モミジ院長のリカバリー日記第49回
(続き)ようやく福澤アナからお呼びがかかったけれど、もうすでにグロッキー寸前だった。
福澤アナが僕のことを紹介してくれて、いくつか質問と返答のやり取りをしたが、上の空だった。
「なぜ、医者になろうと思ったのか」
「なぜ、精神科医になろうと思ったのか」
予想した内容はあったと思うが、朦朧としていたので、それ以上は思い出せない。長い間、立って待っていたためにおそらく脱水症状寸前だったように思う。
と、突然、問題が降り注いできた。
「医学部の卵であるドクター森には理系の問題を出しましょう」
的な言葉ののち、
問題!
「卵をゆでると水に浮かぶ」
少し考えて、違うよな、沈むよな、
と思いながら砂浜の先の
- と「×」
のパネルを見た。
問題文をもう一度確認して答えを確かめて走り出そう、
と思った瞬間、
えっと、問題文が思い出せない。
「卵をゆでると、底に沈む」
だった??
それなら、「〇」だよな。
問題文を聞いて、すぐに走り出せばよかったのに、少し考えたのがまずかった。
問題文が分からなくなってしまった。
もうイチかバチか、走っちゃえ、と思って、少し遠いほうの解答に向かっていこうとしたら、足元をとられて転びそうになった。
砂浜に先に走った人のライン(大きな溝)ができていて、「×」のほうに向かうには、ラインとラインの間にできた小高い丘を越える必要があるが、今の僕には、それすら無理だ。
頭はボーとするし、足元がぐらついて、小高い丘を越えることはできない。
できることなら、医務室のベッドに駆け込みたいぐらいだ。
そんな心境だった。
問題文の記憶もあいまいだし、どちらが正解かわからないので、とりあえず、走りやすい目の前のライン上を一気にかけ抜けることにした。
そして、目の前のパネルに飛び込んだ。
その先は
世界が「茶色」だった。
その瞬間、「ああ、終わった」
と言う感情が一気に沸き起こった。
(ところが、冷静な自分が)
今は、テレビ的にうまく飛び込まねばならない、
と考えた。
そして、思い切り飛び込んだ。
スタッフに抱えられながら、
泥にまみれて座っている敗者の最後尾に座らされた。
「僕のウルトラは終わってしまった」
(続く)
【お知らせ】
申し訳ありませんが、今週は「テーマ問題」、水曜日、金曜日の「コラム」もお休みです。次回は「7月6日(月)」の予定です。
3月9日掲載の第1回~6月26日掲載の第48回までのテーマを振り返ってみます。
3月9日~ 「麻雀」 (漫画アニメ趣味)
3月16日~ 「精神医学・心理学」 (科学)
3月23日~ 「東京五輪1964」 (スポーツ)
3月30日~ 「お菓子・スイーツ」 (グルメ・生活)
4月6日~ 「テレビドラマ」 (エンタメ)
4月13日~ 「台所・調理器具」 (グルメ・生活)
4月20日~ 「言葉」 (文学)
4月27日~ 「西洋美術」 (芸術)
5月4日~ 「島」 (地理)
5月11日~ 「都市伝説・UFO・UMA」 (漫画アニメ趣味)
5月18日~ 「推理小説」 (文学)
5月25日~ 「お金」 (社会)
6月1日~ 「お城」 (歴史)
6月8日~ 「舩」 (科学)
6月15日~ 「ファッション」 (グルメ・生活)
6月22日~ 「声優」 (漫画アニメ趣味)
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2020/6/29 16:00 |
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