知られざる工夫の雑学
【聞くトリビア 読む編】
ボールペンのキャップに穴が開いているのは、子どもたちのためだった
ボールペンの蓋となるキャップの先端には穴が開いています。これはここに穴がないとインクが固まってしまうからと思われている方が多いかもしれませんが違います。実はこの穴、万が一子どもが飲み込んでしまっても、窒息しないようにするためのものだったのです。
子どもの喉の気道は思ったより狭いもので、ボールペンのキャップぐらいの細いものでも十分詰まってしまいます。しかし、キャップの穴があれば空気の通る道を作ってくれるので窒息することはありません。
かつてヨーロッパではキャップを飲み込んで子どもが亡くなった事故が実際にあり、そのことを反省した文房具業界がキャップに穴を開けるようルールを定め、後に日本でも導入したというわけです。
ハインツのケチャップ瓶に刻印されている「57」の数字の部分を叩くと、中身が出やすくなる
アメリカのケチャップの有名ブランド、ハインツ。日本でも目にすることは多いです。その瓶をよく見ると「57」という数字が刻印されています。ハインツの商品パッケージによく書かれているこの数字、会社をアピールするために刻印されていると思いきや、実はある実用的な目的でつけられています。
ケチャップが詰まったりして出にくくなったという経験は誰でもあったと思います。そんなときにこの57と刻印された部分を押すと、簡単に出す事ができるのです。つまりこの刻印はケチャップを出すための目印というわけです。
ちなみにこの「57」という数字の由来は何かというと、ハインツの創業者が突然思いつき、頭から離れなかった数字だというだけで、特に意味はないそうです。
駅のアナウンスの性別は、電車の進行方向によって変わる
駅で到着する電車の行き先を教えてくれるアナウンス。よく聞いてみると男性の声と女性の声のものがあります。これは実は電車の進行方向によって変えているのです。
なぜこのように分けて放送しているのかというと、目の見えない人がこの声で乗っていい電車かどうかを誘導するためなのです。上下線それぞれにホームがある駅だったらわかりやすいかもしれませんが、上下線のレールに挟まれた島式のホームだと間違って乗ってしまう可能性があります。しかも両方から同時に電車が到着した際、同じ性別の声だとかぶってわかりにくくなります。そこで男女で分けることでどちらから来た電車かを判断できるようにしたというわけです。
当たり前のように聞いていたアナウンスにも優しさが込められているのです。
銀行の入り口に観葉植物が置かれているのは、強盗の身長がわかるようにするため
銀行に行くとよく入り口に観葉植物が置かれています。あれは単なるインテリアとしてあるわけではありません。
もし銀行に強盗や不審な人が来たら、体格はどうだったか、性別はどうだったか、そして身長がどれぐらいだったかなど、警察に特徴を伝えないといけません。ですが身長は身長計を使って測るとかできないのでどれぐらいか説明するのは難しい話。そこで観葉植物を目安にすると、だいたいの身長がわかるというわけです。あの観葉植物は170cmほどの高さになっているため、ちょうどいい基準となるというわけです。
ちなみに観葉植物を置くスペースがないコンビニなどでは自動ドアの170cmの高さのところにテープを貼ってたりして、独自の防衛策を取っています。
ロッテリアのドリンクのストローが赤いのは、口紅の色が目立たないようにするため
ハンバーガーチェーンのロッテリア。そこでシェイクを頼むと飲む用に赤いストローを出してくれます。他の店は別の色のものが使われていますが、なぜロッテリアだけ赤いのでしょうか?実はそこには女性のことを考えた優しい理由がありました。
それは赤いストローだと女性の口紅の跡が目立たないからです。たしかに赤以外の色では女性が飲んだ時にきれいに跡が残ってしまいます。かつてはロッテリアも別の色のストローを使っていましたが、女性のお客さんからなんとかしてほしいという要望があったため、赤いストローに変更したそうです。
たしかにこれだと女性も安心してシェイクを楽しめますね。
甲子園球場では、球を見やすくするため、季節で土を変えている
春の甲子園と夏の甲子園。よく見るとグランドの色が違うというのはご存知でしょうか?
というのも、甲子園の土は黒土と砂をブレンドして作っています。しかし、春と夏では気温や天気の違いがあるため、同じものを使っていては不都合が生じてしまいます。たとえば春は夏に比べて雨が続くことが多く、夏は逆に気温が高いため土の水分がすぐに蒸発してしまいます。そこでそれぞれブレンドの配合を変えて、季節に合わせた土を作っているのです。春は雨で水がたまらないように砂を多く含め、逆に夏は保水性を強くするため黒土を多めにしています。それぞれ色が違うのはこのブレンドの差が現れたというわけです。
路線バスが停留所に停車するとき、乗りやすいように少し傾けている
路線バスが停留所に停車してお客さんを乗り降りさせているとき、よく見ると少し傾いているのはご存知でしょうか?
これは「ニーリング」という機能で、車体を支える空気を調整することによって片側だけ車高を下げ、乗車口を歩道の高さに近づけることで、お年寄りや子ども、障がい者が楽に乗車できるというわけです。
また、前に扉がある観光バスにも同じように前だけ車高を下げる「クラウチング」という同じような機能があります。
我々が気づかないうちに、バス会社は様々な工夫で乗りやすい環境を作り出してくれていたのです。
ヤクルトの容器があの形なのは、一気に飲めないようにするため
ヤクルトの容器といえば独特のくびれ。こけしをイメージしてデザインされたあのくびれは、単に見た目の良さからつけられたものではありません。
ヤクルトは1本の容量が65ミリリットルと非常に少なく、一気に飲むと飲みごたえがなく物足りなさを感じてしまいます。そこでくびれを作って中味が一気に出ないようにすることで、少しずつ飲んでもらって満足感を得てもらおうと考えた結果、あの形になりました。
ちなみにあの容器のデザインは立体商標として認められており、他の会社が同じようなものを作ることができません。ヤクルトだけの唯一無二のデザインなのです。
カップかき氷の容器に溝があるのは、すくうときに滑らないようにするため
コンビニなどで売られているカップのかき氷。その容器はすべて側面に縦のギザギザがありますが、これは単なるデザインというわけでなく食べやすさを考えてつけられたものなのです。
かき氷は食べているとだんだんと溶けていきます。もし横が真っ平らだと、スプーンを立てようとしても溶けた氷が滑ってクルクル動いてしまい食べづらくなってしまいます。そこでギザギザを作ることで氷をひっかけて食べやすくしているというわけです。
ちなみにアイスクリームの容器にギザギザがないのは、アイスはかき氷に比べて粘り気があり、ひっかけなくても滑ることがないからです。
アメリカのカップラーメンは、日本のものより麺が短い
海外でも人気のカップヌードル。実は販売している国に合わせて日本のものと少しずつ違うものが作られていたりします。
たとえばアメリカのものは日本のものに比べて麺が短くなっています。これはアメリカの人は麺をすする習慣がないので長い麺が食べられないのと、フォークを使って食べるので、簡単に麺をすくえるようにするためだそうです。
これとは逆に麺が長くなっているのがタイで、食べごたえを考えた結果そのようになったとのこと。
またインドでは、熱いスープを苦手とする人が多いため、スープのないカップ焼きそばスタイルのものが多く売られているそう。食文化の違いがこのようなインスタントラーメンにも大きく現れているのです。
掲載日時 | 2022/2/25 18:00 |
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