よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』
大阪で昆布だしが一般的になったのはなぜ?
【朗読】思わず耳を疑う雑学【聞くトリビア】

『ケニアでは石を食べる文化がある!?』

『赤ワインは常温で保存してはいけない!?』

 

あなたも絶対に驚く、1時間の面白雑学動画!

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

ミョウガを食べると、記憶力が良くなる

昔からの言い伝えで、「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」というものがあります。これはお釈迦様には周梨槃特(しゅりはんどく)という物忘れが激しい弟子がいて、彼が亡くなった後に建てられた墓にミョウガが生えていたというエピソードから生まれた俗説です。ただ、俗説であるため、当然科学的根拠はありません。むしろミョウガには、記憶力を向上させる効果があると言われています。

ミョウガに含まれているα-ピネンと呼ばれる、ミョウガ独特の香りと風味を生み出す成分があります。これには神経の興奮を鎮め、ストレスを和らげたり、食欲増進や発汗作用といった効果がありますが、さらにこの香りには脳を刺激し、頭をスッキリさせ活性化させるいう作用もあることが最近の研究でわかってきました。

しかし、残念ながらミョウガは独特な匂いと、根深く残る「物忘れがひどくなる」という俗説のため、あまり人気はありません。ミョウガは薬味以外にも、酢の物などで食べると美味しいので、この偏見を捨てて食べてみてはいかがでしょうか。頭がスッキリするかもしれません。

滑走路に挟まれたゴルフコースがある

タイの首都バンコクにあるゴルフ場、カンタラット・ゴルフコース。何も知らずにここを訪れた人は、きっと驚くことでしょう。というのも、このコースが飛行場の滑走路の間に挟まれているからです。

このゴルフコースがあるのはタイ第2の国際空港であるドンムアン空港で、3700メートルと3500メートルの2本の巨大滑走路の間に位置しています、両方とも現役で使われているため、ゴルフを楽しんでいるすぐ横で、次々と飛行機が離着陸するという不思議な光景を楽しむことができます。

空港内という場所柄、アップダウンが少なく、単調なコースであるため、普通にゴルフを楽しむにはあまり面白みがないかもしれません。ただ、滑走路の近くでプレイできるユニークさから、観光客も多く訪れるようです。また、このコースはタイ空軍が所有しているため料金が安く、予約がいらないのも人気の一因です。ゴルフ好きでタイに行く機会がある人には、ここでのプレーは記念になることでしょう。

ジェットコースターのコースは、ほとんどが右回り

遊園地の花形であるジェットコースター。しかし、コースをしっかり確認している人はあまりいないかもしれません。もし、遊園地に行く機会があれば、一度じっくり観察してみてください。というのも、ほとんどのジェットコースターのコースが右回りに設計されているからです。

これは心理学などで聞かれる「左回りの法則」「右回りの法則」という考え方に基づいた設計だそうです。「左回りの法則」とは、人間は無意識に左へ左へと傾く習性があり、自然と左回りに動いてしまうというものです。陸上のトラックも確かに左回りに作られています。逆に「右回りの法則」は、左回りに慣れている分、右回りに対して違和感を覚え、不安な気持ちになるというものです。ジェットコースターはスリルを楽しむアトラクションであるため、「右回りの法則」を利用し、わざと不安感を煽っているというわけです。

ちなみに、この法則はジェットコースターだけではなく、お化け屋敷にも利用されています。右回りのコースをたどることでより恐怖感を与えるという演出がなされています。逆に、メリーゴーランドのようなゆっくりと楽しむ乗り物は、安心感を与えるために左回りに設計されています。

アルコールを吹き出しながら移動する彗星がある

2014年にオーストラリアのアマチュア探検家が発見したラブジョイ彗星。2015年には太陽と地球に接近したことでも話題となりましたが、毎秒ワインボトル500本分にもなるアルコールを宇宙に放出していることでも注目を浴びました。

これはパリ天文台の研究チームが観測して明らかにしたもので、ラブジョイ彗星には21種類もの有機分子が含まれており、その中にはお酒などに含まれるエタノールも存在していたそうです。パリ天文台は、このエタノールを含んだ水が、彗星から毎秒およそ20トン放出されているとを電波望遠鏡で確認しました。彗星からアルコールが検出されたのはこれが初めてのことだそうです。

また、この彗星に含まれていた有機分子のひとつには、グリコールアルデヒドという糖類がありました。これはDNAを作る過程に関わるそうで、もしかしたら、この彗星が生命体を作る何かしらのきっかけを作っているのではないかとも考えられています。もし、この研究が進めば、人類誕生に関する重要な手がかりが発見されるかもしれません。今後の研究が期待されます。

女装したミイラが発見されている

2010年、イギリス・エセックスの博物館に展示されている古代エジプトのミイラが、実は女装した男の子であったことが、CTスキャンによる検査で判明しました。

このミイラは1878年から展示されていましたが、性別も年齢も、また、どのようにして亡くなったかもわかっていませんでした。しかし、調査を行うにつれて、さまざまな事実が明らかになってきました。ミイラは女性用の胸当てや腕輪をつけていて、女性用の服を着ていたため、当初は女性のミイラである結論付けられました。しかし、CTスキャンによる詳しい調査により、実は女の子の服を着せられた男の子であること、年齢は4歳から5歳ほどであること、死因は事故による脳内出血であることがわかってきました。

なぜ男の子が女の子の格好をしていたのか、その理由はまだわかっていません。ただ、ある地域では男の子が早死にするのを防ぐために女の子の服を着せて育てる習慣があったそうで、もしかしたら、古代エジプトにも同様の習慣があったのかもしれません。

「タコヤキ」という名前の小惑星がある

太陽の周囲を公転する惑星の一種である小惑星。探査機はやぶさが到達した「イトカワ」が特に有名ですが、中には変わった名前の星もあります。

たとえば、1991年に発見された「タコヤキ」と名付けられた小惑星。これは北海道在住の2人のアマチュア天文家によって発見されました。しばらくは名前がつけられないままでしたが、2001年に大阪で開催された「宇宙ふれあい塾」というイベントで、この小惑星に名前をつけることとなり、そこで子どもたちの意見を取り入れた結果、「タコヤキ」という名前に決まりました。

こんなユニークな名前をつけても問題はないのかと思うかもしれませんが、アルファベットで16文字以下であること、政治や軍事に関係する人物の名前をつける場合はその人の死後100年以上経過していること、宣伝目的の名前をつけないこと、といったルールさえ守れば、どのような名前をつけても良いそうです。過去には「タコヤキ」のほかにも「ゲイシャ」「トトロ」「アンパンマン」「東京ジャイアンツ」「寅さん」といった名前が小惑星につけられています。

手足が生えたヘビらしき生物の化石が発見された

「よけいなもの」という意味で使われる「蛇足」という言葉がある通り、ヘビには足がないのが当たり前ですが、かつてブラジルで4本の足を持つヘビらしき生物の化石が発見されています。

この生物には、「4本足の抱きつきヘビ」という意味の「テトラポドフィス・アンプレクトゥス」という学名がつけられました。化石自体は数十年前に発見されていましたが、あまりにも足が小さかく存在がわからなかったため、当初はただのヘビの化石とみなされていました。しかし、ポーツマス大学の研究者がこの化石を詳しく調査したところ、足と思われる部位を発見し、古代のヘビには手足があった可能性があると発表しました。

しかし、2021年、別の研究者グループが、この化石を再調査した結果、「テトラポドフィス・アンプレクトゥス」はヘビではなく、ドリコサウルスという、海に生息していたトカゲの一種だということがわかりました。

それでも、古代のヘビには手足が存在したと考える研究者も存在しているため、今後も議論が続くと予想されています。

スキンヘッドの力士もいた

大相撲の力士といえば頭のまげが特徴的です。よくよく考えると「まげが結えないほど髪の毛がない力士はどうなるんだろう」と思われるかもしれません。しかし、過去に一度もまげを結わずに活動していた力士がいました。

その力士とは、東関部屋に所属していた太閤丸(たいこうまる)です。彼は2004年に初土俵を踏んでから2012年に引退するまで、ずっとスキンヘッドで土俵にあがっていました。というのも、彼は入門前から脱毛症に悩まされており、その治療のために髪の毛を剃っていました。東関親方にスカウトされたときも、まげが結えないことを理由に入門を断るつもりでしたが、親方が治療に協力することを約束して説得を続けたことから、力士としてデビューしました。

しかし、まげがないため頭から相手力士にぶつかることが苦手で、どうしても体が引けてしまうためなかなか勝ち上がることができず、結局、幕内に上がることなく、三段目で引退してしまいました。

ところで、通常、力士が引退すると断髪式が行われますが、太閤丸の場合はそれができません。ではどうしたかというと、代わりに握手会を開催し、引退の花道を飾ったそうです。

歯を預けることができる銀行がある

皆さんは「ティースバンク」というものをご存知でしょうか。直訳すると「歯の銀行」という意味になり、その名の通り、歯を預ける施設のことです。

ここでは、親知らずや歯列矯正治療などで抜いた歯を預けて、冷凍保存してもらうことができます。そうすることで、将来事故で歯を失ったり、虫歯で歯を抜かなければならない場合に、預けた歯を返してもらい、失った場所に移植できるわけです。

保存できる期間は最長40年で、当然、預けるのに保管料がかかります。また、過去にすでに抜けている歯を預けたり、自分の歯を他の人に移植することは、感染症を引き起こす可能性があるためできません。また、預けることができるのは、傷がない健康な歯に限られます。

現在、日本では広島県のベンチャー企業がこのサービスを行っています。興味がある人は、歯医者さんで相談してみてはいかがでしょうか。

「好きな人に振られる」と言ったときに振っているものは、袖

告白された相手を振る、逆に告白して振られる、といったように、恋愛に関する話題では「振る」「振られる」といった表現がよく使われますが、果たして何を「振っている」のか、説明できる人はいるでしょうか?実はこれは、振り袖の袖を振っていることに由来します。

かつての日本では、女性から直接思いを伝えることは、はしたないと考えられていました。そこで言葉以外で意思を伝えるために、振袖の袖を使っていました。袖を左右に振ることで「好き」、前後に振ることで「嫌い」と相手に伝えていたそうです。そこから、好きでもない相手の好意を断ることを指す「振る」という言葉が生まれたと言われています。両方「振っている」ことには違いありませんが、細かいことはさておいて、次にいきましょう。

振袖を着るのは未婚の女性で、結婚すると袖の部分を短くした留袖を着るようになります。これには、結婚すれば男性に対する意思表示をする必要がなくなるため、長い袖を留めるようになったいう説があります。

魚のタチウオは、海を立って泳ぐ

塩焼きや煮付けにして食べると美味しいタチウオ。この名前は、その細長い姿が刀の一種「太刀」に似ていることに由来しているそうですが、タチウオが立って泳いでいることから名付けられたという別の説も存在しています。

タチウオは光が少ない深海に生息しており、日光がほとんど届かないため、獲物を見つけることが非常に難しいそうです。そこでタチウオは上を見上げて、わずかに届く光の中に映るかすかな影をたよりに獲物を探します。そのような環境では、普通に泳ぐよりも上向きで泳ぐほうが獲物は見つけやすくなります。そのため、タチウオは立って泳ぐようになったとされています。

また、細長い体を横にして泳ぐと、同じように影で獲物を探す他の生物に命を狙われやすくなります。立って泳ぐことで、影が見えにくくし、捕食されるリスクを減らしているという理由もあるとみられています。

タチウオの立って泳ぐ姿は水族館で見ることができますが、体が傷つきやすく飼育が難しいため、実際に展示している施設はあまり多くないそうです。

部屋の嫌なにおいを取るには、濡れたタオルを振り回すと良い

あなたは部屋のにおいに敏感なタイプでしょうか。スーパーやドラッグストアでは結構な種類の消臭剤が売られています。何か臭いような気がして消臭スプレーをあちこちに吹きかける人も少なくないでしょう。しかしその場合、消臭スプレーがなければどうしようもありません。ところが、ある簡単な方法で部屋のにおいを消すことができます。

その方法とは、水で濡らしたタオルを思い切り振り回すことです。タオルの水分がにおいを吸い取ってくれるからで、およそ5分ほど振リ回せば、ある程度のにおいを消すことができます。また、その際にタオルにアロマオイルなどを垂らしておくと、部屋が良い香りで包まれます。

もちろん部屋の換気も重要です。窓を開けて、そこに向けて扇風機などで風を送ると効果的に空気を入れ替えることができます。そのとき、同時にタオルを振り回すと、より早く消臭することができるようです。

5分は大変といえば大変ですが、タオルで簡単にできるので、消臭スプレーがないときは一度試してみてください。

サモアの飛行機料金は、体重で決まる

南太平洋の島国、サモア。2013年、この国で世界初のユニークな航空運賃制度が導入され、話題となりました。それは、乗る人の体重によって運賃が変わるというものです。

この制度では、チケットを予約する際に、自分の体重と荷物の重さを申告し、搭乗前に実際に重さを量ることで運賃が決まります。行き先にもよりますが、重さ1キログラムあたりおよそ50円から100円で計算されるそうです。この運賃制度では、体重120キログラム以下の人であれば、導入前より安くなることが多く、結構好評だったそうです。また、体重が重い人に対しては、高額な運賃を支払わないといけない代わりに、より広い座席スペースを確保した航空機を新たに発注し、より良いサービスを提供する形で不満を抑えているようです。

サモアは世界でも肥満率が非常に高い国であり、肥満に起因する糖尿病や脳卒中の患者が増加していました。平均的な成年男子の体重は90~100kgにもなるそうです。この運賃制度は、そうした健康問題の対策も兼ねているとされています。

ケニアの人は、石を食べる

ケニアでは、本来、市場に並ぶはずのない意外な物が食料品と一緒に売られています。それは何かというと「石」です。しかも、ただの石ではなく、食べられる石です。

この石は「オドワ」と呼ばれるもので、ケニアの西部で大きな塊として産出され、それを細かく砕いたものが売られています。このオドワは、妊娠中の女性が胎児のためにカルシウムや鉄分などの栄養素を補う目的で食べられており、嫌々食べている人もいれば、病みつきになって出産後も食べる人もいるそうです。

とはいえ、石であるため、硬くて簡単に食べられないのではないかと思われるかもしれませんが、良質のオドワは指で砕けるほど柔らかいため喉は通りやすいとか。また、意外にも甘くて美味しいため、妊婦でなくても食べる人もいます。そのため、オドワは常に人気商品となっており、ケニア人に欠かせないソウルフード的存在として定着しています。

ネズミも、くすぐられると笑う

体をくすぐられると笑ってしまうのは人間だけの行為かと思いきや、ネズミも同様にくすぐられると笑うことがわかっています。見た目にはわかりにくいですが、実は、人間には聞こえない高い周波数の笑い声を発しているというのです。

また、スイスのベルン大学の研究チームによると、くすぐられたネズミは耳がピンク色になり、耳の力を抜いて外側に倒すという反応を示すことが確認されました。さらに、ドイツのベルリンにあるフンボルト大学の研究では、くすぐられたネズミがジャンプする姿も観察されました。哺乳類にとってジャンプは、最大級の喜びを感じたときに見せる行動とされるため、ネズミはくすぐられることがとても嬉しいのかもしれません。

また、面白いことに、ネズミは気分によってくすぐられたときの反応が違うこともわかっています。嬉しいときにくすぐられるとよく笑いますが、悲しいときにくすぐってもあまり笑いません。

しかし、なぜネズミがくすぐられると笑うのか、そのメカニズムは明らかになっていません。その原因が解明されれば、人間の脳や行動のしくみなどを理解する手がかりになるかもしれないため、今後の研究に期待が寄せられています。

かつてクリケットの試合は、5日間かけて行われていた

イギリスでは国技として人気の球技、クリケット。現在はイギリスだけではなく、インドをはじめとする南アジアでも盛んにプレーされており、1971年からはワールドカップも開催されています。そんなクリケットですが、「テストクリケット」と呼ばれる形式の試合では、なんと5日間かけて1試合が行われます。

さすがに5日間、ずっと試合が続くわけではなく、昼食や、休憩となるティータイムの時間を含めて、1日7時間ほどのプレーが行われ、それを5日にわたって実施する形となっています。それだけ長時間行われるため、得点も500点を超えることも珍しくありません。

ただ、この形式だと時間がかかりすぎるため、時間短縮した「ワンデイクリケット」「T20(トゥエンティトゥエンティ)」という新たな形式も誕生しています。それでも、ワンデイクリケットだと1試合におよそ8時間、T20でも3時間ほどかかります。2028年のロサンゼルスオリンピックでクリケットが正式競技として実施されますが、形式はT20の予定です。

フクロウは首を一回転させることができる

動物園でフクロウを観察していると、突然首を回して真後ろに顔を向けるときがあります。何も知らないでそんな姿を見てしまうと、かなりの人が驚くのではないでしょうか。

実はフクロウは、左回りでも右回りでもそれぞれ最大270度、首を回すことができます。体の向きは変えずとも、360度を見渡せるというわけです。これは、頚椎、すなわち首の骨が多いからできる芸当です。人間には頚椎が7個しかありませんが、フクロウにはその倍、14個もあります。そのため、より柔軟に首を動かすことができるのです。

では、なぜそんなに首を回す必要があるかというと、フクロウは視野が狭いからです。人間は170度の範囲で物を見ることができますが、フクロウは110度しか見ることができません。見える範囲が狭い分、首を回すことでより広い範囲を見渡そうとしているというわけです。また、フクロウは耳の穴の高さや向きが左右で異なるため、音の聞こえ方が左右で違います。そこで、首を何度も回して音の位置を探ることで、どこから音が聞こえてくるかを正確に感知しているという理由もあります。

ジブリ映画『火垂るの墓』は、未完成の状態で公開された

スタジオジブリの名作映画のひとつ、『火垂るの墓』。1988年に『となりのトトロ』と同時上映の形で公開され、興行収入11億7千万円を記録しました。そんな『火垂るの墓』ですが、実は当初、未完成のまま公開されたというエピソードがあります。

それは、主人公の清太が野菜泥棒をして捕まるシーンなど数カ所で、色が塗られておらず、線だけの状態で上映されたというものです。これは公開までに色塗りが間に合わなかったためで、このシーンを省いて上映するという案も出ていましたが、監督の高畑勲がそれに納得せず、結局色がないまま上映されました。しかし、ほとんどの観客は、これが演出だと思い込んでいたため、特に問題とならなかったようです。

公開してからしばらくして、このシーンは完成し、後に差し替えられたものが上映されています。高畑勲はこの不祥事に対し責任を感じ、一度アニメ監督を廃業する決意をしました。しかし、宮崎駿がそれを引き止め、監督を続けることになったという裏話もあります。

我々がニンジンの皮だと思ってむいている部分は、皮ではない

普通、ニンジンを調理する前には、ピーラーや包丁を使って皮をむきますが、実はその「皮」だと思ってむいているものは、本当は皮ではありません。

ニンジンには確かに出荷前には「皮」と呼ばれる部分が存在します。ただし、正確には皮ではなく、「内鞘細胞(ないしょうさいぼう)」という薄い膜です。しかし、この膜は出荷前の処理工程ではがれ落ちてしまうため、スーパーで販売されているときは「皮」がない状態だということになります。

では、我々は調理前に何を削っているのかというと、ニンジンの身の表面です。デコボコした形を整えたり、へこんだ部分に入り込んだ土や雑菌を洗い流しやすくするために表面を削っている作業を、我々が皮をむいていると思い込んでいるわけです。

実はこの表面部分は中に比べて栄養が豊富ということで、むかずに調理したほうが効果的に栄養を取り込むことができます。へこみの泥はつまようじなどでかき出せば簡単に取り除くこともできるので、形が気にならない人は、ぜひそのまま調理してみてはいかがでしょうか。

不動産屋が水曜日に休みが多いのは、縁起担ぎ

お近くの不動産屋の定休日は毎週何曜日かご存知ですか?実は多くの不動産屋は水曜日が定休日となっています。これには縁起を担ぐための理由があるそうです。

というのも、水曜日には「水」という字が使われています。この「水」に、物を流すイメージがあり、せっかく決まりかけた契約が流れてしまうことを連想させるため、縁起が悪いとされ、休みにしているそうです。不動産業界は、1件1件の契約が非常に重要であることから、このような迷信などを重んじる傾向があり、この定休日の風習もそこから来たとされています。同様に「火事」を連想させるため、火曜日を定休日にしている不動産屋も多くあります。

また、実質的な理由として、土曜日と日曜日にお客さんが多く訪れ、その契約の整理をするため、一番離れている水曜日を休みにしやすいことや、不動産の管理会社も水曜日が休みのところが多く、それに合わせていることもあるようです。

かつて、映画を見ることができる自動販売機があった

現在はジュースだけでなく、花や冷凍食品など様々なものが買える自動販売機ですが、第二次世界大戦前の1931年には、ある変わった自動販売機が設置されています。

それはお菓子メーカーのグリコが製造した自動販売機で、普通にお菓子を販売するものではありますが、購入すると、音楽付きで映画を楽しむことができます。販売機に10銭硬貨を入れるとモノクロ映画が流れ、それを見終わるとお菓子と2銭のお釣りが出るようになっています。お店で同じお菓子を買うと10銭だったため、店で買うよりお得でした。この自動販売機は、東京の百貨店や地下鉄の駅構内に100台ほど設置され、子どもたちが行列をなしてお菓子を買うほど大きな話題を呼んでいたそうです。

ちなみに、大阪のグリコに関するミュージアム「江崎記念館」では、当時の自動販売機を再現したものが展示されており、実際に映画も見ることができます。

1900年のパリオリンピックは、5か月かけて行われた

2024年、パリで3回目のオリンピックが開催されました。パリで最初に実施されたのは1900年、ギリシャのアテネに次ぐ第2回大会でした。この大会は今とはかなり異なり、現在では全競技を2週間ほどで行いますが、第2回大会は5月14日から10月28日まで、およそ5か月にわたり行われました。

これは、このときのオリンピックが、同じ年に開催されていたパリ万博の期間に合わせて行われたからで、この大会自体も、万博の一部のスポーツイベントととらえられていました。5か月という期間は万博が開かれていた期間で、オリンピックもその間、ずっと続けられていたというわけです。

それだけの長い期間の開催だったため、競技種目や参加国は前の大会に比べて格段に増え、初めて女子選手が参加したこともあり、大会自体は盛り上がりを見せました、しかし、運営側は混乱をきたし、正確な競技数や出場選手数がはっきり記録されておらず、また、メダルの製作も間に合わなかったため、多くの選手は大会の2年後にようやくメダルを受け取ったそうです。

ヘリコプターは、エンジンが故障してもすぐに墜落しない

頭のプロペラを回して空を飛ぶヘリコプター。エンジンが止まるとプロペラが回転しなくなり、そのまま墜落するような気がしますが、実はそんなことはなく、安全に着陸できるように設計されています。

これは「オートローテーション」という仕組みによるもので、エンジンが故障すると、エンジンとメインのプロペラの接続が切り離され、空気の流れで勝手にプロペラが回転するようになります。その間に障害物のない安全な場所を探し、徐々に高度を下げて着陸することで、事故を防ぐチャンスが高まるというわけです。

このオートローテーション、当然、パイロットにとって修得が必須ですが、安全に着陸するためには速度調整や、高さを計算しながら安全な場所へ移動する技術が必要になるため、相当な訓練が必要です。

ただ、エンジンが止まるということは極めてまれなことだそうで、過去にオートローテーションで着陸したという事例もほとんどないそうです。

ネズミはそれほどチーズが好きではない

アニメなどの影響で、ネズミはチーズが大好物というイメージを持つ人は多いでしょう。『トムとジェリー』のジェリーは実においしそうに穴の開いたチーズを食べています。しかし、ネズミはチーズを食べることはあっても、実際に大好物というわけではないようです。

2015年、イギリスの国営放送BBCの番組で、ある実験が放送されました。それはチェダーチーズ、ピーナツ、ブドウの3つの食べ物のうち、ネズミはどれを好んで食べるかというもので、その結果、ピーナツを好んで食べたそうです。実際、ネズミ駆除業者はネズミをおびき寄せるエサとしてピーナツバターを使用する人も多いそうです。また、ネズミは雑食であるため、チーズやピーナツ以外にも様々なものを食べることが知られています。小型のハツカネズミは穀物や植物を、大型のドブネズミは肉を好むとされています。

ネズミがチーズ好きというイメージが広まったのは、アニメの影響もありますが、一説によると、かつてチーズは他の食べ物とは違い、箱などに保管されることなく、棚にそのまま置かれていることが多かったため、ネズミが手を出しやすく、またその様子も人間に目撃されやすかったからだと言われています。

アイヌの人は、魚のサケの皮を服の材料に使っていた

北海道の先住民族であるアイヌ民族にとって、魚のサケは、食料として非常に重宝していました。焼いて食べるのはもちろん、燻製にしたり、凍らせたりして保存食とするなど、多くの方法で利用されていました。しかし、それだけではなく、サケの皮を服や靴の材料するという、変わった利用法もあったそうです。

というのも、サケの皮はとても丈夫な素材で、風や水の侵入を防ぐことができるため、それで作った服や靴は、吹雪の多い北海道では非常に役立ったのです。また、サケのヒレは、滑り止めとして効果的ということで、靴底に使って、氷の上でも滑らないように工夫していたという使い道もありました。

ただ、靴を作るのにサケ4匹、服を作るにはそれ以上の数の皮をつぎはぎしないといけないため、これらは結構贅沢なものだったようです。

ちなみにアイヌの言葉でサケのことは「カムイチェプ」、「神の魚」という意味で呼ばれていました。それだけアイヌの人々にとって欠かせない存在だったということです。

卵の殻を使うと、服の汚れを取ることができる

白い服に目立つ汚れがつくと、とても嫌な気分になります。さらにこの汚れが頑固でなかなか取れない場合はなおさらです。そんなとき、あるものを使うと簡単に汚れが取れます。

そのあるものとは、卵の殻です。やり方は、卵の殻を粗く大きめに砕いて、ガーゼの袋などに入れます。服1枚あたり卵3個ぐらいあれば良いそうです。そして、鍋でお湯を沸かし、その中に汚れた服と卵の殻の袋を一緒に入れて30から40分煮ます。その後、改めて服を洗濯機で洗うと汚れが落ちます。

なぜ汚れが落ちるかというと、卵の殻の主成分である炭酸カルシウムのおかげです。炭酸カルシウムは熱を加えると酸化カルシウムになり、水に含まれる二酸化炭素と反応することでお湯をアルカリ性に変えてくれます。このアルカリ性のお湯が、服についた汚れを落とすのに力を発揮してくれるというわけです。

また、フライパンや鍋についたコゲなどの汚れを落としたいとき、その部分に細かく砕いた卵の殻をふりかけてスポンジでこするだけで、殻が研磨剤の役割を果たし、汚れをキレイに落としてくれます。普段はすぐに捨ててしまう卵の殻ですが、こういうときのために残しておくのも良いかもしれません。

犬が飲むビールが販売されている

2023年、ベルギーから輸入されたあるビールが日本で発売されました。その名も「SNUFFLE(スナッフル)」。一見、普通のビールにしか思えませんが、実はこれは犬専用のビールなのです。

ビールといっても、犬が飲めるようにアルコールは入っておらず、炭酸も含まれていません。ただ、大麦の麦芽エキスが使われているため、見た目はビールそっくりです。味はチキン味で苦みもなく、犬も抵抗なしに飲めるそうです。

このビールは、すでに全世界で発売されていて、100万頭以上の犬が愛飲しているとのこと。自分だけ飲むのは忍びないという飼い主が、犬と一緒に飲もうということで購入しているようです。また、食欲がない犬でも食べやすくなるということで、ドッグフードにかけるという使い方をする飼い主もいるとか。

犬を飼っている人は、このビールを使って、犬と乾杯してみるのも楽しいかもしれません。

戦後、GHQにより将棋が無くなる危機があった

太平洋戦争終了後、連合国軍は日本に対し、その軍事色を一掃する目的で、様々なものに規制をかけようとしました。柔道などの武道、『忠臣蔵』に代表される仇討ち系の歌舞伎などがその対象になったそうですが、それらに加えて将棋もターゲットになっていたと言われています。

なぜ、将棋が目の敵にされたかというと、将棋では取った相手の駒を自分の駒として使うことができます。それが捕虜の虐待を連想させ、人道に反するという、明らかな言いがかりが理由でした。

それに対して怒ったのが、当時活躍していた将棋棋士・升田幸三でした。彼は連合国軍の本部へ赴き、必死で抗議したそうです。その結果、連合国軍は根負けし、将棋に対する規制を取りやめたそうです。

しかしこの話は、升田幸三が自身の著書に記したエピソードであるため、事実かどうかは不明です。升田が連合国軍に行ったことは事実だそうですが、それ以外の部分は彼による脚色ではないかとも言われています。

大阪城の石垣の石は、コンブを使って運んだ

大阪のシンボルとして市民に愛されている大阪城。城本体もそうですが、石垣に使われている巨大な石に目を奪われる人も少なくありません。中でももっとも大きな石、「蛸石」は、高さ5.5メートル、幅11.7メートル、重さおよそ108トンとひときわ目をひきます。これらの石を見ていると、どうやってここまで運ばれてきたか、不思議に思う人も多いでしょう。実は、この石の運搬に、昆布の力が大きく関わっていました。

これらの石を運ぶとき、木で作られたソリを使っていたとされますが、そのままではなかなか動きません。そこで、大量の昆布を集めて、水に浸してぬめりを出して、ソリの下に敷くことで滑りやすくして運んだそうです。

その後、無事大阪城は完成しますが、あまりにも昆布を集めすぎたために余ってしまいました。そこで、それらの昆布を有効利用しようと、地元の商人たちがダシ取りに使うようになり、それが広まったことで大阪の昆布ダシ文化が生まれたとも言われています。関西の料理の味付けには、大阪城が大きく関わっていたというわけです。

ナマコは敵に襲われると、内臓を吐き出す

地球上で暮らす生き物は、敵に襲われそうになると当然身を守ろうとします。そのまま走って逃げたり、周囲の景色に色を似せたりと、その方法には様々なものがありますが、中には変わった方法で逃げる生き物もいます。海に生息するナマコは、敵に襲われると、なんと肛門から内臓を吐き出して敵に与えて、本体だけが逃げるという手段で身を守っています。

というのも、ナマコの内臓は無くなっても、しばらくすれば元通りになるからです。その間ナマコは、消化できないため何も食べることはできませんが、内臓がある通常の状態でも半年ぐらいはエサがなくても生きていられるため、特に問題はないようです。

また、ナマコは魚にとって強烈な毒となる物質を出すことができ、襲われたときはそれを出して敵を殺してしまうそうです。そのため、小さな水槽で魚とナマコを一緒に飼育すると、魚はすぐに死んでしまうとのこと。

海の底でゆっくり動く姿しか見ないナマコですが、我々の想像を超える変わった習性を持っているようです。

古代ギリシャの神殿には、すでに自動ドアが作られていた

ビルなどの施設の入口に必ずといっていいほど設けられている自動ドア。世界で最初に作られたのは、なんと今から2000年ほど前、古代ギリシャの時代だったそうです。

当時の技術者であったヘロンという人物が、神殿の扉に最初の自動ドアを設置しました。さすがに電気がないため、現代のようにセンサーが反応して扉が開くというものではありません。どのようになっていたかというと、祭壇の燭台に火を灯すと、装置内の空気が膨張し、その圧力がうまく作用して扉が開くという原始的なものでした。開くのにどれくらいの時間がかかったかといのうのは残念ながらわかりません。とはいえ、当時の技術を考えると非常に画期的なものでした。もちろん、閉まるときも全自動です。

また、ヘロンは初の自動販売機も発明しています。こちらは受け皿に乗せた代金のコインの重さで中から商品が出てくるという、自動ドアと同じく単純なメカニズムですが、やはり、多くの人を驚かせたようです。

都市ガスには、本来においがない

かすかなガスのニオイがしていたことでガス漏れに気づくという話はよく聞かれますが、実はこのニオイ、ガス本来のものではありません。というのも都市ガスは本来、無臭だからです。

あえてニオイがつけられているのは、ガス漏れにいち早く反応できるためです。もしニオイがついていないと、部屋に充満したとき、知らず知らずに大量に吸い込んでしまったり、火をつけて爆発させてしまう危険があります。ただ単純にニオイをつけているわけではなく、危険だと思わせるために、タマネギの腐ったようなニオイ、昔の石炭ガスのニオイなど、普段生活していてもあまりかぐことがない、不快なものをつけています。

当然、このニオイには人体に悪影響はありません。また、火で燃やすと消えるようになっています。そのため、普通にガスを使用していれば、臭さを感じることはありません。

もし、ニオイがするなと思ったら、窓や扉を大きくあけて、ガスの元栓を閉めましょう。火をつかったり、換気扇や照明のスイッチに手を触れることは、絶対してはいけません。

冷たいものを食べて頭が痛くなるのは、脳の錯覚

かき氷などの冷たいものを食べると頭がキーンとなります。この現象、「アイスクリーム頭痛」という名前がつけられており、医学的にも認められている頭痛です。なぜ、このような頭痛が起こるのか、実ははっきりとわかっていませんが、その説のひとつとして非常に面白い理由が考えられています。

その説とは、冷たいものを食べたとき、喉の神経が急激に冷やされます。それによって神経が混乱してしまい、冷たさを痛さと勘違いし、それが脳に伝わることで、頭痛が起きるというものです。すなわち、アイスクリーム頭痛は脳の錯覚が原因というわけです。

他にも、喉や口の中が冷えることから、身体を温めようと一時的に流れる血液の量が増えて、そのときに脳につながる血管が膨張することで頭痛が起きるという説もあります。現在、医学界ではこのどちらか、または両方が原因で頭痛が起こると考えられています。

では、この頭痛を防ぐにはどうしたら良いか。それは冷たいものを焦らず、ゆっくりと食べることです。そうすることで喉の冷えを抑え、神経を刺激せず、血管の膨張も防ぐことができます。

蚊に刺されたときは、冷やすとかゆくなくなる

蚊などの虫に刺されてかゆくなるのは誰もが経験したことがあるでしょう。そんなとき、刺された場所を強くかいてかゆみをごまかす人も多いと思いますが、実はこれは間違っています。強くかくことで、悪化して治りが遅くなったり、跡が残ったり、ひどい場合は傷口から感染症にかかることもあります。では、刺されたときはどうしたら良いのでしょうか。それは刺された部分を冷やすことです。

なぜ、刺されるとかゆくなるかというと、蚊などが持つ毒の成分や唾液などが皮膚に入ることで、かゆみを引き起こす物質が分泌され、皮膚に炎症を起こすからです。炎症を起こしている部分は血液が集中しています。その部分を冷やせば、血の巡りが悪くなるため、炎症も抑えられ、かゆみを和らげることができます。

たまに、刺された部分を温めると、毒素が活性化しないためにかゆみがなくなるという話もありますが、これは間違っています。温めると血行が良くなって余計にかゆくなる可能性があるため、避けたほうが良いとされています。

ワカメを食べると髪の毛が増える、という話に根拠はない

よくワカメを食べると髪の毛が増えると言われ、それを信じてワカメをたくさん食べた人もいるでしょう。しかし、実のところ、ワカメに髪の毛を増やす効果はありません。

確かにワカメは、髪の成長に必要なミネラルが豊富に含まれており、髪の毛に良い食材であることは間違いありませんが、だからといって髪の毛が増えるかどうかは別問題で、このことに関しては確たる証拠はありません。あくまで、髪にとって良い環境を整える効果があるだけです。

また、一説ではワカメを食べると白髪にならないと言われていますが、これも事実ではなく、食べても白髪が増えることはあります。というのも、白髪が増えるのは遺伝や加齢、生活習慣が大きく関わっています。すなわち、その人の体質によるものであるため、いくらワカメを食べても、白髪を防ぐのは難しいでしょう。

もちろん、ワカメが髪の毛に良いのは事実なので、食べること自体は悪くありません。しかし、ワカメに加えて、タンパク質やビタミンを豊富に含んだ食材をバランスよく食べることが大事です。そうすれば髪の毛の悩みも解消できるかもしれません。

モンゴルには「名前がない」という意味の名前がある

我々が持つ名前にはそれぞれ、色々な意味が込められています。しかし、モンゴルには「何でそんな意味?」と思わざるを得ない名前を持つ人がいます。

たとえば、「ネルグイ」という名前。「ネル」は「名前」、「グイ」は「無い」という意味で、すなわち「ネルグイ」は「名前が無い、名無し」という意味になります。この名前、親が名付けるのが面倒だったというわけではなく、ある理由があってのことです。

モンゴルでは病気や災いをもたらす悪い鬼がいると伝えられ、子どもを襲うと考えられていました。そんな鬼から子どもを守るため、名前を知られないように名付けられたのが「ネルグイ」というわけです。

同様に、「これではない」という意味の「エネビシ」、「誰でもない」という意味の「ヘンチビシ」、さらには「人間でない」という意味の「フンビシ」という名を持つ人がモンゴルにはいますが、これも鬼から子どもを守りたいという親の思いから名付けられたものです。いずれも一見奇妙な名前ではありますが、実は親の愛が込められた深い意味があったのです。

日本では、赤ワインは常温で保存すべきではない

赤ワインは白ワインと違って常温で保存しておくとよい、そう聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、それは必ずしも正しくありません。場合によっては赤ワインを冷蔵庫に入れて冷やして保存したほうが良いこともあります。

というのも、赤ワインを常温で保存したほうが良いという話は、海外の気候を基準としたもので、本来、未開封赤ワインは室温が12℃から15℃、湿度が70パーセントから75パーセントの環境で保存することが理想とされています。しかし、高温多湿の日本では、夏場だと室温、湿度がともにその基準を超えてしまう日も多いため、そんな環境で赤ワインを保存すると、品質が悪化してしまいます。

ただ、冷やしすぎてもそれはそれで劣化させてしまうため、適度に冷やすことが重要です。暑いなと思ったら、数時間だけ冷蔵庫に入れる程度でちょうど良いとのこと。もちろん、ワインセラーがあるなら、そこに保管するのがベストです。

当然、直射日光は避けて日陰に置くことも重要です。ワインは繊細な飲み物なので、取り扱いには注意しましょう。

北海道には、かつて3つの県があった

日本には現在47の都道府県があります。これは1871年(明治4年)に行われた廃藩置県により、各地にあった藩が廃止、新たに「府」と「県」が設置され、それが統合や再編を繰り返すことで、現在の数になりました。その過程には様々な紆余曲折があったらしく、なんと北海道にも3つの県が存在した時代がありました。

その3つの県とは、「札幌県」「函館県」「根室県」で、1882年(明治15年)に設置されています。それぞれ北海道を開拓するにあたり重要拠点とみなされ、それぞれに権限を与えて、開拓を推し進めていました。

しかし、この形で北海道を統治するのは合理的ではないと国が判断したため、3つの県はわずか4年で廃止され、その後、新しく北海道庁が誕生し、現在の体制につながっていきます。

ちなみに、廃藩置県の際、江差町や松前町などがある北海道南西部は、一時的に青森の一部として管轄されていた時代がありました。しかし、当時は電話もなく、海を隔てた地域の管轄は非常に困難だったため、わずか1年で北海道に戻されています。

かつてのメジャーリーグでは、フォアボールではなく、ナインボールで進塁した

野球のルールでは、ピッチャーが投げた球が4回ストライクゾーンから外れると、フォアボールとしてバッターは1塁に進塁できます。しかし、野球が生まれて間もない1870年代、フォアボールではなく「ナインボール」、すなわち9回、球が外れないとバッターは進塁できませんでした。

当時の野球は現在のものと違い、バッターがピッチャーの投げるコースを指定、ピッチャーはその通りに投げ、それをバッターが打つまでその人の打席が続くというルールで行われていました。しかし、それでは時間がかかるということで、1870年代後半に3ストライクバッターアウト、ナインボールで進塁のルールが導入されました。しかし、このルールだとピッチャーがあまりにも有利だということで、1880年にエイトボールで進塁に変更されました。

しかし、それでもまだ有利だということで、1882年にはセブンボール、1884年にはシックスボールと毎年のように変更され、1889年にようやく、現在のフォアボールが採用されるようになりました。

実は1971年に1度、スリーボールで進塁できるルールを導入する話もありましたが、実際に試してみると、逆にバッターの進塁が増えすぎて時間短縮にならなかったため、結果としてフォアボールのルールが引き続き採用されました。

ヒラメやカレイの目の位置は、成長につれて移動する

「左ヒラメに右カレイ」という言葉の通り、ヒラメは体の左側、カレイは体の右側に両目があります。しかし、ヒラメとカレイはどちらとも生まれたときは、目がちゃんと体の両側に位置しています。それが成長にしたがって片側に寄っていっているのです。

実はヒラメもカレイも生まれたときは、普通の魚と同じ姿をしています。それが海の底で生活することで次第に平べったくなり、それにともなって目がどんどん移動していくわけです。

なぜ、そのような移動が起こるか、その謎は長年解明されていませんでした。しかし、最近の研究により、カレイとヒラメは脳全体がねじれていることがわかったため、そのねじれが目の位置のずれを生み出しているのではないかと考えられています。

成長につれて目がずれていくと生活が大変だと思われるかもしれませんが、海底にへばりついて過ごすヒラメやカレイにとって、目が寄って体の上の面についていることは、外敵を発見しやすいということで利点もあるようです。

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