モミジDr.のリカバリー日記第267回「浮世絵」
昔、永谷園の「お茶漬け海苔」に同封されていた「浮世絵カード」を集めていたことがあった。
その中の一つの絵が東洲斎写楽の『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』であった。この絵に妙に興味を持ってしまい、自分なりに調べて、その図柄の人物が「二代目中村仲蔵」であることを知った。
当時の自分はよくわかっておらず、この人物は結局、大谷鬼次?中村仲蔵?
などと混乱していた。
のちにクイズの勉強をしていた時、歌舞伎役者は襲名した名跡が変わっていくことを知った。
大谷永助⇒大谷春次⇒三代目大谷鬼次⇒二代目中村仲蔵
というふうに。
写楽の有名なこの絵は、寛政六年、河原崎座で『恋女房染分手綱』を演じたときの名跡が三代目大谷鬼次であったので、このタイトルになったらしい。
ということで昔を懐かしんで、今日のテーマは「浮世絵」。
【今週のテーマ「浮世絵」】
芸術の分野から「浮世絵」
問題01 菱川師宣の代表作『見返り美人』。顔は左右どっちを向いている?
問題02 カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開するレンタルビデオ店の名称にも使われている、喜多川歌麿や東洲斎写楽らを輩出した版元の名前といえば?
問題03 作曲家ドビュッシーの代表作『交響詩「海」』の初版スコアの題材となった浮世絵『神奈川沖浪裏』を描いた浮世絵師は?
問題04 多くの浮世絵が背景に描かれていることで知られる絵画『タンギー爺さん』で知られるオランダの画家は?
問題05 安藤(歌川)広重の浮世絵『東海道五十三次』は、全部で何枚の絵から出来ている?
問題06 喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵に多くみられる、上半身を大きく描いた人物画のことを何という?
問題07 18世紀後半、鈴木春信が創始した多色刷版画のことで、絵師、彫師、刷師の分業制を確立し、浮世絵の代表的名称になったものをなんという?
問題08 江戸の浮世絵の伝統を継いだ美人画で名高い画家で、女優・朝丘雪路の父親といえば?
問題09 東洲斎写楽の役者絵のバックにみられる、雲母を混ぜた顔料で浮世絵を刷り上げたものをなんという?
問題10 西洋の遠近法や陰影法を取り入れた「光線画」と呼ばれる作風の明治期の画家で、『東京名所図』シリーズなどで知られ、「最後の浮世絵師」と呼ばれたのは誰?
正解【浮世絵】
問題01 右向き(菱川師宣は「浮世絵の祖」と呼ばれる。『見返り美人』は1948年及び1991年の「切手趣味週間」の題材に選ばれ、高い人気を誇る。図柄の女性の帯は、17世紀当時の流行であった「吉弥結び」という帯の結び方。現在は東京国立博物館蔵)
問題02 TSUTAYA(江戸時代の版元・蔦屋重三郎の苗字を使用した説もあるが、実際には違う様子)
問題03 葛飾北斎(かつしかほくさい、代表作『富嶽三十六景』『北斎漫画』。シーボルト事件の際、川原慶賀が身代わりとなった。93回も引っ越ししたという逸話が残る。娘の応為も浮世絵師。)
問題04 (フィンセント・ファン・)ゴッホ(オランダのフロート・ズンデルト出身、『タンギー爺さん』は同構図の作品が2点存在している。一つはロダン美術館所蔵。「ジャポニズム」が最も現れた作品と称されることが多い。また、背景の浮世絵は、千駄木の店「いせ辰」の版画が元になっている。タンギー爺さんのフルネームはジャン・フランソワ・タンギー。ゴッホの作品は他に『星月夜』『ひまわり』『夜のカフェテラス』など)
問題05 55枚(出発地の「日本橋」と到着地の「京師」(三条大橋)をあわせて55枚。また、『富嶽三十六景』は全部で46枚)
問題06 大首絵(おおくびえ、江戸中期の鳥居清信の漆絵が最も古い作品といわれる。また、顔だけをクローズアップした作品は「大顔絵」と呼ばれる。平安時代の「大和絵」で用いられた技法は「引目鉤鼻」)
問題07 錦絵(にしきえ、鈴木春信の死後、活躍したのは「柱絵」を得意とした磯田湖龍斎。)
問題08 伊東深水(いとうしんすい、本名・伊東一。鏑木清方門下「玄冶店派」の画家)
問題09 雲母摺(きらずり、写楽『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』など)
問題10 小林清親(こばやしきよちか、デビュー作の『東京江戸橋之真景』は日本初の洋風木版画)
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2023/8/3 12:00 |
タグ | 浮世絵 |
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