よみもの|コラム|モミジDr.のリカバリー日記
vol.274

モミジDr.のリカバリー日記第274回「夢」

先日、「睡眠」についてのコラム(第265回)を書いたが、今日は「夢」について書いてみたい。

忙しくしているときに他人が見た「夢」の話をされると嫌がる人もいる。その気持ちもわかるが、僕の場合、夢の話は嫌いではない。仕事柄、聞くことは多いし。

そして最近、自分が見た夢の話。

『〇〇の見舞いに総合病院を訪ねるシーンから夢は始まった。〇〇の病室は8階だったので、エレベーターに乗り、8階のボタンを押そうとしたのだが、うまく押し込めず、点灯もしない。

「あれっ」。

この瞬間、「またこの夢か!」と夢の中の自分は気が付いた。前にも見た夢だからだ。この先の展開も大体想像がつく。そして、想像は当たり、ボタンを何度押しても反応せず、エレベーターはどんどん加速して天に向かって上昇していく。恐怖感が増していくが、50階くらいの高さまで上昇したところで突然止まった。

と、思うと、今度は水平方向に急発進し、ジェットコースターのように地面に向かって急降下していく。地上に降りたあたりでスピードが落ちたので扉を開け、何人かで脱出した。降りたところに設置してある緊急用電話で

「K22の位置にいるのだけど、すぐに助けに来てほしい」

と電話先の相手に救援を求めた。

すると、電話先の人がこう言った。

「Kは棺桶のKですから」。』

ここで、目が覚めた。時計を見たら深夜2時22分。丑三つ時だ。寝汗をかいてしまった。夢の時間はわずかだろうが、最後の言葉が強烈だったので、しばらく眠れなくなってしまった。

エレベーターが上昇するシーンまではよく見るパターンだったのでよかったのだが。そのあとの展開は初めての感覚で、「自分は何でこんな夢を見たのだろう」と考えたりもした。

考えても仕方ないのだが、最近読んだ論文などから分析した。

その論文では、転寝などの短い睡眠の時、最近体験した出来事や嫌なことの海馬のなかから夢はチョイスされ、通常時の夢は全人生の中からチョイスされるというもの。「転寝で見る夢は悪夢が多い」という説である。そういえば、昔、夕方にチョコっと寝たときに怖い夢をみたり、金縛りのような体験をしたことがあったな、と。自分は4時間半のショートスリーパーなのだが、先ほどの夢を見た日は1930~2400まで寝てしまっており、深夜1時くらいから二度寝をしていたのだった。それで悪夢につながったのかな。と分析。

また、「夢分析」の解釈では「怖い夢=自分が死ぬ夢など」を見る場合には

逆説的な意味を持ち、「自分が大きく変わる」ことを意味するともいわれ、「宿題を忘れる夢」などは、「課題を意識し克服しようとしている」などの良い意味を持つことが多い。「悪い意味ではなさそうだ」

夢を考察するのも面白い。

 

ところで、「夢」についてのクイズネタを探ってみよう。

・「法隆寺夢殿」の屋根⇒八角形

・橋幸夫と吉永小百合のデュエット曲⇒『いつでも夢を』

・芭蕉が「夏草や兵どもが夢のあと」と詠んだお寺⇒中尊寺

・辞世の句「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」⇒松尾芭蕉

・辞世の歌「露と落ち 露と消えにし わが身かな 浪華のことは 夢のまた夢」⇒豊臣秀吉

・辞世の歌「夏の夜の 夢路はかなき 跡の名を 雲井にあげよ 山ほととぎす」⇒柴田勝家

・津本陽の「夢三部作」⇒『下天は夢か』『乾坤の夢』『夢のまた夢』

・『あなたに夢中』でデビュー⇒キャンディーズ

・『天使も夢見る』でデビュー⇒桜田淳子

・ヒット曲『夢想花』⇒円広志

・ヒット曲『夢一夜』⇒南こうせつ(『恋一夜』は工藤静香)

・ピアノ独奏曲『夢想』の作曲⇒ドビュッシー

・歌曲『夢見る人(夢路より)』の作曲⇒フォスター

・『夢見る少女じゃいられない』でデビュー⇒相川七瀬

・『老人と海』で、老人が最後に見た夢⇒ライオンの夢

・『源氏物語』最後の第54帖のタイトルは?⇒『夢の浮橋』

・メンデルゾーン、シェイクスピア、松任谷由実に共通⇒『真夏の夜の夢』

・摩耶夫人が釈迦を産む前に見た夢⇒ゾウの夢

・谷川俊太郎の詩『朝のリレー』、カムチャツカの若者が見ている夢⇒キリン

・『キムチの夢』の著者⇒吉本ばなな

・津本陽『下天は夢か』のモデルの武将⇒織田信長

・「こんな夢を見た」という書き出しの短編⇒『夢十夜』(夏目漱石)

・『戊戌夢物語』の著者、蘭学者⇒高野長英

・『夢千代日記』の脚本⇒早坂暁

・エッセイ『夢チャンネル』⇒桃井かおり

・『童夢』でSF大賞を受賞⇒大友克洋

・『金々先生栄華夢』の著者⇒恋川春町

・『椋鳥の夢』の作者⇒浜田広介

・中島敦『光と風と夢』に登場する作家⇒スティーブンソン

・『紅楼夢』の著者⇒曹雪芹

・『胡蝶の夢』の著者⇒荘子

・『荘周の夢』⇒自分のものと他人の物の区別がつかなくなること

・『アメリカの夢』『裸者と死者』の著者⇒ノーマン・メイラー

・『夢をかなえるゾウ』の著者⇒水野敬也

・映画『夢』の監督⇒黒澤明

・映画『白日夢』の監督⇒武智鉄二

・「三遊亭夢之助」という名前で落語家として活動⇒永井荷風

・ドイツ語で「夢」⇒『トロイメライ』(シューマンの『子供の情景』)

・「昨夜、私はマンダレイへ行った夢を見た」で始まる小説⇒『レベッカ』

・山口百恵の曲『乙女座宮』の歌詞で、「あなたに夢中」⇒しし座

・小野小町が夢を見て発見⇒小野川温泉

・夢の神モルフェウスに因み「モルヒネ」と命名⇒ゼルチュルナー

・美空ひばりの『東京キッド』、「夢」があるのは?⇒右のポケット

・夢の中で悪魔が奏でた音楽⇒『悪魔のトリル』(タルティーニ作曲)

・夢の中で聞いた名前がペンネーム⇒海音寺潮五郎

・代表作『夢』『眠るジプシー女』⇒アンリ・ルソー

・『アラメダ公園の日曜の午後の夢』を描いた画家⇒ディエゴ・リベラ

・『聖ウルスラの夢』を描いた画家、料理の名前⇒カルパッチョ

・1968年、『よりよきころの夢』でピュリッツァー賞受賞⇒酒井淑男

・夢の中でヘビを見て「ベンゼン環」の構造式を思いつく⇒ケクレ

・夢を見て「トロイの遺跡」を発掘⇒シュリーマン

・夢で見たインディアンの槍から「ミシン」を考案⇒エライアス・ハウ

・夢を見て「周期律表」の考案⇒メンデレーエフ

・「クロネッカーの青春の夢」で知られる数学者⇒高木貞治

・江戸いろはがるたの「京」⇒「京の夢 大阪の夢」

・和歌で「夢」「夜」「月」などの枕詞⇒ぬばたまの

・「夢うつつ」の「うつつ」とは?⇒現実のこと

・シャガールが描いたオペラ座の天井画⇒『夢の花束』

・「夢の遊民社」の代表⇒野田秀樹

・「夢の糖質」⇒トレハロース

・「夢見月」の異称⇒3月

・別名「夢の球宴」⇒オールスターゲーム

・「夢のスーパーカー」「幻のダービー馬」⇒マルゼンスキー

・「夢の超特急」と呼ばれたダービー馬⇒コダマ

・「夢の靴デザイナー」⇒フェラガモ

・原題『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』⇒『ブレードランナー』

・兄・曽我十郎の危機が迫るという夢から始まる歌舞伎十八番⇒『矢の根』

・「人偏に夢」と書いて⇒儚い(はかない)

・川柳で、「夢の中で5杯食べ~」⇒居候

・数値シミュレーションによる天気予報⇒リチャードソンの夢

などなど、次から次へ夢のネタは無尽蔵。

 

【今週のテーマ「夢」】

 

ノンジャンルの分野から「夢」

 

問題01 『乙女の愛の夢』という曲でデビューした、本名を剛田武という、漫画『ドラえもん』に登場するキャラクターは?

問題02  夢で見たことが実際に起きるのは「正夢」。では、夢と反対のことが起きるのは?

問題03 中国の想像上の動物で、「夢を食べる」と言われるのは?

問題04  赤と緑の横縞の服がトレードマークである、映画『エルム街の悪夢』シリーズに登場する殺人鬼の名前は?

問題05 『夢判断』という本の著者で、夢に対して科学のメスを入れたオーストリアの精神分析医は誰?

問題06 「色は匂へど散りぬるを」で始まる「いろは四十八文字」の歌で、最後に見た夢はどんな夢?

問題07 栄枯盛衰はまことにはかないものだということを、中国のある土地の名前から「何の夢」という?

問題08  縁起の良い初夢。「一富士、二鷹、三茄子」、その次は?

問題09 唐の玄宗皇帝の夢に現れ邪気を払ったという、端午の節句に飾る髭面の魔除けの神といえば?

問題10 自身の見た夢の内容を綴った安部公房の17編からなる短編集を何という?

 

正解【夢】

 

問題01 ジャイアン(1964年6月15日生まれ、妹は「ジャイ子」。担当声優は過去3人で、肝付兼太、たてかべ和也、木村昴。歌声は人を気絶させるほどひどいもので、半強制的に近くの空き地で行う「ジャイアンリサイタル」は有名。しかし、映画『ドラえもん のび太の南海大冒険』に登場したベティはジャイアンの歌を絶賛している。)

問題02  逆夢(さかゆめ、「白昼夢」は真昼にみる夢、または非現実の中に逃避すること、「明晰夢」とは、夢を見ている自覚のある夢)

問題03 獏(ばく、悪夢を見た後、「この夢を獏にあげます」と唱えると、同じ悪夢を見ずに済むという。『本草綱目』にもひかれている白居易の書物によると「鼻はゾウ、目はサイ、尾はウシ、脚はトラに似ているという。)

問題04 フレディ(・クルーガー、演じた俳優はロバート・イングランド(初代)、ジャッキー・アール・ヘイリー(2代目)。他の殺人鬼としては『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズ、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイス、『チャイルド・プレイ』のチャッキー、『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズ、『スクリーム』のゴーストフェイス、『ソウ』のジグソウ・キラー)

問題05 ジークムント・フロイト(フライベルク出身(現在はチェコ・プシーボル)、パリ留学の時、神経学者のシャルコーに催眠療法によるヒステリー治療を学ぶ。「自由連想法」を使った治療を施し、これを「精神分析」と命名。フロイトは科学にこだわり、無神論者であったため、アドラーやユング達と袂を分かつことになった。『夢判断』の他にも、ブロイアーとの共著『ヒステリー研究』、『精神分析学入門』『リビドー理論』など名著も多い。)

問題06 浅き夢(「色は匂へど 散りぬるを 我が世 誰そ常ならむ 有為の奥山 今日越へて 浅き夢みし 酔ひもせず」)

問題07 邯鄲の夢(かんたんのゆめ、「邯鄲の枕」とも。「邯鄲」は、戦国の七雄の趙の都、夢を見ていた青年の名前は「盧生(ろせい)」。出典は伝奇小説『枕中記』による。)

問題08  扇(おうぎ、1月1日の夜から2日にかけてみる夢を一般的には「初夢」という。元々は、大みそかから元旦、または2日の夜から3日という場合もあった。出典は『俚言集覧』による。「④扇⑤煙草6座頭」となっている。多くの辞典に掲載されている)

問題09 鍾馗(しょうき、玄宗皇帝が夢を見た後、「鍾馗」の絵を描かせたのは、画家の呉道玄。)

問題10 『笑う月』(新潮社発行の雑誌『波』に連載となった作品をまとめた短編集)

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いしい記念病院 副院長
森隆徳

学生時代、クイズ番組の出場経験があり、広島でクイズサークル「モミジQ楽部」を友人と立ち上げた。精神科医になり、元祖クイズドクターとしてテレビ番組への出場、自身の大会を開催するなどクイズ活動を行う傍ら、医療の中でクイズを使った活動を行い注目を集めている。

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