モミジDr.のリカバリー日記第281回「経済学者②」
「日本人が唯一受賞していないノーベル賞の部門⇒経済学賞」というクイズ問題はよく見かける。が、以下のように経済学のクイズネタは山ほどあるので、ここで探ってみたい。
先週の続きのテーマ
#「経済学者のネタ」(著書などのキーワード、ノーベル経済学賞⇒経済学者の名前)
・著書『人口論』⇒(トマス・ロバート・)マルサス(英)
・著書『進歩と貧困』⇒ヘンリー・ジョージ(英)
・著書『スモール・イズ・ビューティフル』⇒(エルンスト・フリードリヒ・)シューマッハー(英)
・著書『経済学』、1970年受賞⇒ポール・サミュエルソン(米)
・著書『経済学原理』、「ケンブリッジ学派」創始者⇒アルフレッド・マーシャル(英)
・著書『厚生経済学』、効果に名を残す⇒アーサー・セシル・ピグー(英)
・著書『富の理論の数学的原理に関する研究』、独占理論を初めて展開⇒アントワーヌ・クールノー(仏)
・著書『有閑階級の理論』⇒ソースタイン・ヴェブレン(米)
・著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』⇒マックス・ウェーバー(独)
・著書『雇用・利子・貨幣の一般理論』⇒ジョン・メイナード・ケインズ(英)
・著書『大転換』、栗本慎一郎が日本に紹介⇒カール・ポランニー(洪)
・著書『金融資本論』⇒ルドルフ・ヒルファーディング(独)
・著書『社会における知識の利用』、1974年受賞⇒フリードリヒ・ハイエク(墺)
・著書『アメリカのジレンマ』、1974年受賞、妻のアルバもノーベル賞受賞⇒群ナー・ミュルダール(瑞典)
・著書『貨幣の購買力』、方程式に名を残す、ニューディール政策の立案⇒アービン・フィッシャー(米)
・著書『国民経済学原理』、「オーストリア学派」創始者⇒カール・メンガー(墺)
・著書『純粋経済学要論』、「ローザンヌ学派」創始者⇒レオン・ワルラス(瑞西)
・著書『経済成長の諸段階』、「テイクオフ」の概念を提唱⇒ウォルト・ロストー(米)
・著書『公共経済学原理』『犯罪と刑罰』、「近代刑法学の祖」⇒チェザーレ・ベッカリーア(伊)
・著書『ヒューマン・アクション』⇒ルードヴィヒ・フォン・ミーゼス(墺)
・著書『人的資本 教育を中心とした理論的・経験的分析』、1992年受賞⇒ゲーリー・ベッカー(米)
・著書『新 賢明なる投資家』、「バリュー投資の父」と呼ばれる⇒ベンジャミン・グレアム(米)
・著書『資本主義の調整と危機』、「レギュラシオン理論」を初めて提唱⇒ミシェル・アグリエッタ(仏)
・著書『金融不安定性の経済学』⇒ハイマン・ミンスキー(米)
・著書『ミクロ動機とマクロ行動』⇒トーマス・シェリング(米)
・第6代総務大臣、ダボス会議理事⇒竹中平蔵
・著書『イノベーションと起業家精神』⇒ピーター・ドラッカー(墺)
・ノイマンとの共著『ゲームの理論と経済活動』、景気研究所所長⇒オスカー・モルゲンシュテルン(独)
・著書『都市の原理』⇒ジェイン・ジェイコブズ(米)
・著書『経済学概要』⇒ウィリアム・シーニア(英)
・著書『投機バブル 根拠なき熱狂』⇒ロバート・J・シラー(米)
・著書『企業・市場・法』⇒ロナルド・H・コース(米)
・著書『資本の謎』⇒エルナンド・デ・ソト(秘)
・著書『国の競争優位』⇒マイケル・E・ポーター(米)
・著書『究極の資源2』⇒ジュリアン・サイモン(米)
・著書『格差はつくられた』⇒ポール・クルーグマン(米)
・著書『ショック・ドクトリン』⇒ナオミ・クライン(加)
・著書『革新的起業家のミクロ理論』⇒ウィリアム・J・ボーモル(米)
・著書『GDP(小さくて大きな数字)の歴史』⇒ダイアン・コイル(米)
・著書『ユーロから始まる世界経済の大崩壊』、2001年受賞⇒ジョセフ・スティグリッツ(米)
・著書『世界経済を破綻させる13の噓』⇒ハジュン・チャン(韓)
・著書『中国の土地利用』、パール・バックの最初の夫⇒ジョン・ロッシング・パック(米)
・著書『マクロ経済学』『経済原論』、ブッシュ政権下でCEA委員長⇒グレゴリー・マンキュー(米)
・著書『経済要録』、江戸の経済を大成⇒佐藤信淵
・著書『バブルの経済学』、『「超」整理法』⇒野口悠紀雄
・著書『経済倫理学序説』『虚無の構造』⇒西部邁(にしべ・すすむ)
・著書『大学で何を学ぶか』、五味川純平の著書『人間の条件』の主人公・梶のモデル⇒隅谷三喜男(すみや・みきお)
・著書『日本イデオロギー論』⇒戸坂潤
・著書『財政学大綱』、日本初のマルクス主義財政学を樹立、法政大学総長⇒大内兵衛
・著書『国家の理想』『神の国』の中で戦争を批判、東大総長⇒矢内原忠雄
・研究書『クロポトキンの社会思想の研究』⇒森戸辰男
・資材を石炭と鉄鋼に重点的に配分するという「傾斜生産方式」を提唱した経済学者⇒有沢広已
・雑誌『社会問題研究』、著書『貧乏物語』⇒河上肇
・慶応大学学長時代、軍部の圧力に負けず「早慶戦」の開催を実現、野球殿堂入りをした経済学者⇒小泉信三
・著書『日本資本主義発達史』⇒野呂栄太郎
・1980年、急死した大平正芳首相の代わりにヴェネチアサミットに参加した経済学者⇒大来佐武郎
・第1回ILO会議に日本代表として出席、「新自由主義」という経済理論を展開⇒上田貞次郎
・エリザベス1世の財政顧問、「悪貨は良貨を駆逐する」⇒トマス・グレシャム(英)
・「エルフルト綱領」を起草、著書『剰余価値学説史』、修正マルクス主義⇒カール・カウツキー(独)
・産業革命後のイギリスを称して「世界の工場」と命名、太陽の黒点と景気の循環を説明した「太陽黒点説」の提唱⇒ウィリアム・ジェヴィンズ(英)
・「労働価値説」、著書『経済学及び課税の原理』⇒デヴィッド・リカード(英)
・「イノベーション理論」、著書『景気循環論』⇒(ヨーゼフ・アロイス・)シュンペーター(墺)
・「IS・LM分析」、1972年⇒(ジョン・リチャード・)ヒックス(英)
・著書『孤立国』、「農業立地論」主張、ドイツ⇒(ヨハン・ハインリヒ・フォン・)チューネン(独)
・レオポルト1世の経済顧問、シュタールの「フロギストン説」の元となった考えを提唱⇒ヨハン・ベッヒャー(独)
・「所得における家賃の割合は低所得者ほど大きくなる」という法則⇒シュワーベの法則
・「財貨の供給はそれに対する需要を作り出す」という法則⇒セーの法則
・「限界効用逓減の法則」を第一の法則、「限界効用均等の法則」を第二法則とする法則⇒ゴッセンの法則
・「近代経済学の父」、「経済が発展すれば、産業の中心は第3次へと変化する」⇒ウィリアム・ペティ(英)
・産業を第1次、第2次、第3次と分類、著書『経済進歩の諸条件』⇒コーリン・クラーク(豪)
・アンリ・デュナンとともに第1回ノーベル平和賞受賞した経済学者⇒フレデリック・パシー(仏)
・「重農主義」、著書『経済表』⇒フランソワ・ケネー(仏)
・消費者の購買行動仮説「AIDMAの法則」を提唱した経済学者⇒ローランド・ホール(米)
・「逆説」や「産業連関表」に名を残す。1973年受賞⇒ワシリー・レオンチェフ(露)
・知的エリートの政治支配を示した「ハーベイロードの前提」を提唱⇒ロイ・ハロッド(英)
・フラーが提唱した「宇宙船地球号」を経済学に導入⇒ケネス・ボールディング(米)
・サミュエルソンが第1回を受賞した賞に名を残す、アメリカ初の理論経済学者⇒ジョン・ベイツ・クラーク(米)
・世界銀行顧問、第1回ノーベル経済学賞受賞⇒ヤン・ティンベルヘン(蘭)
・「計量経済学(エコノメトリックス)」提唱、第1回ノーベル経済学賞受賞⇒ラグナル・フリッシュ(諾)
・「デモンストレーション効果」「ラチェット効果」提唱⇒デューセンベリー(米)
・「失業率の上昇は産出高の減少につながる」⇒オーカンの法則
・「公債残高の累積が増大しても財政が破綻するとは限らない」という定理⇒ドーマーの定理
・「資本が相対的に豊富な国は資本を使う財の生産で優位に立つ」という定理⇒ヘクシャー・オリーンの定理
・「生産期間が長いために価格の変化に対して生産量が速やかに反応できない商品にみられる、価格と供給量の循環的変動」を説明する理論⇒蜘蛛の巣理論
・論文『レモンの市場』の中で「情報の非対称性」について初めて提唱。2001年受賞⇒ジョージ・アカロフ(米)
・マートン・ミラーとともに「MM理論」に名を残す。「ライフ・サイクル仮説」提唱。1985年受賞⇒フランコ・モディリアーニ(米)
・「デリバティブ理論」、ロバート・マートンとともに1997年受賞⇒マイロン・ショールズ(米)
・株における「難平買い」の理論的裏付け、2002年受賞⇒ダニエル・カーネマン(米)
・ナチス経済相、シュトレーゼマン首相の下でインフレ問題を解決し、「経済の天才」と称された人物⇒ヒャルマー・シャハト(独)
・「貨幣の供給量を物価と国民総生産額の積で割って得られる所得速度の逆数」のこと⇒マーシャルのK
・「資産選択理論」を提唱した経済学者の名前を用いた投資の理論⇒トービンのq
・「二人の消費者の無差別曲線を、2種類の消費財の元で反対向きに重ね合わせた」図表⇒エッジワースの箱型図表
・1942年に提出されたイギリスの社会保障制度に関する報告書、「ゆりかごから墓場まで」、イギリスの経済学者の名前から⇒ベヴァリッジ報告
・1964年、第1回国連貿易開発会議で提出された報告、初代事務局長の名前から⇒プレビッシュ報告
・ゲーム理論、「どのプレーヤーも相手の行動の予想ができていて、自分の行動を変える誘因を持たない状況⇒ナッシュ均衡
・別名「実質残高効果」⇒ピグー効果
・「所得水準が低下しても消費支出がそれほど低下しない現象」、「歯止め」という意味⇒ラチェット効果
・昭和24年と25年、税制改革と税制行政を中心とする報告書⇒シャウプ勧告
・「税率が上がると税収は増えるが、一定の税率を超えると逆に税収が減る」ことを示す曲線⇒ラッファー曲線
・社会資源が無駄なく配分されている状態⇒パレート最適
・「ある消費者が他の人と同じものを購入しよう」とする現象⇒バンドワゴン効果
・「他の人とは違うものを購入しよう」とする現象⇒スノップ効果
・「世帯主の所得が低いほど、それを経済的に補助するために家計構成員の有業率が高まる」という法則⇒ダグラス・有沢の法則
・アジア経済研究所初代所長、日本人初のマグサイサイ賞受賞⇒東畑
・「クズネッツの波」命名、1979年受賞⇒アーサー・ルイス(英)
・重商主義の先駆者、「レッセ・フェール・レッセ・パッセ」命名⇒ヴァンサント・デ・グールネー(仏)
・スウェーデン銀行の創立300周年を記念して「ノーベル経済学賞」の新設を提唱した、同銀行総裁⇒ペール・オースブリンク(瑞典)
・「失業率と賃金上昇率の関係」を示した曲線⇒フィリップス曲線
【今週のテーマ「経済学者②」】
社会の分野から「経済学者②」(すべて四択)
問題01 経済学者ミルトン・フリードマンが唱えたのは?
①ドローン・マネー② プレーン・マネー③ ヘリコプター・マネー④ ロケット・マネー
問題02 株の名人で、かつて「金儲けの神様」と呼ばれたのは?
①邱永漢 ② 羅貫中 ③ 霍去病 ④ 郭沫若
問題03 「経済学の巨人」ジョン・ガルブレイスが書いたベストセラーは?
①『不確実性の時代』②『ヤバい経済学』③『コモンズの管理』④『21世紀の資本』
問題04 株価指数『ダウ平均』に名を残す経済学者は?
①スティーブ・ダウ ② ジョージ・ダウ ③ ロジャー・ダウ ④ チャールズ・ダウ
問題05 「0」から「1」で表され、所得の不平等さを表す指標として知られるのは?
①ガニ係数 ② ジニ係数 ③ ダニ係数 ④ ベニ係数
問題06 旧経団連初代会長は?
①石川一郎 ② 石川次郎 ③ 石川三郎 ④ 石川四郎
問題07 1988年にノーベル経済学賞をフランス人として初めて受賞したのは?
①コレ ② ソレ ③ アレ ④ ドレ
問題08 アジア初のノーベル経済学賞受賞者は?
①サン ② シン ③ スン ④ セン
問題09 世界大恐慌後の覇権国の不在が招いた混乱を「誰の罠」という?
①トゥキディディスの罠 ② ワルラスの罠 ③ キンドルバーガーの罠 ④ ペブレンの罠
問題10 秘密資金「M資金」に名を残すGHQ経済科学局第2代局長は?
①マイルズ少将 ②マッケンジー少将 ③マッカート少将 ④ミル少将
正解【経済学者②】
問題01
③ ヘリコプター・マネー
(フリードマンは著書『資本主義と自由』や「マネタリズム」の提唱で有名。中央銀行や政府が国民に対して無条件に現金を給付する経済政策を意味する。2009年、リーマンショック後の緊急経済対策として施行された「定額給付金」が日本初のヘリコプター・マネーとされる)
問題02
① 邱永漢
(きゅう・えいかん、1960年代の日本で、金儲けの話を公然とはできなかった風潮の中、数百冊に上る著書を残した)
問題03
① 『不確実性の時代』
(ガルブレイスがノーベル経済学賞を受賞していないのは、ノーベル賞七不思議のひとつとも。『ヤバい経済学』はスティーブン・D・レヴィッド&スティーブン・J・ダブナー、『コモンズの管理』は女性初のノーベル賞受賞者エリノア・オストロムの著書。『21世紀の資本』はトマ・ピケティの著書)
問題04
④ チャールズ・ダウ
(1882年、エドワード・ジョーンズとともに「ダウ・ジョーンズ」社を設立。手書きのニュースレターをウォール街の関係者に配るところから始まり、のちの「ウォールストリート・ジャーナル」へと発展する。)
問題05
② ジニ係数
(イタリアの統計学者コッラド・ジニの名前から)
問題06
① 石川一郎
(日産化学工業、昭和電工の元社長。旧経団連は、現在「日本経済団体連合会」。「日本商工会議所」「経済同友会」と並ぶ「経済三団体」の一つ。また、会長は「財界天皇」とも呼ばれる。)
問題07
③ アレ
(モーリス・アレ。皆既日食の時の「アレ効果」で知られる。また、1987年10月の「ブラックマンデー」の到来を論文の中で予想していたことで知られる。)
問題08
④ セン
(アマルティア・セン、インドの経済学者、著書『貧困と飢饉』が有名。1998年ノーベル経済学賞を受賞)
問題09
③ キンドルバーガーの罠
(「トゥキディディスの罠」は、従来の覇権国家と台頭する新興国家が、戦争が不可避な状態にまで衝突する現象を指す)
問題10
③ マッカート少将
(ウィリアム・マッカート少将の名前の頭文字とするのが定説)
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2023/11/9 16:00 |
タグ | 経済学者 |
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