あやかし、もののけ、ホントにいるの?
~百鬼夜行・あやかし達の大パレード~
地球・あやかし紀行
不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。
今回は“あやかしさん”がまとめてズラリ!あやかしパレード「百鬼夜行」です。
「百鬼夜行」は古くは平安時代の書物にも記されている幽霊、妖怪、付喪神などが集まり夜中に列をなし練り歩くという、アミューズメントの賑やかしアトラクションではなく正真正銘のあやかしパレードです。「百鬼夜行」に遭遇したものは死んでしまう、妖怪に連れ去られる、災難や病気にみまわれるなどと恐れられていました。
百鬼夜行の意味を調べてみると、妖怪が集まり深夜行列になって歩くこと以外に「悪党や奇妙な人々が徒党を組んで、奇行や悪事を働きながら大騒ぎすること」ともあり、悪しき者たちの横行も妖怪にたとえられています。妖怪であれ人間であれ、どちらにせよ遭遇したくない一団です。
百鬼夜行は夏の風物詩(?)と思いきや、実は夏に限らすマンスリー開催されていて、古い書物の中にはそのスケジュールも記されています。
1、2月は子(ね)日。3、4月は午(うま)日。5、6月は巳(み)日。7、8月 戌(いぬ)日。9、10月は未(ひつじ)日。11、12月は辰(たつ)日です。
最も有名な出現場所は京都。当時の平安京の最北端や大内裏の裏鬼門の辻、東山の六道の辻、羅生門付近などです。平安時代は都の北に死者を葬る風習があり、北は異界と考えられていたため異界の者が生者と死者と境界線を越え病や災いといった不幸をもたらしに来ると信じられていたのです。
もちろん、京の都だけでなく全国に出現します。殆どが鬼門である北東ある寂しい場所やその付近の道が交差する“辻”に百鬼夜行は現れるとされています。
辻とは道が交差する場所。一般的には“四つ辻”といい十字路を指しますが、三叉路やスクランブル交差点のような複数の道がぶつかり合う場所も一種の“辻”です。
道が重なる“辻”は様々な地域から多くの人が通り過ぎ、それぞれの想いや感情も行き交う場所です。また、日没や日の出の瞬間は異世界に繋がり時間軸を超え亡き人に会える、死者が想いを伝える場所として占いやまじないにも深く関わっていました。そのため、“辻”にはあの世とこの世、異世界に纏わる伝承も多いのです。
昔の人は百鬼夜行が出現する日は、早めに帰宅しシッカリ扉を閉め、夜は外出しなかったといいます。とはいえ、そう上手くはいかない事もあります。深夜、もしも百鬼夜行に出くわしてしまったら夜明けまで念仏を唱えたり、「カタシハヤ エカセニクリニ タメルサケ、テエヒ アシエヒ ワレシコニケリ」という呪文で百鬼夜行による被害を防げると言われていました。呪文は「自分は酔っちゃって~あれぇ~ダメだなぁ」的な意味合いで酔っ払いのフリをして妖怪たちの注意をそらす作戦のようですが、果たして妖怪たちが酔っ払い(しかもフリ)という子供騙しのような手が通じるかどうか…
遥か昔から続くあやかし達の大パレード「百鬼夜行」。もちろん現代も私たちには見えない、感じないだけで秘かに続いているはずです。銀座や渋谷など大都市のスクランブル交差点にも現れるとの噂もあります。百鬼夜行を観ようと思うなら、古の“百鬼夜行スケジュール”を参考に怪しげな辻へ!一応ダメ元で「カセニクリニ タメルサケ…」の呪文も覚えておいてもいいかもしれません。
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2023/10/13 16:00 |
タグ | 妖怪 |
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