プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」
『Q上田 A古田 プロ野球で活躍する逸材とは?』
(古田敦也 上田晋也著 ポプラ新書)
プロ野球クイズ王・尾林の野球本書評、第9回は、古田敦也さんとくりぃむしちゅーの上田晋也さんの共著『Q上田 A古田 プロ野球で活躍する逸材とは?』です。
この作品は、上田さんが質問して古田さんが答える対談を文字に起こした内容で、話し言葉で書かれているため、読みながら実際に上田さんと古田さんが会話をしている様子が目に浮かびます。
特に、古田さんが面白いことを言った後の上田さんの「ブハハハハ」という独特の笑い方を文字に起こしているのはリアルに感じました。
本書を読んで感じることは
● 上田さんは野球をよく見ていること
● 古田さんは専門的な内容を素人に分かりやすく説明できること
に尽きます。
上田さんは1970年生まれですが、特に1990年以降のスター選手の特徴を非常によく把握しており、的確に古田さんにぶつけてきます。
それに対して古田さんは実際に自身が対戦した経験やプロ野球選手としての知見をもとに解答しますが、その答えが単に適切なだけでなく、素人でも理解できるよう分かりやすく説明しています。
さらに、その古田さんの答えを上田さんは自身のお笑いの世界にたとえながら、プロ野球界と芸能界の共通点、あるいは相違点を自身の芸能界での経験を交えながら話を膨らませており、そのため一気に読み進めることができました。
そして、読後の感想として
「キャッチャーとお笑いのツッコミは役割が似ている」
ということでした。
いずれも投手やボケという、クセの強い相方をうまく受け止めつつ、時には鼓舞したり交わしたりしながら、相手を盛り上げて最高の結果を引き出そうとする点です。
ちなみに上田さんは結成当初(くりぃむしちゅーの前身の海砂利水魚の最初の頃)は、ボケをやっており、本書でも時折、ボケの頃の片鱗が垣間見えるのが興味深かったです。
最後に古田さんは2007年にヤクルトの監督を退任して以降、現場復帰を果たしていませんが(2021年以降ヤクルトのキャンプ時に臨時コーチは務めていますが)、是非もう一度監督をやってもらいたいと強く願わずにいられません。
クイズにまいります。
テーマは「古田敦也」です。
【問題】
1 1989年ドラフトで古田敦也選手は2位指名でのヤクルト入団でしたが、この時の1位は誰だったでしょう?
2 1992年のオールスターゲーム第2戦で、古田敦也選手がオールスター史上初のサイクル安打を達成した球場はどこでしょう?
3 1993年に古田敦也選手が記録したシーズン日本記録「6割4分4厘」とは何の記録でしょう?
4 古田敦也選手が兼任監督に就任した2006年に名づけた「F・ブラザーズ」の3人の外国人選手は、アレックス・ラミレス、グレイグ・ラロッカと誰でしょう?
5 古田敦也選手が2005年に名誉市民に選ばれた、出身地である兵庫県の都市はどこでしょう?
【正解】
1 西村龍次…野茂英雄投手のハズレ1位でした。入団以降は古田選手とバッテリーを組み1992年、93年のリーグ優勝に貢献しました。
2 千葉マリンスタジアム…この年からロッテの本拠地として使用されています。
3 盗塁阻止率…45回企画され許したのはわずか16回でした。
4 アダム・リグス…2006年はシーズン途中から2番打者を務め、この年の「超攻撃型打線」の象徴とされました。
5 川西市…同市には古田さんの業績を紹介する「古田敦也メモリアルギャラリー」が建てられています。
ジャンル | プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」 |
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掲載日時 | 2023/7/31 16:00 |
タグ | 上田晋也 尾林衡史のBBB 古田敦也 |
担当ジャンル:スポーツ
1973年生まれ 福岡県出身
職業 クイズ作家 株式会社キュービック所属
物心ついたころから40年来の東京ヤクルトスワローズのファン。
年間の観戦数は30試合から40試合ほど。
仕事の「クイズ」と趣味の「野球」を組み合わせた「野球クイズ」をライフワークとし
プレーヤー・イベンターともに「野球クイズ」の第一人者を自負
主な実績
①プレーヤー
『全日本プロ野球クイズ王決定戦』(2013年6月)優勝
『プロ野球マニア王決定戦』(2019年3月)優勝
②イベンター
『プロ野球12球団ファンクイズ王決定戦』(2019年5月~2020年1月)
(全12球団+各回の優勝者で日本一を争う「日本シリーズ」の全13回)開催
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