よみもの|聞くトリビア(読む編)

宇宙の雑学
【聞くトリビア 読む編part.19】

宇宙飛行士は、歯を抜く訓練をする

虫歯の痛みはいくつになっても嫌なものです。もし、宇宙滞在中に虫歯になってしまったら、どうなるのでしょう?

 

宇宙空間で着る宇宙服の中は約0.3気圧に減圧されています。それを脱ぐと1気圧の状態に戻るわけですが、虫歯や治療が不十分な歯があると、通常より激しい痛みに襲われるそうです。

 

もし、歯が痛み出した場合は痛み止めを飲みます。それでも我慢できない場合は、フライトサージャンという医師の指導のもと、宇宙飛行士が歯を抜くことも想定し、そのための訓練も行うそうです。

 

なお、虫歯があると宇宙飛行士になれないともいわれますが、それは誤り。完治していれば問題ありません。

 

しかし、治療不十分を理由に、試験で落とされることもあります。事実、毛利衛さんは、それを理由に一度不合格となっています。

 

月は1つだけではない

2020年2月24日、「2020 CD3」という、数m程度の小惑星が見つかりました。その後、軌道を調べたところ、なんと地球を周回している衛星だということがわかりました。つまり、第2の月なのです。

 

しかし、この頃は既に離脱の軌道に乗っており、同年4月に地球から離れてしまいました。このような一時的にでも地球を周回する惑星を「ミニムーン」といい、これ以前にも存在しています。

 

中には人工物、「アポロ12号」を打ち上げたサターンVロケットの3段目だったこともあるそうです。

 

地球は毎年5万トンも軽くなっている

地球には1年間におよそ4万トンの宇宙空間の塵が降り注ぐといいます。しかし、それを相殺した上で、さらに5万トンも軽くなっているそうです。

 

何がそんなに減っているのかというと、大きくわければ2つあります。まずは、地球の核。

これはいってしまえば原子炉のようなものなので、エネルギーとともに質量を減らしています。それが年間でおよそ16トン。

 

もうひとつは水素とヘリウム。水素は9万5000トン、ヘリウムは1600トンほどが減少します。その理由は軽さです。水素やヘリウムは、軽すぎて重力で引き留め続けられないためです。

 

このままだといずれ地球がなくなってしまうのでは、と心配になる方もいるかも知れません。けれども、5万トンは地球の質量の10京分の1ほど、その恐れは杞憂に過ぎないでしょう。

 

アメリカ製宇宙服は手縫い

宇宙ではちょっとしたことも命に関わる大事故となります。そのため、あらゆるものは完璧でなくははなりません。特に、船外活動では宇宙飛行士を守る宇宙服にはさまざまな工夫が施されています。

 

例えば、ヘルメットが曇らないようにする冷却装置が装備されていたり、微小な隕石の衝突にも耐えられるよう頑丈さを持たせるため、生地は何層にもなっています。

 

そんな高機能な宇宙服は、実は人の手縫いで作られています。多層構造になっているため、機械でうまく縫い合わせることが難しいのです。

 

そんな丁寧に作られた宇宙服、お値段はおよそ1億円。これに生命維持装置をつければ10億円は下らないという、超高級品です。

 

ブラックホールに対し、ホワイトホールもある

黒の対義語は白。ブラックホールに対するのはもちろんホワイトホールです。

 

ブラックホールといえば、何でも吸い込む天体として知られますが、吸い込まれたものはどこへいくのでしょうか。

 

一部の研究者は、吸い込まれたものを放出する、ホワイトホールの存在を提唱しています。ブラックホールに吸い込まれたものは、ワームホールという領域を通り、ホワイトホールに至るのだそうです。

 

これらはまだ確認されていませんが、アインシュタイン方程式を解くことで存在が想定できるといいます。

 

宇宙服がオレンジなのは不時着対策

宇宙飛行士は出発の際、オレンジ色の目立つ服を着ています。宇宙では銀色の服なのに、わざわざ着替えているのはなぜでしょう。

 

その理由は機能と色。宇宙船を打ち上げたものの、緊急脱出しなければならないなどの危険なケースもあります。そういう状況のため、空気を漏らしにくい、高温・低温どちらにも耐えられる、動きやすいといった機能を持ちます。

 

色については、不時着したときのため。ヘリコプターで空中から宇宙飛行士を捜索することになりますが、オレンジは発見しやすい色なのです。

 

このように、万一のことを想定してのカラーリングが施されているというわけです。

 

宇宙日本食は36種類ある

宇宙飛行士にとっての宇宙食は、栄養補給だけではなく、娯楽として重要なものです。それもあって、一般的なものに加え、各出身国にあわせた独自のものも開発されています。

 

日本食は2019年10月25日の時点で、20社・36品目が認定されています。何でも認められるわけではなく、宇宙空間で飛び散らない、限られた設備で調理可能などの基本的な条件が欠かせません。それに加え、宇宙日本食認証基準を満たすための審査や工場視察なども必要となります。

 

その中には私たちがコンビニで見かける商品もあります。そのうちのひとつが、ホテイフーズコーポレーションのやきとり缶詰。タレ味と柚子こしょう味の2種類がJAXAから「宇宙日本食」認証を受けています。

 

今度召し上がるときには、宇宙食気分でつまんでみてはいかがでしょうか。

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