モミジ院長のリカバリー日記第98回
「複合遺産:難問編」
今週のテーマクイズは「複合遺産」。
月曜日は「マチュピチュ」「エアーズロック」「カッパドキア」など、旅行好きなら誰もが行きたい有名な観光地を中心に問題を選んだ。
それに対して、本日は目をそむけたくなるかも。世界遺産検定受験者とかクイズプレーヤーでなければ聞いたことがないものが多いと思う。
そもそも複合遺産は世界遺産全体の3%しかなく、単なる自然遺産、単なる文化遺産だけでは登録されないまれな遺産なのだ。登録基準となるⅰ~ⅹまでの10項目のうち、ⅰ~ⅵは文化遺産、ⅶ~ⅹは自然遺産の項目であるが、それぞれ一つ以上必要で両方を満たして初めて登録される。
1978年、初めて登録された世界遺産12件の中に複合遺産は含まれていない。
初めて登録された世界複合遺産は翌年の1979年「ティカル国立公園」(グアテマラ)である。グアテマラのペテン低地に広がり、階段ピラミッドなどで知られる古代マヤの大都市遺跡であるが、日本での知名度は低い。
また、アメリカ初の複合遺産であるハワイの「パパハナウモクアケア」は、何かの呪文を思わせる面白い名前で、一般の方で正確に言える人は少ないであろう。でも、クイズプレーヤーにはたまらない名称で、首都クイズの定番である「スリジャヤワルダナプラコッテ」や「バンダルスリブガワン」と同様、むしろ覚えたくなるのではないかと思う。
そんな、知名度はまだ低いが、覚えたい「複合遺産:難問編」8問にチャレンジしていただけたらと思う。
テーマ問題「世界遺産:複合遺産:難」
問題 9 1894年、ニュージーランドで最初に指定された国立公園で、北島最高峰ルアペフ山を含む三山とエメラルドグリーンの湖が絶景で、先住民マオリ族の聖地である文化的側面から複合遺産に登録されたのはどこ?
問題10 1060年以来、女人禁制となっているギリシャ北東部の山で、ギリシャ正教会の聖地として知られ、1988年に複合遺産に登録されたのはどこ?
問題11 5000年以上前に淡水魚やカメを描いたレントゲン技法の壁画があることで知られるオーストラリア北部の国立公園で、その自然美と先住民の文化的側面から複合遺産となっているのはどこ?
問題12 フランスの民俗学者マルセル・グリオールによって広く知られるようになった、マリ共和国中央に位置する500mに及ぶ断崖で、その自然美とシリウス神話を崇拝するドゴン族の文化的側面から1989年複合遺産に登録されたのはどこ?
問題13 五台山、普陀山、九華山と並ぶ「中国の四大仏教聖地」とされる中国・四川省の山で、「楽山大仏」とともに1996年の複合遺産に登録されたのはどこ?
問題14 映画『アラビアのロレンス』や『オデッセイ』などの撮影が行われたヨルダン南部にある谷で、その独特の自然景観と先史時代の壁画などの文化的側面から2011年複合遺産に登録されたのはどこ?
問題15 地中海西部パレアレス諸島に属する、現在はダンスミュージックの中心地として有名な島で、フェニキア人が建設した歴史的側面と自然の多様性から複合遺産に登録されたのはどこ?
問題16 7000年以上前の古代先住民の暮らしぶりが残された、現地で「生きる土地」という意味の名称のカナダの森林地域で、2018年カナダで初めての複合遺産に登録されたのはどこ?
正解【世界遺産:複合遺産②】
問 9 トンガリロ国立公園(ニュージーランド最高峰は南島にあるクック山)
問 10 アトス山
問 11 カカドゥ国立公園(四国の面積に匹敵する。1981年に登録後、1987年、1992年に拡張登録された。また、公園内には4つのワニ川があり、巨大なウラン鉱床がある。)
問 12 バンディアガラの断崖(ドゴン族の一部はシリウスに関する高度な知識を有し、オーパーツ的に注目されたこともある)
問 13 峨眉山(がびさん、1996年、「峨眉山と楽山大仏」として登録されている)
問 14 ワディ・ラム保護区(ワディは「枯れ川」、ラムは「高い」という意味がある)
問 15 イビサ島(別名「パーティー・アイランド」)
問 16 ピマチオウィン・アキ(ピジョン、ブラッドヴェイン、ポプラー、バーナーズの四河川の水源地。古代先住民のアニシナアベ族の暮らしぶりが残る。)
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2020/12/24 16:00 |
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