ヒット曲の雑学
【聞くトリビア第19話 読む編】
『マツケンサンバII』の続編には、仮面ライダーと歌うバージョンがある。
松平健が歌った『マツケンサンバII』。そのユニークなダンスも話題となりヒットしました。実はその続編となる曲がいくつか発売されており、そのうちのひとつで仮面ライダーとも共演しているのです。
その曲とは、松平健が出演した2011年公開された劇場版『仮面ライダーオーズ』の主題歌『手をつなごう~マツケン×仮面ライダーサンバ~』で、主演俳優も歌で参加し、ミュージックビデオでは一緒にダンスを踊っています。
映画も、松平健がかつてドラマ『暴れん坊将軍』で演じた徳川吉宗役で出演するといった異色作で、曲とともに当時話題となりました。
『残酷な天使のテーゼ』を作詞した及川眠子(おいかわ・ねこ)は、『新世紀エヴァンゲリオン』をほとんど見ていない。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌としておなじみの『残酷な天使のテーゼ』。
作詞した及川眠子はこの曲を2時間で仕上げたということです。
その際資料としてもらったという企画書とまだ完成していない最初の2話分のビデオもほとんど見てないとのこと。しかも、それ以降もほとんど見ていないので内容も知らず、『エヴァンゲリオン』に対する思い入れも一切ないそうです。
プロデューサーからは「難しく」「哲学的に」とだけ言われ、企画書から拾い読みしたキーワード「年上の女性」「母親」「14歳の少年少女」からイメージしただけで、アニメ史に残る、稀代の名曲が生まれてしまったわけです。
2時間で作った曲でしたが、手直しをした箇所がひとつだけありました。それは、最後のフレーズ「神話になれ」。もともとは銃やナイフなどを指す「凶器」だったのですが、異常をきたした精神状態を表す「狂気」と取られかねないということで、差し替えたとか。「凶器」のままだったら、また、違った印象をもったに違いありません。
ORANGE RANGEの『花』のレコーディングで、HIROKIはキムチを食べまくっていた。
ORANGE RANGEが2004年に発売したバラード『花』。このレコーディング中、メンバーのHIROKIは歌う前に必ず大量のキムチを食べていたそうです。
というのも、キムチを食べて喉を枯らすことで、曲の雰囲気にあったハスキーな声を出せると思ったからで、結果感情豊かで切ない歌声が誕生しました。その効果があってか、『花』は泣ける曲として人気が出て、100万枚以上の大ヒットとなったのです。
秋川雅史(あきかわ・まさふみ)の『千の風になって』の元の詩を書いたのは、アメリカの主婦。
テノール歌手・秋川雅史の代表曲となった『千の風になって』。この曲はアメリカで有名な詩を作曲家の新井満(あらい・まん)が翻訳してメロディーをつけたものなのですが、詩の作者は長年誰かわかっていませんでした。
ところが、後になってアメリカ、ボルチモアで暮らしていた主婦メアリー・フライさんが作者でないかということがわかってきました。彼女が母親を亡くした友達を元気づけるために書いた詩を、知り合いが素晴らしいと思って紹介したことから全米で有名になったとのことです。
『千の風になって』のリリースは2006年、メアリーさんが亡くなったのは2004年で、残念ながら日本での大ヒットを知ることはありませんでした。
『世界に一つだけの花』は、お経からインスピレーションを受けている。
SMAP最大のヒット曲『世界に一つだけの花』。実に300万枚以上というトリプルミリオンの売上を記録しました。
実はこの曲の歌詞はお経の一種『仏説阿弥陀経』をヒントに生み出されたのです。この中に「青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光(しょうしき・しょうこう おうしき・おうこう しゃくしき・しゃっこう びゃくしき・びゃっこう)」という一節があります。これは「極楽浄土に赤、黄、青、白に色づいた美しい蓮の花が咲き乱れており、それが光を放っている」という意味なのですが、これに作詞者の槇原敬之が感銘を受け、『世界に一つだけの花』の歌詞へとつながったのだそうです。
PUFFYのヒット曲『これが私の生きる道』の曲名には、CMスポンサーだった資生堂が隠れている。
1996年にリリースされたPUFFYの曲『これが私の生きる道』は、資生堂のヘアケア製品のCMで使われ、PUFFY最大のヒット曲となりました。
タイトルに使われている3種類の漢字「私(わたし)」「生(いきる)」「道(みち)」をつなげて読み変えるとCMスポンサーである「しせいどう」とも読めるとあって、当時、話題になりました。
タイトル自体もクレイジーキャッツが歌った『これが男の生きる道』のパロディとしてつけられたそうで、作詞者の奥田民生の遊び心が感じられます。
スピッツの『ロビンソン』とは、タイの百貨店の名前。
1995年に発売され大ヒットしたスピッツの曲『ロビンソン』。このタイトルは、当時、曲の製作ノルマを強いられていたボーカルの草野マサムネがタイ旅行に行った際に目に入った「ロビンソンデパート」からつけた適当なものだったのです。
というのも、これは仮タイトルとしてつけたものだったので、後に別のタイトルを付ける予定だったのですが、結局このまま『ロビンソン』という名前になりました。
歌詞もタイトルとは全然関係ないものが作られていたのですが、正式タイトルに決まったことで、後付けで『ロビンソン・クルーソー』をイメージさせる部分を加えたそうです
『パプリカ』を歌ったFoorinのメンバーには、アニメ監督・新海誠(しんかい・まこと)の娘がいる
2019年の大ヒット曲『パプリカ』を歌った子ども5人組による音楽ユニット、Foorinの最年少メンバー・ちせ。彼女の父親は映画『君の名は。』『天気の子』を監督した新海誠なのです。
もともと、新津(にいつ)ちせという名前で子役として活動しており、映画『3月のライオン』などに出演していました。そんななか、NHKの「2020応援ソングプロジェクト」のオーディションに合格し、Foorinのメンバーとして活動することになったのです。現在も映画、ドラマ、CMなど様々な媒体に出演しており、今後の活躍が期待されます。
米津玄師の手元に入った『パプリカ』の印税収入は0円
続けて『パプリカ』のお話。米津玄師プロデュースの『パプリカ』は、2019年にレコード大賞を受賞するなど、ロングヒットとなりました。当然、売上げもかなりのものなわけで、下世話な話ですが、そうなると気になるのは印税収入。大ヒット曲となるといかほどのものか、気に掛かる人も多いことでしょう。
しかし、彼の手元に入った額は0円です。そのわけは全額「独立行政法人 日本スポーツ振興センター スポーツ振興基金」に寄付されたため。
この曲はNHKの『2020応援ソングプロジェクト』として作られたもので、リリース当初から寄付についてのアナウンスはなされていました。しかし、あまり周知されていなかったようで、ネットなどでは驚きの声があがりました。
King Gnu(キング・ヌー)の『白日(はくじつ)』のミュージックビデオが撮られたのは、バブル期に造られ、未だ完成していないホテル。
King Gnuの『白日』のミュージックビデオ。メンバーがきれいに整備されたホテルのロビーで演奏している、と一見思いますが、実は建設途中でバブルが崩壊したことから未完成のままで営業していないホテルで撮影されたのです。
撮影地は福島県いわき市にある「ヘレナ国際ホテル」という所で、現在はそのバブル期の豪華な雰囲気そのまま残っていることから、ドラマや映画の撮影施設として貸し出しを行っているとのこと。お金を払えば一般の人でも借りることができるので、興味がある方はいかがでしょうか。
『ポケットからキュンです!』を歌うひらめのもうひとつの顔は、パティシエ。
TikTokから人気が爆発した『ポケットからキュンです!』。この曲を歌うひらめは、音楽活動をしながら、パティシエとして働いているのです。
最初は趣味の弾き語りを興味本位でTikTokにアップしていったのが、その中の『ポケットからキュンです!』が注目を浴びたことで本格的に音楽活動を開始したとのこと。
ちなみに、パティシエの同僚にはまだ彼女が歌手として活動していることを公表していないそう。お店に迷惑がかかるのを気にしているのかもしれませんね。
YOASOBIの『群青』は、漫画に影響を受けて作られた。
「小説を音楽にする」をコンセプトに活動しているユニット、YOASOBI。彼らのヒット曲『群青』はある漫画に影響を受けて誕生した曲なのです。
その漫画とは「マンガ大賞2020」も受賞している山口つばさの『ブルーピリオド』で、美術大学を受験し、絵の世界へと進む主人公の苦悩や成長を描いた作品です。
『群青』はその主人公のひとつのことに没頭する姿などにインスパイアされて誕生した曲で、みんなの心を奮い立たせる応援歌となりました。
また、両作品はブルボンの「アルフォート」のCMでコラボしています。曲の原作として書かれた小説もそのホームページにあるので、一度見てみてはいかがでしょうか。
掲載日時 | 2021/7/30 18:00 |
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