ヒット曲の雑学
【聞くトリビア第19話 読む編】
『Jupiter』は、ホルストの遺言に反している
平原綾香がイギリスの作曲家ホルストの組曲『惑星』をアレンジしたヒット曲『Jupiter』は、新潟県中越地震の被災者を励ますシンボル的な歌にもなったことでも有名です。
ホルストは20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家ですが、この曲、実は彼の遺言に反したものなのです。ホルストはこの組曲の編曲やパートの割愛を禁ずるという遺言を残していました。
しかしながら、これをそのまま守ろうとすると、新たな楽器を取り入れることもできなくなるとあって、多くの音楽家は遺言を忠実に守っているわけではないのが実情です。実際、平原綾香の曲がなければ『惑星』自体を知らなかった方も多いでしょう。あの世のホルストの心中はわかりませんが、特段に戒められるようなことではないかも知れません。
平成でもっともカラオケで歌われた曲は、『ハナミズキ』。
通信カラオケ会社・第一興商が2018年に「DAM平成カラオケランキング」を発表しました。平成で最も多く歌われた曲ランキング第1位となったのは2004年に発表された一青窈の曲『ハナミズキ』でした。多くの歌手にカバーされており、世代を超えて愛されたというのが大きな要因のようです。
これに続く第2位にはMONGOL800の『小さな恋のうた』、第3位には高橋洋子の『残酷な天使のテーゼ』が入りました。平成最大のヒット曲であるSMAPの『世界に一つだけの花』は6位となっています。
また、最も多く歌われた歌手ランキングでは浜崎あゆみが第1位となっています。
YOSHIKIは太鼓の達人の『紅』が上手い
X JAPANの『紅』といえば、ライブでもおなじみの代表曲です。この曲の作詞作曲はリーダーでありドラムのYOSHIKIが担当しています。
当然、音楽番組などでは見事な演奏を披露してくれますが、ゲームではどうなのでしょうか。
実は、2015年にその謎が解明されています。YouTuberのマックスむらいと「異種格闘戦 ゲーム実況3番勝負」なる企画があり、その中で『太鼓の達人』の『紅』をプレーしています。
この曲は高難易度でも知られ、YOSHIKIもほとんどゲームはしないということでしたが、ドラマーゆえか見事なバチさばきを見せて勝利しています。オリジナルの面目躍如といったところでしょうか。
ちなみに、他2つのゲーム勝負では敗れています。
『桜坂』は田園調布にある
平成を代表するヒット曲のひとつ、福山雅治の『桜坂』。この坂、実在するというのはご存知でしょうか。
それは高級住宅街としても知られる東京都大田区田園調布。その名の通り、サクラの名所としても有名です。坂の脇には大正時代に植えられたソメイヨシノがおよそ100mほど並んでおり、春には見事な眺めとなります。
東急多摩川線沼部駅からおよそ徒歩5分という好立地なので、サクラのシーズンには舞台となったこの地を歩いてみるのもいいかも知れません。
GReeeeNの『愛唄』のジャケットはそのままラブレターに使える
GReeeeNサードシングル『愛唄』は、彼らの初のラブソングとしてリリースされました。オリコンウィークリーでも最高2位となるヒットとなりましたが、曲以外にも仕掛けがあります。
「限定スペシャル・ギフト・パッケージ盤」と銘打った初回版は、ジャケットがそのままラブレターとして使え、便箋もついていました。2007年の曲なので、限定盤は現在手に入りにくくなっていますが、当時これをプレゼントやラブレターに使った方もいたかも知れませんね。
『ワダツミの木』は、後に植物の名前になった
奄美大島出身のアーティスト・元ちとせのデビュー曲『ワダツミの木』は、オリコンシングルチャート1位となるなど話題になりました。ワダツミとは日本神話に登場する海の神のことで、そのような名前の植物は存在しませんでした。歌詞を見ても特定の植物に触れているわけではありません。
しかし、この「ワダツミノキ」は後に正式な植物の名前になります。それは2004年のこと。
彼女の出身地の奄美大島で、従来はクサミズキという植物と同一とされていたものが、実は新種であることが判明しました。そして、彼女のヒット曲にちなみ「ワダツミノキ」と命名されました。これは奄美大島の固有種で、5月中旬から下旬頃に満開となります。
Perfumeの『未来のミュージアム』のみ、アーティスト表記が違う
中田ヤスタカプロデュースのテクノポップユニットのPerfumeといえば、独特のダンスなどで根強い人気を持つアーティストです。
そのPerfumeの曲ですが、1曲だけアーティスト表記が違うものが存在します。
その曲は2013年リリースの『未来のミュージアム』。ジャケット下部を見ると真ん中の「f」の前後に「・(中黒)」が入っています。
理由は、この曲が『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』の主題歌であるためで、作者の藤子・F・不二雄にちなんだものです。ジャケットにも、3人がドラえもん調のキャラクターとして描かれています。
『butterfly』には「浮気者」という意味もある
『butterfly』という曲はいくつもありますが、近年人気なものとしては、木村カエラのものでしょうか。この曲は結婚情報誌『ゼクシィ』のCMソングにも使われ、実際の結婚式でも定番ソングのひとつに数えられます。
しかし、この「butterfly」という言葉、結婚にはあまり向きません。チョウがヒラヒラと飛び回る様子が転じて、英語では特に女性の「浮気者」という意味も持ちます。あまり女性側から使用を提案しない方がいいかも知れません。
宇多田ヒカルの『time will tell』は実在の店の名前
宇多田ヒカルの存在を世に知らしめた名曲『Automatic』、言わずと知れた名曲です。
そのシングルに収録されていた『time will tell』も、前者に比べると話題になることは少ないですが、人気のある曲のひとつです。
この曲のタイトルですが、実はニューヨークにある老舗の時計店からとられています。
彼女が母親の藤圭子とニューヨークで生活していた頃、非常に苦しい時期もあったようです。購入した高級時計を質に入れてどうにか暮らすこともあったとか。そのときの時計店が、タイトルとなっているそうです。
オリコンで1000曲目の首位獲得曲はEXILEの『道』
プロ野球史上通算○○本目の本塁打など、区切りとなる数字のものは何かとピックアップされがちです。音楽業界でもそれは同じ。オリコンランキングでもしばしば耳にするものです。
1968年1月のオリコンシングルランキング開始以来の1位作品数は、2007年2月26日づけのチャートで、1000曲の節目を迎えました。その曲はEXILEの『道』。奇しくもこの曲は卒業・旅立ちをテーマにした曲で、ちょうど1000曲目からの新しいスタートにフィットしました。
ちなみに、最初の1位の曲は黒沢明とロス・プリモスの『ラブユー東京』でした。
掲載日時 | 2021/7/30 18:00 |
---|
- 関連サイト:
- QUIZ BANG公式YouTube
クイズに関するニュースやコラムの他、
クイズ「十種競技」を毎日配信しています。
クイズ好きの方はTwitterでフォローをお願いします。
Follow @quizbang_qbik