慶長8年(1603)に江戸幕府が開かれて以来、長きにわたって戦乱のない平和な時代が続きました。この江戸時代は、日本文化が大きく花開き、生活様式や社会秩序も成熟期を迎えた時代です。
この時代の人々の暮らしの中から、四季折々の年中行事や祭りが生まれ、洗練された美意識や生活文化が形成されました。また、寺子屋が発達し、その識字率は世界でも最高の水準に達しました。環境にやさしい循環型社会の知恵や、多くの災害を乗り越えた都市再生の活力などにも、学ぶべきものが多くあります。
現代の日本は、技術の進歩や経済の発展により、豊かな時代を謳歌していますが、反面、「心の時代」への回帰も提唱されています。日本の近未来には、食料・エネルギー・環境などの問題が山積しています。本来、日本は「モノを大切に」「人の力で」「環境にやさしく」というライフスタイルを形成してきました。その身近なルーツが、江戸の社会にあるのです。
江戸時代の優れた文化や先人たちの生活の知恵を学ぶことで、昨今見失われがちな日本の心を思い起こし、未来に役立てようという趣旨のもとで、2006年に第1回の江戸文化歴史検定が実施され、これまでに老若男女多数の方々にご受検いただきました。
これからも、次代を目指す方々の賛意と意気を受け止め、さらに多くの方々とともにこの事業を発展させてまいりたいと思います。
この検定は、一般社団法人江戸文化歴史検定協会が主催し、各方面のご協力をいただいて実施しています。