「ネコ」の雑学
【聞くトリビア第20話 読む編】
ネコのザラザラの舌は、水をすくいやすくするため
ネコの舌はザラザラしており、舐められると痛いと感じることがあります。このザラザラは、獲物の肉をこそげとるのに使ったり、自分の体をグルーミングするときにクシの役目をしたりと活躍しますが、それにもまして水を飲むときに重要です。
というのもザラザラがあるおかげで、舌が水に触れた時に表面張力で引き上げることができるのだそうです。そのため、ネコは水を飲むというより、食べるようにすくうといわれます。
迷子になった猫を返してくれるという神社がある
祈願すると迷子になった猫が戻ってくる、そんな噂から「猫返し神社」と呼ばれるのは、東京都の立川にある阿豆佐味(あづさみ)天神社です。
「猫返し神社」と呼ばれるようになったきっかけは、ジャズピアニストの山下洋輔さん。飼い猫がいなくなったときに、偶然通りかかったこの神社で願掛けをしたところ、猫が戻ってきたのだとか。山下さんがエッセイに神社のことを書いたところ、噂が広まって、多くの猫好きが訪れるようになったということです。
鹿児島県にはネコを祀る猫神神社がある
猫神神社は島津家の別邸と庭園である「仙巌園(せんがんえん)」にあります。猫神神社は、島津家の第17代・義弘が、朝鮮出兵の際に7匹の猫を連れていき、猫の目の瞳孔の開き方を見て時間を推測したというエピソードに由来しています。
神社には朝鮮から生還した2匹の猫が祀られており、毎年6月10日の時の記念日には、猫の長寿祈願と供養祭が行われます。
ナイチンゲールは生涯に60匹もネコを飼った
「近代看護教育の母」と呼ばれるフローレンス・ナイチンゲールは、生涯独身を貫きましたが、その一方で猫をこよなく愛しました。生涯に飼った猫の数は60匹にのぼり、一度に17匹を飼っていたこともあるそうです。中でもミスター・ビスマルクという名前のペルシャネコを特にかわいがっていたと伝わっています。
ヘミングウェイは6本指の猫をかわいがっていた
『老人と海』『武器よさらば』などの代表作があるアメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイは、猫好きとしても知られています。
フロリダ州のキーウェストに住んでいた時、友人の船長に6本指の猫をもらいました。彼はこの猫を幸運を呼ぶものと信じて、とてもかわいがりました。
現在、当時のヘミングウェイの家は博物館となっていますが、このネコの子孫がおよそ60匹も暮らしています。
ロシアのエルミタージュ美術館には60匹以上のネコが飼われている
フランスのルーブル美術館や、アメリカのメトロポリタン美術館と並んで、世界三大美術館のひとつに数えられることもある、ロシア・サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館。その地下には60匹以上のネコが飼われています。
これらのネコは、1764年に開館当時から、美術品をねずみから守る役割を果たしてきました。猫が暮らしているスペースは普段は立ち入ることができないのですが、年に一度だけ一般に開放されるそうです。
ネコが日本に来たのは弥生時代
以前は、ネコは経典などをネズミから守るため、奈良時代から平安時代に日本に渡来したと考えられてきました。しかし、近年になって、長崎県壱岐市の遺跡から弥生時代中期頃のイエネコだと推定される骨が出土しました。
これにより、日本にネコが移入したと考えられる時期が一気に数百年さかのぼることになりました。弥生時代から穀物をネズミの害から守るため、ネコは活躍していたのかもしれません。
フランスでは、ネコがゴロゴロいう音を使ったセラピーがある
ネコは甘えているときや、リラックスしているときなどに、のどをゴロゴロと鳴らします。この音は20から50ヘルツという低い周波数なのですが、この低周波にはネコが骨折したときに治癒力を高める効果があるといわれています。
そのため、ネコのゴロゴロ音の振動を模した装置をヒトの骨の治療に利用している医療機関もあり、サッカー選手のデヴィッド・ベッカムやメジャーリーグ時代の松井秀喜もこの技術で骨折の治癒期間を短くすることができたのだそうです。
また、ネコの低周波には体の緊張をほぐす副交感神経を優位に立たせる効果もあるといわれています。
メス猫は右利き、オス猫は左利きが多い
イギリスの心理学者が発表した論文によると 大半の飼いネコには利き手(前脚)があり、メスは右手を、オスは左手を使う傾向がありました。この違いは性ホルモンに関連するものだと考えられており、人間の男性も女性と比べて左利きが多いそうです。
ちなみに、ネコの利き手の調査は、トイレを入るときや階段を降りるときにどちらから踏み出すか、また狭い穴から餌を取り出すときにどちらの手を使うかなどを観察することにより行われました。
ベルギーでは猫祭りが行われている
ベルギー西部にあるイーペルという街では、3年に一度猫祭りが行われます。イーペルは毛織物産業で知られた街だったのですが、毛織物の保管倉庫にネズミが増えたためネコを飼ったところ、今度はネコが増えすぎたため、高い塔の上からネコを投げ落として処分したという悲しい言い伝えがあります。
猫祭りはこのような痛ましい歴史を忘れないように始まったといわれており、猫に仮装した人たちが参加するパレードなどが行われます。2021年は本来なら開催の年だったのですが、コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されています。
『吾輩は猫である』の猫は、ビールで酔っ払って溺死する
夏目漱石のデビュー作『吾輩は猫である』では、物語のラストで主人公の吾輩が、人間のように前後不覚になるほど愉快な気持ちを味わいたいとビールを飲みます。その結果、酔っぱらってしまい、水がめにドボン。吾輩は最後「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい」と言って命を落とすのです。
漱石は下戸だったそうで、もしビール好きだったらこのような結末にはしなかったかもしれないですね。
猫舌でないネコもいる。
熱いものが苦手な人を「猫舌」と呼びますが、やはり一般的に熱い食べ物が苦手なネコが多いのは事実のようです。その理由として、ネコの味を感じとるための舌の器官が敏感だからとか、単純に熱いものを食べ慣れていないから、などといわれています。
昔はキャットフードがなく、熱いご飯を猫に分けてあげるのが一般的だったため、苦手な熱い食べ物を食べさせられているネコの様子から「猫舌」の言葉が生まれたのだそうです。「犬舌」でもよさそうなものですが、イヌは外で飼われていることが多く、ネコの方がより近くで熱いものを出されることが多かったからとも考えられています。
掲載日時 | 2021/8/6 18:00 |
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