入しました。被害は本が数冊汚されただけで、その後山に返されるという騒動がありました。それ以後「カモシカ図書館」と知られるように。この様子は『カモシカとしょかん』という絵本シリーズにもなっています。

石川県の雑学。金沢にはネコを丁重に弔うお寺がある

武家屋敷でも知られる金沢。有名な寺院も複数あります。今回はその中でもネコ好きの興味を引きそうなところのお話です。

犀川の河川敷沿いの法船寺にはネコに関する伝承が残っています。舞台は徳川吉宗の治世の享保年間。当時の住職は寺の器などを食い荒らすネズミに困っていたそうです。そして、飼っていたネコに対して「ネコがネズミをとらないのは何事だ」と説教しました。

すると、ネコはどこかへいってしまったのですが、その後住職の夢に現れて「あのネズミは只者ではなく金沢にそれを倒せるネコはいない。なので、能登のネコを助っ人に呼んで協力してやっつける」といいました。

やがて、その言葉通り彼は別のネコを連れて帰ってきて、再び夢の中で「今度こそは退治する」と宣言しました。そして、2匹で協力してネズミを退治したものの、ネコも直後に亡くなってしまいます。この出来事は近所の人が語り継ぎ広く知られるようになり、境内にもこのネコたちを弔う塚があるということです。

福井県の雑学。永平寺町にはなぜかヘリのある公園が存在する

永平寺町といえば同名の曹洞宗の大本山で知られる町。そこにちょっと不思議な公園があります。

永平寺から九頭竜川方面に出て越前竹原駅方面にある「人希(にんき)の里公園」。ここにはなぜか陸上自衛隊のヘリコプターがあります。足元はがっちりとボルトで固定されておりさすがに飛ぶことはできません。そうはいっても、公園の芝生にドンと置いてあるのはかなりのインパクトです。

設置されたいきさつは自衛隊の広報活動の一環といわれていますが、詳細についてはわからないようです。とはいえ、コックピットの中が見えるほどの近くで実際のヘリが見られるということで、子ども連れだけでなくマニアにも人気ということです。

そんな人気スポットではあるのですが、このヘリコプター、自治体により撤去の方針が出ているそうです。時期などについては未定ではあるようですが、気になる方はなくなってしまう前にチェックしにいってください。

長野県の雑学。長和町には「ミミズ神社」がある

日本には実にいろいろなものを祀った神社がありますが、長野県には中でも珍しいものがあります。それはミミズを祀った神社です。

この蚯蚓(きゅういん)神社、「蚯蚓」とはミミズのことです、が作られた背景にはかつて起こった洪水があります。その際に30cmほどもある大ミミズが群れをなして死んでしまうと、その後住民の間にコレラや腸チフスが流行してしまいました。これをミミズのたたりだと恐れた人々はお堂を建ててそれを弔ったということです。

なお、この神社の前には「おきん様」と札が下がっています。この「おきん」とはお蚯蚓さん(おきゅういんさん)が変化したものとされています。現在の神社はトタンづくりで豪華なものとはいいがたいですが、地元の人々によって整備されて大事にされているとのことです。

岐阜県の雑学。瑞浪市には1トンを超える巨大皿がある

色々な自治体で町おこしの呼び水として名物が設けられています。中には「世界一」を冠するものなども珍しくはありません。今回はその中でも岐阜県瑞浪市の世界一を紹介します。

市内稲津町の小里(おり)稲荷神社にある大皿「瑞鳳(ずいほう)」は超巨大な美濃焼です。大きさは直径2.8m、高さ0.3m、重さ1220kgというキングサイズ。世界一の大皿としてギネス認定されました。作成にも150人が10か月もの歳月をかけた力作です。

実は岐阜県内には「世界一の美濃焼」がこれ以外にも2つほどあります。同じく瑞浪市の八王子神社の狛犬。こちらも高さ3.3m、幅1.56m、奥行2.4m、重さ15トンという巨大スケール。そのすぐそばにある茶壷も直径4m、高さ5.4m、重さ32トン。両方ともギネス認定されました。

3つもの世界一を作り出すほどの岐阜県。美濃焼に対する愛というのも伝わってきます。

愛知県の雑学。熱田神宮の御神体は「剣」

桶狭間の戦いに際して織田信長が戦勝祈願をしたことでも知られる熱田神宮。愛知県屈指のパワースポットです。なお、信長が勝利した際に奉納した塀、通称信長塀(のぶながべい)も残っています。

およそ1900年前に創建されたという大変由緒ある神社ですが、他にも少し変わった点があります。それは神社でもっとも重要ともいえるご神体。熱田神宮のご神体は像などではなく「剣」です。

少し意外に思えるかもしれませんが、これは「三種の神器」のひとつに数えられる草薙の剣。その背景にはヤマトタケルノミコトの伝承があります。妻であるミヤスヒメノミコトにこの剣を預けて伊吹山の神の征伐に向かったヤマトタケルノミコトは、現在の三重県あたりで命を落としてしまいます。その後、妻がこの地に草薙の剣を奉納したというのが熱田神宮の成り立ちとなっています。そして、その剣は今でもご神体として祀られています。

なお、神宮の宝物館には剣がご神体の神社らしく、時の武将が奉納した刀剣が400振以上も残っています。中には国宝のものもあるので、ファンには必見のポイントといえるでしょう。

三重県の雑学。三重県は全国で唯一パチンコのオールナイト営業が可能

近年はギャンブルについては下火になりつつありますが、パチンコファンにとって三重県は外せない土地。なぜなら、日本で唯一オールナイト営業のパチンコ店があるためです。

とはいっても、年中無休というわけではありません。チャンスは年に一度、大晦日のみ。12月31日は通常通り9時に開店となりそのまま通し営業。1月1日は特別延長の1時間を加えて2日の午前1時まで。合計40時間ぶっ通しでパチンコに打ち込めるのです。

この手のお店は法律によって午前0時から6時の営業は禁止されているのですが、三重県のみ年に一度だけの深夜営業が許可されています。その理由は伊勢神宮の参拝者がトイレを利用するためなどといわれているそうですが、明確にはわかっていません。ただ、1985年から実施しているという資料もあるようで、それなりの期間続いているイベントではあるようです。

そんなわけで実際、パチンコファンは大晦日に三重県に押し寄せるそうです。ただ、場所取りも大変らしく、前日の30日から寝具など持参で並ぶのも珍しくないそうです。体力に自信のある方は一風変わった年越しを体験するのも面白いかもしれません。

滋賀県の雑学。琵琶湖にも砂浜がある

ビーチといえば海。そんな風に思っていませんか。日本一大きい湖こと琵琶湖。ここにも砂浜が存在し、もちろん水泳場も存在しています。

たとえば、近江舞子駅から徒歩5分程度という立地の近江舞子中浜水泳場。ここは湖水浴場としてもトップクラスの広さで、美しい砂浜が広がっています。4kmほども続く松林も見事ですし、バーベキューを楽しむこともできます。

琵琶湖の遊泳ポイントとして最南端の「真野浜水泳場」も人気があります。ペット遊泳エリアがあったり、25mのゴザを走り抜ける「ゴザ走り」のイベントも子どもウケが抜群。当然、綺麗な砂浜も広がっています。

他にもパワースポットとしておなじみの白鬚神社近くなどにもアクティビティを楽しめる美しい砂浜があります。海水と違って淡水であることもハードルを下げる一要素といえるでしょう。たまには海から気分を変えて湖に足を運んでみてはいかがでしょうか。

京都府の雑学。右京区のとある龍の絵は目が動く

京都といえばお寺や神社が真っ先に思い浮かびます。修学旅行で何となく巡っただけでも印象に残るところもあるはずです。そんな京都のお寺の中でも不思議な絵のある場所をご紹介します。

それは京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の総本山である妙心。建立は1337年と室町時代初期までさかのぼります。境内の建物の多くは江戸時代に作られたものといいますが、それでも十分な歴史を持ちます。

その中の重要文化財でもある法堂(はっとう)の中の『雲竜図』が今回のテーマ。江戸前期の絵師・狩野探幽が8年もの歳月をかけて完成させた力強い龍の天井画です。これには「八方睨み」という技法が使われており、どの位置から上を見上げても龍と目が合うようになっているのです。躍動感あふれる絵というのもあり、まるで生きているように錯覚してしまうほどです。

なお、お寺にはよく龍の絵が見られますが、これは仏教において仏を助ける存在とされていることもあるのですが、水を司るということから寺院を火災から守るという意味合いもあるといいます。

奈良県の雑学。奈良公園のシカは別に鹿せんべいをもらわなくても平気

2020年にはじまるコロナウイルスの流行で観光客が激減しました。そこで、奈良公園のシカが鹿せんべいをもらえなくなってお腹を空かせているのでは、などという心配の声を上げる心優しい方もいたようです。

しかし、その心配はありません。奈良公園のシカは神の使いとして保護されており、天然記念物にもなっています。ですが、飼われているわけではなくあくまで野生動物。自分たちでエサを見つけて食べています。「公園ジカ」と「若草山のシカ」と食性で大きく2種類にわけられるのですが、どちらも主に食べるのは芝。1年を通じて確保できているのでご安心を。

となると、鹿せんべいに意味はあるのか。これは小麦粉と米ぬかで作られており、砂糖などが入っていないため、シカにあげてもお腹を壊してしまうようなことがない安心安全なおやつです。また、売り上げの一部は彼らの保護に充てられています。

では、他のお菓子などを与えてはいいものでしょうか。これはNGです。人間の食べ物は健康上良くないようです。それと、ビニール袋などのゴミを食べてしまうと命にかかわる問題となります。いくらかわいくても袋菓子を持ち込むのは避けましょう。

和歌山県の雑学。太地町の落合博満記念館の本人像はなぜかパンイチ

日本の捕鯨発祥の地ともいわれる和歌山県太地町。ここにプロ野球界のレジェンド落合博満記念館があります。野球選手個人のものとしては日本初とされます。

かなり辺鄙な場所にあるのですが、かつて本人が自主トレ地として選び、気に入ったことで別荘代わりに作ったそうです。六角形と珍しい形の建物は現役時代の「背番号6」にちなんだものとか。

館内には氏の歌声が流れ、現役時代のトロフィーなどがならび、ファンは喜ぶことでしょう。しかし、撮影は禁止。唯一写真が撮れるのは入口の本人像の前のみなのですが、なぜかこの像、ブリーフ一丁といういでたちです。なお、他にも信子夫人の油絵や福嗣(ふくし)君のおもちゃコレクションも並んでいるのだとか。

ファンにとってたまらないのはたまに本人がいること。場合によっては直々に受付をしているのだとか。中日の監督時代は正月は毎年この地で過ごしていたともいわれ、来館者と気さくに話すことも珍しくなかったそうです。本人に会えるかもというのが一番の付加価値かもしれません。

大阪府の雑学。梅田の地下街には化石がある

日本でも屈指の広さを誇る大阪・梅田の地下街。地下街としての面積は日本で6位とされますが、これにつながっている阪急三番街やグランドフロント大阪などの地下フロアも含めて考えると、もっと大きな規模になります。

迷子になる人も多いようで、しばしば「梅田ダンジョン」などとも呼ばれますが、実際、洞窟さながらのものが見られます。それは何と化石。ジュラ紀から白亜紀にかけてのものが見られます。ここの壁面には大理石が使われており、そこにアンモナイトやサンゴなどが存在しています。JR大阪駅の中央コンコースなどが具体的なスポットです。

ちなみに、わざわざ大理石が使われている理由は、計画当初はバブル期などの影響で資金が潤沢であったことや、地下と思わせないようなハイクオリティーな空間を演出しようとしたため。確かに、デパートなどにも使われる大理石の壁は高級感があり、豪華なイメージを与えています。迷ってしまっても楽しめるつくりといえるでしょう。

兵庫県の雑学。神戸の鉄人28号像の近くには足跡もある

神戸市長田区にある若松公園には懐かしのアニメ『鉄人28号』の像があります。このチョイスの理由は、原作者・横山光輝が神戸出身だったためです。1996年の阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして作られました。

この像、一般的なビルにたとえると5~6階建てほどの巨大さ。遠くから見ても目立ちますし、インスタ映えスポットとしても人気のようです。

そして、関西人の遊び心といえるようなものは、近くにある足跡。ロボットが数歩歩いたようにも見えます。しかも、その足跡もただのオブジェではなく砂場になっており、しっかりと遊べるポイントなのも面白いところです。

なお、横山光輝といえば漫画『三国志』でもよく知られます。近くには「KOBE鉄人三国志ギャラリー」もあり、資料展示などが行われています。商店街にも武将のタペストリーが見られるなど、そちらのファンにもたまらない街になっています。

鳥取県の雑学。あの砂丘はわざわざ除草している

鳥取県の代名詞ともいえる砂丘。県を訪れた人は、多少興味が薄かったとしてもものは試しと訪れることでしょう。

その砂丘ですが、実は深刻な環境問題を抱えています。それは緑化。砂漠化や植物の減少といった環境悪化が話題となる近年からすると、何が悪いのかと思ってしまうところです。

元々、ここにはハマゴウのような砂丘植物が自生はしていたのですが、さらにイネ科のチガヤなどが飛来して繁殖してしまい、1990年代には砂丘の42%ほどに雑草やマツが生えてくるという問題が発生しました。

緑が増えるのは一見いいことなのですが、砂丘ですとそうも言い切れません。砂が風で動いてできる現象「風紋」などが見られなくなってしまうのです。そのため、鳥取市が主導して除草作業に取りくみ、2004年からは地元や企業からのボランティアを募って作業を進めています。本来の景観を失わせないよう努力が続けられているのです。

島根県の雑学。島根にはしゃもじを持って踊る、変な名前の祭りがある

日本各地には変わったお祭りが存在します。今回は島根県の離島のものをご紹介します。

隠岐諸島に浮かぶ海士町(あまちょう)。ここに伝わるのは8月下旬に行われる「キンニャモニャ祭り」。両手にしゃもじをもち、この町の民謡『キンニャモニャ』に合わせて踊るものです。おそらく、ここまでまったく話が見えてこないと思われます。

この妙な名前の歌は島出身の杉山松太郎という人物が西南戦争に従軍した際に現地の民謡『キンニョムニョ』をアレンジしたとか、江戸時代に日本海を行き来した商船から伝わったなどという説があります。いずれにしろ、100年以上の歴史を持ち、島民には愛されているようです。

お祭りでは仮装して踊るグループなどもあり、ちょっとした名物になっています。そのため、島外からも観光客が訪れ、賑わいます。興味がある方は夏休みの終わりを過ごしてみるのもいいでしょう。

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