プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」
『日本の野球場100選巡礼』
(久保田登志雄・彩流社)
プロ野球クイズ王・尾林の野球本書評、第20回は『日本の野球場100選巡礼』(久保田登志雄・彩流社)です。
野球ファンには「球場めぐりマニア」が一定数いまして、私も著者の久保田さんには足元にも及びませんが、地方球場での公式戦やアマチュア野球の試合は球場目当てで見に行っています。
また、それなりに野球ファンの長くやっているため、平和台球場、旧広島市民球場、川崎球場など現存しない球場も訪れたことができたのは、今となっては貴重な経験です。
その一方で、大阪球場、西宮球場、藤井寺球場などの関西の球場を訪れなかったのは悔いがのこっています。
この本を読んでつくづく感じるのは「野球場は100あれば100通りの造られ方で、けっして同じものは存在しない」ということです。
もちろん、地理的要因、周辺環境への配慮などの要因もありますが、やはり球場には製作者の思いがふんだんに込められていると感じます。
たとえば
こまちスタジアム(秋田市)→秋田の竿灯をかたどった照明塔
いわきグリーンスタジアム→レフトの奥の丘にハリウッドのような「いわきグリーンスタジアム」の看板
ぶんちゃんしまなみ球場(尾道市)→高校野球の広島県代表の強化のために甲子園と同じ広さ、造りで設計(「クローン甲子園」ともいわれます。
などです。
本来なら、もっといろいろ取り上げたいのですが、是非皆様でも確認していただければと思います。
併せて、プロ野球の珍しい記録は意外と地方球場で達成されることがありまして、これは
・コロナ禍前は、シーズン序盤の試合は地方球場で積極的に行っていたこと
・普段行わない球場なので、選手が慣れていないゆえのアクシデントが起きやすいこと
などが考えられると思います。
こちらも具体的には
・村田兆治投手(ロッテ)の通算200勝→山形県野球場
・槙原寛己投手(巨人)の完全試合→福岡ドーム(普段使わない球場として遠征扱いとします)
・古田敦也選手(ヤクルト)の通算2000安打→坊っちゃんスタジアム(松山市)
などです
また、現在の野球場は改修後の楽天モバイルパーク宮城、エスコンフィールド北海道に代表されるように「ボールパーク」と銘打って、試合を観戦するだけでなく、球場に来ること自体を楽しめる仕様になっています。
さらにその他の球場も「スタジアムグルメ」の充実や、女性のみ、子ども連れでも安心して楽しめるようになっており、昔に比べると大きく進化しています。
これからも自分のペースにはなりますが、球場を楽しみながら野球を観たいと思います。
クイズにまいります。
テーマは「野球場」です。野球場の特徴に特化した問題です。
【問題】
1 東1934年の日米野球で、澤村栄治がベーブ・ルースを三振に仕留めたエピソードから「澤村―ベーブ・ルース メモリアルスタジアム」の愛称がつけられている球場はどこでしょう?
2 釧路市民球場(ウインドヒルひがし北海道スタジアム)で開催された、2019年8月28日の日本ハム対西武戦、2022年8月23日の日本ハム対オリックス戦がいずれも途中で打ち切りコールドゲームとなった理由は何でしょう?
3 東京ドームの特別ルールで、フェアゾーンの天井に当たってボールが落ちてこなかった時の判定は何でしょう?
4 1948年8月17日、プロ野球で初めてナイターが開催されたのはどこでしょう?
5 地方球場では極めて珍しい、内外野とも天然芝が敷かれた「ドリームスタジアム」がある、山形県の都市はどこでしょう?
【正解】
1 草薙球場(静岡市)…1934年の日米野球で記録しました。それを記念して2人の像が建てられています。
2 日没のため…同球場には照明設備がないためです。ちなみにかつてのパ・リーグの規定では日没はサスペンデッドゲームでしたが、現在はコールドとなります。
3 2塁打…公式戦では2002年に松井秀喜選手(巨人)が記録しています。また、2016年の日本代表の強化試合で大谷翔平選手(日本ハム)が記録しています。
4 横浜公園平和野球場(横浜ゲーリック球場)…対戦カードは巨人対中日で、3-2で中日が勝利しました。
5 鶴岡市…アマチュアチームが強化試合を行う際に多く用いられています。
ジャンル | プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」 |
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掲載日時 | 2023/10/16 16:00 |
タグ | 尾林衡史のBBB |
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担当ジャンル:スポーツ
1973年生まれ 福岡県出身
職業 クイズ作家 株式会社キュービック所属
物心ついたころから40年来の東京ヤクルトスワローズのファン。
年間の観戦数は30試合から40試合ほど。
仕事の「クイズ」と趣味の「野球」を組み合わせた「野球クイズ」をライフワークとし
プレーヤー・イベンターともに「野球クイズ」の第一人者を自負
主な実績
①プレーヤー
『全日本プロ野球クイズ王決定戦』(2013年6月)優勝
『プロ野球マニア王決定戦』(2019年3月)優勝
②イベンター
『プロ野球12球団ファンクイズ王決定戦』(2019年5月~2020年1月)
(全12球団+各回の優勝者で日本一を争う「日本シリーズ」の全13回)開催
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