モミジDr.のリカバリー日記第273回「モーツァルト」
先日、とある場所で、次のようなクイズを出題した。
「綿密な手作業で知られ、世界で最も高額なピアノを製造しているイタリアのピアノメーカーで、「F308モデル」は世界で唯一「第四ペダル」を持つことで知られるのは?」
正解は「ファッツィオリ」。ある女性の解答者がいともなく正解を出した。
「イタリアのメーカーといえば、ここなので」と彼女は謙虚に答えたが、クイズのプロたちがたくさんいる中で、こういうナチュラルな正解を出せるのは本当にかっこいいな、と思う。
それに対して、100万人以上のフォロワーを有する脳科学者のA氏。
かつては「東〇王」や「ク〇ズ番組」を批判。今回は「ジャ〇ーズ」を取り上げて批判。議論が広がることを期待し、A氏なりの思考実験を行っているのであろうが、その中で一生懸命頑張っている人や応援している人たちを批判し、「芸術性を理解していない」などと揶揄するのはいかがなものか。
結果としてA氏は毎回フォロワー数を増やしているのだが、フォロワーは利用されているだけだと思う。
同じ年代としてかっこ悪いし、先ほどの女性と大違いだ。
私はこれまで1万人以上の方と(精神科医として)接し、クイズを通して「脳」や「記憶」について科学しているが、A氏の肩書の「脳科学者」という言葉すら曖昧な響きに感じられる。
「ショパン」や「ルノワール」も好きだが、「乃木坂46」「STU48」や「SnowMan」「トラビスジャパン」も好きだ。そんな私からしてみると、パフォーマンスを届けてくれる方たちはみんな同じ「癒しの存在」でしかない。
私に芸術性があるとは言えないが、芸術を知りたいと思い、努力している点においてならA氏に勝てるかもしれない。このコラムでも、この世で一人の方にでも共感していただけるなら満足なので、フォロワー数はいらない。実際に会うことはなくても、そのフォロワーの方が素晴らしい方だということは手に取るようにわかるので。(実際にお会いしている方はなおさらである。)
今日は苦手な音楽について学びたいと思う。かつて「ベートーベン」を取り上げたことがあるので、今日は「モーツァルト」をテーマとしたい。
「かつてのオーストリア最高額面5000シリングの肖像⇒モーツァルト」など、クイズでもよく登場するが、その前にネタをいくつか整理してみたい。
・モーツァルトの三大オペラ⇒『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『魔笛』
・モーツァルトの三大イタリア語オペラ⇒『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コシ・ファン・トゥッテ』
・初期のころ使ったピアノに似た幻の鍵盤楽器⇒タンゲンテン・フリューゲル
・『モーツァルトの子守歌』の作曲⇒ベルンハルト・フリース
・「私の思い出にモーツァルトの曲を弾いてください」という言葉を残した作曲家⇒フレデリック・ショパン
・モーツァルトやハイドンが少年時代在籍⇒ウィーン少年合唱団
・「浪花のモーツァルト」⇒キダ・タロー
・「現代(20世紀の)のモーツァルト」⇒アンドリュー・ロイド・ウェーバー
・「現代(19世紀の)モーツァルト」⇒メンデルスゾーン
・「シャンゼリゼのモーツァルト」⇒オッフェンバック
・「香りのモーツァルト」⇒ジャック・キャバリエ
・「モーツァルトの再来」「神童」⇒コルンゴルト
・『チベットのモーツァルト』などの著作⇒中沢新一
・アリア『もう飛ぶまいぞ、この蝶々』が登場⇒『フィガロの結婚』
・幼少期、モーツァルトがマリー・アントワネットにプロポーズした場所⇒シェーンブルン宮殿
・『コシ・ファン・トゥッテ』のデスピーナのモデル⇒フランツ・メスマー(メスメリズムの創始者)
・『魔笛』に登場する主人公タミーノに試練を与える悪魔⇒ザラストロ
・『フィガロの結婚』の台本⇒ボーマルシェ
・『フィガロの結婚』にも登場、スペインの民族舞曲⇒ファンダンゴ
・ドイツ語で「女とはみんなそうしたもの」⇒『コシ・ファン・トゥッテ』
・「三大レクイエム」⇒モーツァルト、ベルリオーズ、フォーレ
・後期ナポリ学派の作曲家、「フィナーレ構成法」はモーツァルトに多大な影響を与えた⇒ニコラ・ピッチンニ
・『コシ・ファン・トゥッテ』が初演されたオーストリアの国立劇場、モーツァルト像が建つ前には「ト音記号」を象った花壇⇒ブルク劇場
・海外では『ドン・ジョバンニ』で用いられたものが最初⇒回り舞台
・モーツァルト、ベートーベン、紫式部などのクレーターがある惑星⇒水星
・『ドン・ジョバンニ』などの作品が代表的、オペラ・セリアとオペラ・ブッファ両方の特徴⇒オペラ・セミセリア
・モーツァルトの父の名前⇒レオポルト
・ウィーン国立歌劇場のこけら落とし⇒モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』
・モーツァルトの霊と交信したといわれる指揮者⇒ブルーノ・ワルター
・モーツァルトの伝記などを翻訳、NHK「話の泉」の出演者⇒大田黒元雄
・一度聞いただけで暗唱したシスティナ礼拝堂の秘曲⇒『ミゼレーレ』
・従妹マリア・アンナ・テークラにあてた現存する卑猥な手紙⇒ベーズレ書簡
【今週のテーマ「モーツァルト」】
芸術の分野から「モーツァルト」
問題01 モーツァルトの交響曲第41番の通称と、平原綾香のデビュー曲のタイトルに共通する惑星は?
問題02 モーツァルトの曲とベートーベンの曲に共通する、ある国の名前が付いた行進曲といえば?
問題03 ミロス・フォアマン監督の映画のタイトルにも使われた、モーツァルトのミドルネームといえば?
問題04 「塩の街」という意味があり、音楽家モーツァルトの生地として知られるオーストリアの都市は?
問題05 第1番は『クラヴィアのためのメヌエット』である、モーツァルトの作品につけられている整理番号といえば?
問題06 通常よりも少ない四楽章から成るため、ドイツ語で「一つの小さな夜曲」という意味を持つ、モーツァルトの曲は?
問題07 モーツァルトの『後宮からの誘拐』がその先駆けとされる、ドイツ語で「歌芝居」という意味の喜劇を何という?
問題08 トルストイの「ソフィー」、ソクラテスの「クサンティッペ」と並び、「世界三大悪妻」として知られるモーツァルト夫人の名前は?
問題09 モーツァルトの遺作となった『レクイエム』の未完部分『ラクリモーサ』を完成させた、弟子の作曲家は誰?
問題10 モーツァルトの『フィガロの結婚』のケルビーノ役やヴェルディの『仮面舞踏会』のオスカル役などが代表的な、ドイツ語で「ズボン役」という意味がある、オペラで男装して歌う女性の役を何という?
正解【モーツァルト】
問題01 『ジュピター』(『ジュピター』を命名したのはヨハン・ペーター・ザロモン。モーツァルトの三大交響曲は第39番、第40番、第41番『ジュピター』。他に有名な交響曲としては『パリ』(第31番)、『ハフナー』(第35番)、『リンツ』(第36番)、『プラハ』(第38番)。)
問題02 『トルコ行進曲』(モーツァルトの『ピアノソナタ・イ短調』の第三楽章、ベートーベンの『アテネの廃墟』第4番)
問題03 アマデウス(映画『アマデウス』で、「モーツァルトを毒殺した」と告白する作曲家はアントニオ・サリエリ。また、モーツァルトに憧れ、自分の名前に「アマデウス」を加えたエピソードで知られる作家は、ホフマン。オッフェンバックの『ホフマン物語』で有名。)
問題04 ザルツブルク(「ザルツブルク音楽祭」も有名。モーツァルトが亡くなったのは、オーストリアのウィーン。)
問題05 ケッヘル番号(オーストリアの音楽家・植物学者ルートヴィヒ・フォン・ケッヘルによる。ケッヘル番号最後となる626番は『レクイエム』)
問題06 『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(ケッヘル番号525番、正式には『セレナード第13番ト長調』)
問題07 ジングシュピール
問題08 コンスタンツェ(旧称はコンスタンツェ・ヴェーバー。モーツァルトがかつて片思いをしたアロイジア・ヴェーバーの妹。コンスタンツェのいとこで『魔弾の射手』の作曲⇒カール・マリア・フォン・ウェーバー。コンスタンツェはモーツァルトの死後、デンマークの外交官ゲオルク・フォン・ニッセンと再婚)
問題09 フランツ・ジュスマイヤー(オペラ『アルカディアの鐘』『高貴なる復讐』などの作曲。『レクイエム』の作曲をモーツァルトに依頼したのは、フランツ・ヴァルゼック・フォン・シュトゥバッハ伯爵。)
問題10 ホーゼンローレ(他にはリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』のオクタヴィアン役など)
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2023/9/14 16:00 |
タグ | モーツァルト |
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