プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」vol.05
『逃げてもええねん 弱くて強い男の哲学』
(坂口智隆著 ベースボールマガジン社)
プロ野球クイズ王・尾林の野球本書評、第5回は、現役時代に近鉄・オリックス・ヤクルトでプレーし2022年限りで引退した「最後の近鉄戦士」と呼ばれた坂口智隆さんの著書『逃げてもええねん』です。
ちなみにこちらの本を購入しようとしたところ、たまたま一部のみ残っていた直筆サイン入りを手に入れることができました。
坂口さんは神戸国際大学付属高校から2002年ドラフト1巡目で近鉄に入団、入団2年目に合併騒動が起きそのままオリックスに移籍、オリックスでは不動の1番センターとしてプレーし4年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなどレギュラーとして活躍します。
しかし、2015年に不振などで大幅減俸を提示されると自由契約を選択してヤクルトに移籍します。
その後ヤクルトでは2022年までプレーしましたが、著書の中で印象に残ったのが「移籍するにあたり、今までと同じことをやるのではなく、新しいスタイルを取り入れたい」と考えたという一文です。
坂口選手ほどの実績のある選手なら「良かった時に戻したい」と考えると思いきや、新しいことを取り入れて心機一転取り組めたことで、ヤクルトでその後活躍できた要因と感じました。
ヤクルトでは、チーム事情から本来の外野手以外にファーストでプレーしたり、長らくつとめた1番以外にも5番、6番などポイントゲッター的役割も果たすなど、便利屋的な使われ方もありましたが、どのような役割も不満ひとつこぼさずひたむきにこなす、応援歌の歌詞の通り「不屈の魂で 再び挑む」姿が印象的でした。
これらの坂口選手の姿勢について、著書を読むと「どのようなこともポジティブに受け入れること」「何事にも前向きにチャレンジすること」を大切にしていることを感じました。
現役晩年は故障や塩見泰隆の台頭で思うようなプレーはできませんでしたが、それでも2021年の日本シリーズでは古巣オリックスを破り日本一を達成した瞬間にグラウンドでプレーできたこと、2022年の引退試合でヒットを打てたことなど、印象に残るシーンを数多く見せてくれたことが記憶に残っています。
現在は解説者として活動していますが、是非コーチ・監督として現場に戻ってくる日を楽しみにしたいと思います。
それではクイズにまいります。
テーマは「坂口智隆」です。
【問題】
1 坂口智隆選手が中学生の頃に在籍していた野球チーム「神戸ドラゴンズ」の1年先輩にあたる、現在もNPBで現役でプレーしている選手は誰でしょう?
2 2002年のドラフト会議で坂口智隆選手は近鉄のハズレ1巡目指名でしたが、この時近鉄が最初に指名した選手は、後にヤクルトでチームメイトとなる誰だったでしょう?
3 坂口智隆選手が近鉄に入団した2003年当時近鉄の二軍打撃コーチを務めており、坂口選手を指導するも、在任中の2004年5月17日に40歳の若さで急死した人物は誰でしょう?
4 坂口智隆選手が2011年に現役時代に唯一獲得した打撃タイトルは何でしょう?
5 2022年10月3日の現役引退セレモニーでスピーチ後に花束を渡した、近鉄、オリックス、ヤクルトでともにプレーした選手は誰だったでしょう?
【正解】
1 栗山巧…著書では「はじめて会ったときこんなすげぇ中学生がいるんだ」と思ったと語っています。
2 高井雄平…2016年~21年までともにヤクルトでプレー、ヤクルト時代は坂口選手がセンター、雄平選手がライトを主に守っていました。
3 鈴木貴久…現役時代は近鉄一筋で16年プレーし、通算1226安打を記録、引退後に打撃コーチを務めるも急性気管支炎で死去しました。
4 最多安打…シーズン170安打は2度、3割は3度獲得するもタイトルはこの1回のみです。
5 近藤一樹…ヤクルト現役引退後は独立リーグの香川オリーブガイナーズで選手兼任監督を務めています。
ジャンル | プロ野球クイズ王・尾林衡史の「野球本書評」 |
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掲載日時 | 2023/7/3 16:00 |
タグ | 尾林衡史のBBB 坂口智隆 |
担当ジャンル:スポーツ
1973年生まれ 福岡県出身
職業 クイズ作家 株式会社キュービック所属
物心ついたころから40年来の東京ヤクルトスワローズのファン。
年間の観戦数は30試合から40試合ほど。
仕事の「クイズ」と趣味の「野球」を組み合わせた「野球クイズ」をライフワークとし
プレーヤー・イベンターともに「野球クイズ」の第一人者を自負
主な実績
①プレーヤー
『全日本プロ野球クイズ王決定戦』(2013年6月)優勝
『プロ野球マニア王決定戦』(2019年3月)優勝
②イベンター
『プロ野球12球団ファンクイズ王決定戦』(2019年5月~2020年1月)
(全12球団+各回の優勝者で日本一を争う「日本シリーズ」の全13回)開催
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