アルプス越えのナポレオンが乗っていたのは……?
【イラスト雑学part.21】
ナポレオン・ボナパルト(1769-1821)は、言わずと知れたフランス第一帝政の皇帝です。
フランス革命の混乱を治め、フランスを強国へと導いたが敗戦を機に島流しに、脱出して再び皇帝の座につくもいわゆる“百日天下”(実際には95日)で長くは続かず、最終的には病に倒れました。
と、こういうまとめ方をすると悲惨ですが、歴史の表舞台で華々しく邁進した英雄なのは間違いありません。
さて、ナポレオンの逸話として一番有名なのは「余の辞書に不可能の文字はない」の言葉でしょうか。
これについては真偽不明ですが、そのくらい自信に満ちた人物だったことは間違いないようです。
他にも、愛妻家だったとか、コーヒーを軍人に支給して広めたとか、一日三時間しか眠らなかったとか、缶詰の原型を発明したとか、英雄だけに多くがありますが…。
あの有名な、ナポレオンが乗馬しているについても、物語があります。
これも有名ですね。
「ナポレオンは背が低かったから、白馬ではなく実はラバに乗っていた」という風な話、聞いたことありませんか?
でも実は、ナポレオンの身長は168㎝前後。
当時のフランス人平均が164㎝程度とのことなので、決して低くはありません。
この絵のモデルの日(アルプス越えを行った日)に、実際ナポレオンはラバに乗っていたのは確かなようですが、それはガイドに案内されていたからで身長は関係ありません。
ではなぜ、絵では白馬に乗っているかというと、そもそもこの絵は美術目的ではなく政治的プロバガンダで、ナポレオン直々の依頼で描かれたから。
「荒馬を冷静に乗りこなす」姿を依頼されたジャック=ルイ・ダヴィッドは、ナポレオンの愛馬を元にこの絵を完成させたそうです。
絵の手前に、ハンニバルやカール大帝といった、偉大なるアルプス越えの先達の名が書かれているのも、ナポレオンの依頼だった説があるそうです。
掲載日時 | 2021/3/6 18:30 |
---|
1980年生まれ・神奈川県出身
編集プロダクション、映像制作会社勤務を経て、
2011年よりフリーランスのライター・イラストレーターとして活動。
近年は児童向け小説やコミックイラストにも携わる。
趣味はワインを飲むことと食品サンプルの収集。
クイズに関するニュースやコラムの他、
クイズ「十種競技」を毎日配信しています。
クイズ好きの方はTwitterでフォローをお願いします。
Follow @quizbang_qbik