よみもの|聞くトリビア(読む編)

幽霊に足がないのはどうして?
【朗読】明日の元気につながる雑学【聞くトリビア】

どんどん暑くなって、夏バテ気味なこの季節。

聞くだけで元気になれるような雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

左ヒラメに右カレイは日本だけの常識

ヒラメとカレイ。よく似た姿で一見どちらか悩みますが、左ヒラメに右カレイと思って判断する人も多いかと思います。けれど、それは日本海域で漁獲され、一般的に魚売り場で多く売られているヒラメやカレイの場合です。日本産でありながらヌマガレイは目が左に、ボウズガレイは左右の区別がないというものもあります。さらには、アメリカやアラスカ、西海岸では日本の常識と反対の“右ヒラメや左カレイ”が半数近く漁獲され食卓に上がっています。

では、どうやって見分けるか?といえば、それはヒラメとカレイの顔に注目。ヒラメの口は比較的大きく歯は鋭く牙のようで、砂に身を隠した時に上部が見えやすいよう目が身体に埋まったような形状です。カレイはおちょぼ口に小さな歯が並びで目は広範囲で獲物を見つけやすいようちょっと出目です。

ヒラメはカレイ目カレイ亜目ヒラメ科、カレイはカレイ目カレイ亜目カレイ科に分類されるどちらもカレイ目の魚。ところ変われば姿も様々なのでしょう。海外でヒラメやカレイを食べる時はよく見てみるといいですね。

てるてる坊主は実は坊主じゃなかった!

てるてる坊主はお坊さんでも男の子ではありません。元祖てるてる坊主のモデルは女の子です。この風習は中国に伝わるある伝説が起源です。

長雨と水害を止めるため何日も必死に神に祈り続け、最後には自らが雨の神の妃となることで雨と水害を抑え人々を救った若く美しい少女・掃晴娘(そうせいじょう)。人々はこの伝説を信じ長雨や水害の危険にさらされた時は掃晴娘にあやかり、彼女を模した人形を吊るし雨の神に天候回復の祈りを捧げていたといいます。

この掃晴娘の伝説と雨止み祈願の風習は平安時代に日本に伝えられました。いつしかこの伝説には日本独自の雨にまつわる逸話が混ざり合い元々は女の子の人形だったはずが、いつしかお坊さんや小僧さん、男の子にと変化し今、我々が知る「てるてる“坊主”」の風習となりました。元々はてるてる“坊主”ではなく「てるてる“娘”」だったのです。

余談ですが、一説ではてるてる坊主は顔を描かずに吊るして、晴れて願いが叶った時に顔を描いてあげるのが正式な祈願の仕方とか。これも日本ならではでしょうか?日本に古くから伝わるダルマの目入れとちょっと似ていますね。

闘牛の牛は赤い布では興奮しない

闘牛に限らず牛という動物は実は赤色では興奮しません。そもそも牛は色彩を判断することが出来ないので、ほぼモノクロで世の中を見ています。

闘牛士がヌレータという赤い布をどんなに派手に振ったところで、赤でも青でも何色でも牛には同じです。牛の本能にある身を守るための能力が反応し、大きなものや見慣れないものが奇妙な動きをしたり、小さな動きを連続するものを敵とみなし警戒して突進するのです。

それでも、闘牛といえば赤いヌレータが定番。それはなぜかというと、牛ではなく人間のため。色彩を判断できる人間には赤という色は「危険」「憤り」「血」など気持ちを高揚させ興奮状態を促す効果があります。赤のヌレータを振ることで闘牛士の闘志を高め、見ている観客も赤の効果でさらに盛り上がるというわけです。

牛が闘牛士をめがけ突進し間一髪のところでかわす、興奮した牛につき上げられる闘牛士…なんてスリリング!ハラハラドキドキに赤の心理効果が加わって観客はますます大興奮。牛にとって観客の「ワー!!」っという歓声の方が驚きです。牛には迷惑な話ですがショーとしては盛り上がるのでヌレータは赤なのです。

日本の人魚は人面魚

もし江戸時代の人が人面魚を見たら、きっと「あっ人魚だ!」と言うでしょう。昔から日本で人魚といえば人面魚のことを言いました。

世界各地に人魚伝説があります。海外の人魚伝説や有名なディズニーの「リトルマーメイド」などは人魚といえば、下半身はウロコのある魚でも、腰から上の上半身はスタイル抜群でしなやかな長い髪が揺れる美しい女性です。これは近年になって日本にもに定着した人魚の姿です。

日本にも沖縄や東北地方にかけていくつかの人魚伝説がありますが、そのほとんどが人面魚で人魚に関する書物の挿絵もほとんどがほぼ魚の姿をしています。顔だけが人間のようでどちらかと言うと妖怪です。伝説ではヒトの言葉を話し海の神の親族で、人魚を食べると不老不死になるという共通点があります。
時々「人魚のミイラ」と言われる奇妙な姿の何者かのミイラがメディアで紹介されていますが、その正体の真偽はともかく身体の大半は魚です。

人魚のモデルはジュゴンという説もありますが、ジュゴンも確かに西洋の美しい人魚像とはちょっと違います。日本人にとっての伝説の生物「人魚」は美しいリトルマーメイドではなく本来、人面魚でした。

餃子、焼売、ワンタンの皮は皆同じ

餃子の皮と焼売の皮の原材料は同じです。ただ厚さと形が違うだけ。ですから、餃子の皮が手に入らなかったり、残った餡を焼売やワンタンの皮で包んでも味に大差はありません。

餃子、焼売、ワンタンの皮は基本的に小麦粉と水、酒をこねて薄くのばしてカットしたもの。餃子が一番厚く1mm前後で丸くカットされています。焼売の皮は0.5mm、ワンタンの皮はさらに薄く0.45mm以下でともに正方形です。

なぜ餃子の皮だけ厚いのかといえば、日本の餃子は“焼き餃子”が主流。焼くには若干厚手の方が破れにくく食感も良いから。本場中国のように水餃子にするならば焼売やワンタンの皮でも充分美味しくいただけます。焼売は蒸す、ワンタンはスープなどに入れて食べるのがメインなので、それぞれの調理法に合わせて厚さや形が調整されています。

ただ、春巻きの皮はちょっと違い、一手間多くクレープの皮のように一度火を通して作るため焼き餃子にはあまり向きません。

北海道には3つの幻の県が存在した

デッカイどう、北海道! 昭和52年、 「全日空さわやかキャンペーン」のコピーです。海と山と大地の恵をたっぷり受けた自然溢れる北の大地。この大きな島まるまる1つが北海道。今では全国の都道府県で一番の面積を誇る地方です。

しかし、実は明治時代にこの広い大地が3つに分かれていた時代がありました。1882年、開拓使の廃止によって、蝦夷地と呼ばれた北の地が“北海道”と名を改め、函館県、札幌県、根室県の3つが県が置かれました。それぞれの県は北海道を縦に分けるように本州に近い東側を函館県、真ん中で一番大きな広さの札幌県、そして西の海沿いに根室県が存在していたのです。

ところが、この3つ県が存在したのはたった4年間。あっという間にまたまた政府の都合で3つの県は統合され、まとめて“北海道”となりました。

それからおよそ140年以上の年月が流れ、北海道に長く住む人々ですら3つの県の存在を知る人は少なくなってしまいました。遅れて日本の仲間入りした北海道はとかく政府の都合で翻弄されることが多く、ほんの一瞬存在したこの幻の3県の存在は、大きな北海道の知る人ぞ知る小さな歴史となりました。

幼虫はサナギになったらスライム状態

幼虫はサナギの中で溶けている、と噂に聞いたことがありませんか?それは本当です。サナギの中身はドロドロです。昆虫の幼虫は成虫になるために繭やサナギを作ります。だんだんと姿を変えるのではなく一度溶かし体を再編成しています。

幼虫は生まれてからサナギになるまでに、あの細長い小さな身体の中に、足や羽など成虫になった時に必要なパーツの原型を皮膚の下に作り上げています。サナギになる時、作り上げたパーツのわずかな細胞以外、自身で放出した酵素で身体をドロドロに溶かしタンパク質に代え、それを栄養に急速な細胞分裂で成虫の形に整えていきます。そして、立派に成虫に姿が完成すると、命がけで羽化します。

とはいえ、種類にもよりますが、自然界で成虫になれる確率は2~3%程度。途中で他の虫や鳥に食べられてしまったり、害虫に寄生されると無事に羽化することはできません。それから、我々人間も天敵です。蝶や蛾は成虫になってからの寿命は平均すると数週間から一ヶ月。中には夏に一時休眠するものや越冬するものもいるようですが、命がけで羽化しても自由に舞う時は短い。はかない生き物ですね。

クジラとイルカは大きさの違い

イルカもクジラも「クジラ目」に属する哺乳類です。そして分類上はほぼ同じ動物で、現在確認されれいるだけでも80種類以上あります。

では、何をもってイルカとクジラと区別するかといえば、基本的には体の大きさだというから驚きです。大人になった時の大きさが4m未満ならイルカ、4m以上がクジラ。4mがクジラとイルカの分岐点となっています。

このイルカですが、どんなに成長しても種が違うためクジラのように大きくはなりません。ただし、例外もあります。4mより大きいシロイルカや逆にスナメリやオガワコマッコウなど4mより小さいクジラもいます。また、体長4~8mのシャチも哺乳類でクジラやイルカの仲間です。

これらは体の色や特徴で分類されています。なんとも曖昧な分類法ではありますが、一応、目安として体長4mがイルカかクジラかの別れ道です。海の生物で確認されているのはまだほんの一部。どこかにまだクジラやイルカの仲間もいるかもしれません。

アホウドリは阿呆でも愛情は鳥類一

とても臆病なのに警戒心が薄くすぐに捕まえられる鳥。陸を歩けばヨチヨチ、飛び立つにも助走が必要。ついでに餌を捕るのも下手。その上、人間から見ると…ちょっとオマヌケな顔立ち。だから阿呆なんて不名誉な名前を付けられてしまったアホウドリですが、その反面で実に一途で愛情が深い鳥です。

アホウドリの夫婦関係は離婚率はほぼ0%。離れていても浮気はせず、決めた相手と一生添い遂げます。アホウドリの寿命は平均30~40年。夏は飛んでるか海に浮いているかでノホホンとしていますが、冬に天敵のいない絶海の孤島で巣作りをします。並んで寄り添い毛づくろいをし、一緒に眠り抱卵し育児をします。そして春、ヒナが巣立てばパートナー同士は別行動となり接触する事はありません。

ところが、次の冬には必ず以前巣作りした場所にお互いほぼ同時に戻り、必ず同じ相手と繁殖をします。そして、翌年も翌々年も必ずです。もし、片方が何らかの理由でその冬に現れずとも別の相手を探さず、少なくとも2~3年は毎年冬になるとその地に戻りずっと相手を待ち続けます。

確かに行動は阿呆に見えるアホウドリ。天敵が少ない安全な場所でヒナを育て、一度決めた相手をいつまでも待ち続ける愛情深さは我々も見習った方がよいのかもしれません。

八方美人とは本当は素晴らしい人

八方美人とは、誰にでもいい顔をする人、調子の良い人のことを表す言葉です。どちらかというと、信用できない、本心が見えないと、感心される言葉としては使われません。ですが、八方美人の本来の意味は意外にも反対で、お調子者でも腹黒い人でもありません。

「八方」の八が示すのは8つの方角。東・西・南・北の四方と北東・北西・南東・南西の四隅の全方向、いわゆる「どこから見ても」という意味で。「美人」とは性別問わず外見も内面も非の打ちどころがない人という意味。いつ何時もどこから見ても“全てにおいて完璧な人”が尊敬と敬意を込めて八方美人とされていました。

しかし、実際にはそんな完璧な人はなかなかいません。なりたいと思っても簡単になれるものでもありません。時が経つにつれ次第に本来の意味を揶揄し「八方美人に思われたい人」の意味となり、皮肉なことに今ではすっかり「八方美人」の意味は誰にでも良い顔をして状況によって意見や行動を変える人となってしまいました。

ドザエモンは水死してはいなかった

「ドザエモンが上がったぞ!」と昔から水死体をドザエモンと表現しますが、ドザエモンは1716~1736年頃に活躍した江戸時代の人気力士・成瀬川土左衛門が語源というのはご存知でしょうか?しかし、土座衛門さんが水の事故でなくなったからドザエモンと呼ばれるようになったというわけではありません。

成瀬川土座衛門は肌の色が青白く、当時の一般的な男性の体型よりもかなり大きいポッチャリ型。数日経過した水死体が腐敗し膨れ上がった様子と似ていたことで、不名誉なことではありますが土座衛門さんにたとえられたのでした。

とはいえ、彼は単なるメタボ力士ではなく、1724年の深川八幡社勧進相撲の番附では東前頭筆頭。将来を期待された力士でした。色白でプヨプヨした大福のような風貌も人気を呼び注目の的だったようです。今で言うアイドル力士といったところでしょうか。当時、庶民でもポッチャリさんの多くが「ドザエモン」と呼ばれていたとか。

そんな、成瀬川土座衛門は1748年に病気のため死去。水死ではなくお布団の上で亡くなりました。今も深川の霊巌寺にお墓があります。

「おにぎり」と「おむすび」は同じものでも意味が違う

ご飯の中に具を入れ握った握り飯。丸でも三角でも俵型でも形に関係なく、これらを我々は「おにぎり」あるいは「おむすび」と呼んでいますが、料理としては同じもの。「おにぎり」「おむすび」どちらで呼んでも間違いではありません。けれど実は意味合いとして少し違いがあります。

一説では「おにぎり」には鬼を切ると書き、魔除けや厄除けの意味で丸いおにぎりを握ったといわれ、一方おむすびは『古事記』にも登場する万物の神・高御産巣日神 (たかみむすびのかみ)の名に由来し、神の加護を得るためご飯を三角にむすんでお供えしたと言われています。

ちなみに、今ではコンビニの定番商品の握り飯。実はコンビニによって商品名が違うのを知っていますか?期間限定など特別なキャンペーン商品を除き基本的にはファミリーマートでは「おむすび」、ローソンやミニストップでは「おにぎり」、セブンイレブンでは食べる直前に海苔を巻くものが「おにぎり」で、それ以外あらかじめ海苔がついているものや海苔のないものを「おむすび」としているそうです。

カロリーゼロは0カロリーじゃない

「カロリーゼロ」の飲料にもカロリーはあります。けっして0カロリーではありません。水はゼロカロリーですが厳密に言えば水に含まれるミネラルにも微量のカロリーはあります。ましてやフレーバーや果汁が含まれた水は確かに味が付いていますのでわずかでもカロリーがあります。

日本の「栄養表示基準制度」では、100mlあたり5kcal未満であれば、カロリーゼロ、ゼロカロリーなどと表記することが許されています。「カロリーゼロだからいくら飲んでも大丈夫!」と思っても、それなりに量を飲めば、いくらかカロリーを摂取していることになります。

ちなみにカロリーゼロと記載されていても甘くて美味しいというものもありますが、こちらは砂糖の代わりに人工甘味料が使用されています。人工甘味料はわずかな量で砂糖同様に甘くて美味しい味になるスグレモノ。しかし、これはちょっとクセモノでもあります。

過剰に摂取し過ぎると人によってお腹がゆるくなることや、もっと甘いモノが欲しいという欲求が促進され、実際カロリー豊富な甘いモノを摂取しまうことも。これではせっかくカロリーゼロにした意味がなくなってしまいます。それは人工甘味料が悪いのではなく生物の習性の問題。魅惑の表示「カロリーゼロ」も結局自制心が重要です。

「ヤバい」の語源は牢屋の看守

「このお菓子、うっま!ヤバくない?」「ヤバい、感動して泣いちゃった!」など最近ではスゴイ、感動的という意味にも「ヤバい」という言葉が使われていますが、元々良い意味ではありません。

「ヤバい」江戸時代に危険や都合が悪い時の表現「ヤバ」に「い」をつけ、形容詞「ヤバい」となりました。語源は諸説ありますが、最も有力な説として江戸時代の牢屋の看守を「厄場(やば)」と隠語で呼んでいたからというのがあります。牢屋内で悪だくみやイジメを看守に見つかるのは非常に都合が悪い。看守が近づくと見張り役が「ヤバ!」と教え、その場を取り繕ったとか。牢屋の外でも厄場の世話になるのは御免です。そこから、悪事がバレたりピンチになることを「やば」と表現したといわれます。

また、昔は弓矢で遊ぶ娯楽場も矢の場と書いて「矢場」といい、悪がはびこりがちだったため役人は常に目を光らせていました。「ヤバい」の語源は、悪人たちにとってはこの矢場もヤバだらけだったからとも言われます。

以前は辞書などにはヤバイとは「危ないこと」「都合の悪い事」としか記されていませんでしたが、最近は若者言葉として「すごい」「心が揺さぶられる様子」という感動詞としても記されています。

日本初の郵便ポストはかなり臭かった

明治初期の1871年、日本で初めて設置された郵便ポストはなんとトイレとカン違いされて利用されていたという残念な過去があります。当時、郵便システムを全国的に広め活用しようと各地に続々と郵便ポストを設置。東京、京都、大阪からはじまり6年後には全国1246カ所に置かれましたが、当時はまだPR手段は限られ国民に広く浸透するにはそれなりの時間が必要でした。突然ポストが置かれても「何の箱?」と思われても当然です。

元祖ポストの形状は脚のついた台に黒い木製の箱を乗せたもので、上部に投入口があり「郵便箱」と記されていました。郵便箱という表記がトイレとカン違いされる不運を招きます。郵便の「郵」の字、確かに垂れるという字が含まれています。「垂れる便の箱、ああ、便所か!」と誤解され、男性の立小便に利用されていたのです。それだけでなくゴミ箱、物置、さらには子ども達がイタズラでヘビやトカゲまで投げ入れ散々な目に。

それから30年後の1901年、郵便もやっと定着した頃、ポストは目印にもなる赤い色、災害や衝撃にも強い鉄製ボディにリニューアル。もう誰が見ても一目瞭然!黒歴史を乗り越えて今ではポストといえば赤。車もマークも赤は郵便局のシンボルカラーとなっています。

インドで税金を滞納すると大恥をかかされる

高い税金は困りもの。しかし、滞納すれば追徴などもあるので、忘れずに手続きしなければなりません。

これは日本に限った話ではなく、世界の国でも同様です。払いたくない人と払わせたい税務署とのせめぎ合いがあるわけですが、インドではちょっと恥ずかしい対策がなされている地域があります。

いきなりではなく、最初は督促を出すわけですが、ふてぶてしい滞納者はそれすら無視することもザラ。そうした人に対して、大恥をかかせて納税させるという手段をとっています。その大恥とは、滞納者の元に太鼓を打ち鳴らすバンド隊がやってきて、音楽に合わせて税金を支払うよう訴えるのです。

当然、近所には内容が丸わかり。これには態度の悪い悪党でも恥ずかしがってお金を支払いに来るそうです。メンツが大事というのも世界各国共通の話のようです。

「貴様」「オマエ」はホントは尊敬語

「貴様」も「オマエ」もどちらも本来は二人称「あなた」の敬語で高貴な相手や目上の人に敬意をもって使う言葉でした。

「貴様」とは書いて字のごとく、貴族、高貴の「貴」に「様」。貴は漢字の訓読みでは、とおとい、たっとぶ、たかいなどと読み、それに「様」がつくので明らかに敬語で身分が高い目上の人を敬う意味があります。「オマエ」も本来は敬語です。漢字で「御前」と書き、神仏や高貴な人の前に、おそばに、という意味でした。

時をさかのぼること平安後期~室町時代。「貴様」も「御前」も武家の書簡などで敬語として使われていたのですが、それが庶民に伝わり一般化するうちにだんだんと敬語の意味が薄れ、江戸時代中期には同等のもの、目下の者に対する言葉と変っていきました。一説には遊女がお客を「お前様」などと呼んだことから広まったとも言われています。

ドラマや漫画で少々ヤンチャな方が「貴っ様~!ふざけんじゃねぇ、いい加減にしろや!」などと凄んでいますが、本来の使い方に言い換えると…「御前様、お戯れはもう十分にございます。そのくらいでご勘弁下さいませんでしょうか?」というような感じですね。

戦国武将のトイレ事情 専用袴でお悩み解消

甲冑をつけ戦に挑んだ戦国武将とその家臣たち。映画やドラマを観ていて「道中トイレどうしてたのかな?」と思ったことはありませんか?武将たちが身に着けていた袴は、実はちゃんとトイレを考慮して設計されていたのでした。

以前は袴の脇の切り込みから竹筒を入れてそこに用を足すと思われていましたが、ではお腹が痛くなった場合はどうしたのか?最近の研究で、当時のトイレの悩みを解決する戦用袴の存在が確認されました。

トイレの際にイチイチ鎧を外し袴を脱いでいては面倒で時間もかかります。時に間に合わない、ということも想定できます。そこで考案されたと思われる戦用の袴。この袴は股の部分が切れていて左右に開き、少しフンドシを緩めればすぐに小用が足せます。しかも、しゃがめば股間部分が大きくオープン!甲冑を着けていいてお腹が痛くなっても大丈夫。武将たちのトイレの悩みを解決する画期的で実用的なデザインでした。

ただし、モヨウしたらどこでもOKではありません。「小」はすぐに消えますが、「大」はしばらく残ります。これでは時として敵の間者や追手に足跡を残すことになります。集団でトイレ休憩、連れトイレなどは極力NG。時間をあけて分散して用を足していたようです。

警察の白バイの元祖は“赤バイ”だった

交通取り締まりで活躍する白バイ。実は最初は赤でした。自動車が増えつつある1918年、交通違反を取り締まり交通事故から人々を守る初のオートバイ隊が登場しました。最初はたった6台、しかも色は赤でした。当時は“赤バイ”だったのです。

それが現在のような白バイになったのは、赤バイ登場からおよそ20年後の1936年、昭和11年のこと。先進国であった欧米各国では交通取り締まりのバイクはほとんどが白でした。「それでは、日本もそれにならって欧米化!」とばかりに赤バイを白に塗り替えたと言われています。また、単に欧米を真似たというだけでなく、白は平和の象徴の色とされ、何よりよく目立つ色だから、という理由もあります。

現在は法律で警察の取り締まり用のオートバイは白と決められていますので、「キャンペーンでちょっとアレンジ」とか「おしゃれなラインでも入れようか?」などと勝手に色を塗り替えたり装飾することは法律違反になります。白バイは何があっても「白」しかありえないのです。

ブレンドコーヒーをお湯で割ったらアメリカン…ではありません

アメリカンコーヒーはブレンドに比べて苦味が少なく色も薄目で飲みやすい。ではコーヒーをお湯で薄めてアメリカンに、というのはちょっと違います。お湯で薄めたコーヒーはアメリカンコーヒーではありません。

昔ブレンドコーヒーを少量のお湯で割って「アメリカン」と噂が広がり、そう信じて家庭で楽しんでいた人もいたかもしれません。しかし、本当は浅煎り豆をたっぷり目のお湯でゆっくり淹れたコーヒーがアメリカンコーヒーです。しかし、コーヒーは嗜好品です。好きなコーヒーをお湯で割ったものがお好み方は自由に楽しんで良いでしょう。

ところで、アメリカンコーヒーがブレンドよりも色も薄く苦味も少ないからカフェインも少ないと思ったら、それも間違いです。実はカフェイン量は大差はなく、むしろ深煎りよりも浅煎りの方が多く含まれることもあります。

本場アメリカのカフェで「アメリカン」と言っても通じません。「アメリカンコーヒー」という言葉は和製英語です。アメリカでは浅煎り豆で淹れた色が薄めで飲みやすいコーヒーを、「弱い」という意味の「ウィークコーヒー」などと言います。

大人のバッグだったランドセル、子供の鞄にしたインフルエンサーとは?

ランドセルは当初子ども用のバッグではなく大人の、しかも兵隊さんのバッグでした。そして、それを小学生のバックとして流行させたのは幼き頃の大正天皇でした。

1800年代半ばに日本に入って来たオランダ製のランセルという布製の鞄。これが元祖ランドセルです。丈夫でたくさん収納も出来きて、背中にあるので邪魔にならす両手が使える画期的なバッグ、今で言うリュックです。

これはスグレモノ!とランセルを日本陸軍が導入。将兵が履物、薬や食料などを入れイザと言う時は背中も守る「背のう」と呼ばれ活用しました。しかし、過酷な状況下ではいささか耐久性に欠けます。そこで通気性、吸湿性、耐熱性を考え布製から革製に変えてリニューアル。さらに丈夫になって戦地に赴く兵士たちを支えました。

1887年、まだ皇太子だった大正天皇に伊藤博文が小学校の入学祝として、このバッグをプレゼントしました。学校では皆平等。皇太子とて例外ではなく自分の荷物は自分で持っていかねばなりません。幼い大正天皇が教材をいれたこのバッグを背負い登校したことが話題に。戦争が終わり学童用となったランセルは、ランドセルと名を改め経済の発展と共に小学生の鞄として定着していきました。

イソップ寓話『アリとキリギリス』 原作はアリとセミだった

イソップ寓話『アリとキリギリス』。実は原作では「アリとセミ」でした。しかも、国によってアリはアリですがコオロギだのトンボだの「アリと他の虫」となっています。

イソップ寓話は、紀元前6世紀にギリシャのアイソーポスが綴った物語と周辺地域の逸話なども加えられた、自然や生き物を擬人化した教訓物語集です。これが日本に伝わったのは16世紀末。天草の宣教師によって印刷されたローマ字綴りの「エソポのハブラス」という書物です。この時点では原作通り「アリとセミ」として書かれています。

ところが、この物語は一旦日本から姿を消し、明治になり再び他国から日本に伝わると、なんとセミはキリギリスに変わっていたのです。世界中に広まるうちに北半球の寒い地域などではセミはそれほどメジャーな虫ではなかったため、ストーリーに合わせセミの代役になじみある夏の虫がおかれたというわけです。

ところで、『アリとキリギリス』の話を覚えていますか?結末も複数あるようで中にはセミもしくはキリギリスはアリの餌となる、自らを餌としてアリに捧げる…というコワイお話もあります。

ケンタッキーのカーネル・サンダースは本名じゃない

ケンタッキーフライドチキンの店頭で白いスーツ姿で笑顔でお客を迎える人形、通称「カーネルおじさん」。ご存知ケンタッキーフライドチキンの創業者がモデルです。彼の名はもちろんカーネル・サンダース…ではなく、本名はハーランド・デーヴィッド・サンダースといいます。

「カーネル」とはアメリカ陸軍大佐の称号でした。アメリカの南部・西部地域で軍人に限らず州に貢献した人に与えられる名誉な称号です。1935年、食文化に貢献したハーランドさんにもこの称号が授与されました。そのため「カーネル・サンダース」、本当はサンダース大佐人形です。

1970年ケンタッキー・フライドチキンは大阪万博を機に日本進出。日本の人気チェーン店に成長しました。おなじみのこの人形ですが、実は日本人スタッフがカナダの倉庫で眠っていたものを持ち帰り、不二家のペコちゃん人形や佐藤製薬のサトちゃんのように看板人形として店頭に置いたのが始まり。来日したサンダース本人も対面したことがあり、大喜びだったとか。

本国アメリカではほとんど見かけませんがアジア各国では大活躍です。人形だけはどの国の「カーネルおじさん」もメイド・イン・ジャパンです。

幽霊の足がなくなったのは江戸時代の絵師の演出

幽霊には足がない、それは日本だけで海外の幽霊には今も昔も足はあります。日本の幽霊から足が消えたのは江戸時代からです。きっかけは国宝となっている江戸時代の絵師・円山応挙の幽霊画『お雪の幻』のイメージが定着したためと言われます。

応挙はどうすればもっとリアルで怖ろしい幽霊なるか?と考えた末、下半身を薄いタッチでぼかし朧げに描いていてみたところ、家の使用人も気絶するほど驚いたといいます。これは大成功!案の定、この絵は江戸で怖いもの見たさの人々に大評判となりました。応挙はこの技法で幽霊を描き続け、幽霊画家として話題となり他の絵師たちも次々と足のない幽霊を描いたため、「幽霊には足がない」が人々に浸透して行きました。

このきっかけとなった円山応挙『お雪の幻』。一説には亡くなた応挙の妻がモデルだと言われています。リアルさが半端でないのは描き手の想いも反映されているからかもしれません。ちなみに必死に描いているうちに墨が足らなくなったという説も…真相は今は亡き円山応挙本人しかわかりません。

マグロが眠らないというのはウソ

回遊魚は止まると死んじゃうから不眠不休。と思ってはいませんか?しかし、そうとは限りません。回遊魚の中にも多少動きを止めてもOKな魚と即命の危険に陥る止まれない魚がいます。その秘密はエラと大きさにも関係があるようです。

マアジやタチウオなど比較的小ぶりで自分でエラを動かせる魚は多少動きを止めても即、死につながる事はありません。しかし、マグロやカツオなどは自身でエラを動かすことが出来ません。魚は泳ぐことでエラを動かし、それだけでは足りず口から海水を取り込み酸素を補給しています。だから泳ぎ続けているのです。

だとすると、止まって休んだら死んでしまうから眠ることも出来ない、と思われがちですが、実はちゃんと寝ています。彼らは脳の右脳と左脳を交互に眠らせ泳ぎながら眠ることができるのです。当然、片方の脳が眠っている時の動きは鈍く低速で泳いでいますが。

人間から見れば休むことなく泳ぎ続ける一生なんて…と思いますが、彼等にはごく当たり前のこと。いきものとは上手くできているものです。

ねぎまのまはマグロのマ

ネギと鶏肉を交互に串に刺した「ねぎま」。人気の焼鳥メニューの1つです。そもそも、ネギの間に挟まっていたのはマグロです。ねぎまの「ま」は間の「ま」ではなく、その昔はネギとマグロの「ま」だったのです。

ネギとマグロを串にさした元祖「ねぎま」は実は鍋料理のメイン食材で「ねぎま鍋」と呼ばれていました。すき焼きのように甘辛い出汁で煮込んでいただいたり、おでんの具にもこの「ねぎま」が使われていました。現在のように焼いてタレをつけたものもありましたが、戦後マグロが高騰したため、マグロの代わりに当時は安く手に入った鶏肉を挟んだことが現在の焼鳥の「ねぎま」になったというわけです。

地方によってネギと地域の特産品を刺して料理したものを「ねぎま」と呼ぶこともあります。元々マグロであった「ま」が鶏肉にとって代わったのですから、間違いとかパクリではありません。バーベキューでもチーズフォンデュでも、ネギと別の食材を串に刺し調理したら、それは「ねぎま」です。

東京の下町では今も郷土料理としてネギとマグロの「ねぎま鍋」を出しているところもあるようなので、一度本家本元「ねぎま」を食べてみてはいかがでしょう?

日本の海底に「ゴジラ」が眠っている

日本の特撮ドラマ・映画から世界進出し世界中でその名を轟かす怪獣ゴジラ。ゴジラは大抵海からやって来ますが、日本の海底には本当にゴジラが眠っています。その名は「ゴジラメガムリオン」、このゴジラはとても珍しい海底地形の名前です。もちろん怪獣ゴジラにちなみ命名されました。

2001年、大陸棚画定調査で日本最南端・沖ノ鳥島の南東およそ600キロの海底に、推定1000万年以上前に生成されたと思われる縦125km幅55km、だいたい東京都の3倍程の面積の巨大なムリオンが発見されました。ムリオンとは地球のマントルが露出しドーム状に固まったものです。これが世界最大級だったため「メガムリオン」と呼ばれました。当初は日本のみで「ゴジラメガリオン地形区」と呼んでいましたが2021年に国際的に承認され公式名称となりました。本来は地中深くにあり調査困難なマントルを直接調べることが出来るため、地球内部のメカニズムや含まれる物質など様々な研究に役立つと期待されています。

残念ながらゴジラの形ソックリとはいえませんが、高さ1000m~2500mほどのいくつものウネからなる地形には、それぞれゴジラの身体の部位が名付けられています。この海底のゴジラは未来の地球に何を伝えてくれるのでしょうか。

海の哺乳類は水中で寝ても窒息しない

アザラシ、オットセイ、マナティ、ジュゴンなど水族館で、海にすむ哺乳類、海獣類が水底で仰向にひっくり返ってじっとしている姿を見たことはありませんか?それは病気でも死にかけているわけでもありません。彼らには人間のようにこまめに呼吸しなくても体内に酸素を供給できるシステムが備わっています。

その秘密は血液と体内にあるタンパク質です。海獣類は人間より血液量が多く、陸に上がった時に呼吸し血液中のヘモクロビンに酸素をたっぷりと取り込みます。水中ではその血液が体内を巡りながら酸素と筋肉中のミオグロビンというタンパク質と結合させ、体の隅々まで行きわたらせています。ヘモグロビンもミオグロビンも陸の生き物よりはるかに多くあるので、しばらくは酸欠にはならないのです。

水中で眠るのは彼らにとっては普通のこと。単に眠りたいから寝ているのです。安心して下さい、

希望の星からダークサイドへ落ちたマングースの悲劇

以前、沖縄地方で見世物とし人気であったハブとマングースの戦い。今では動物愛護の観点から行われていませんが、どちらが強いと思いますか?実のところマングースにはハブの毒に対し耐性もないので、ふつうに戦ったらハブの勝ちでしょう。

1910年、サトウキビ畑を荒らすネズミとそのネズミを狙う猛毒のハブ、双方を駆除する希望の星として東南アジアからマングースが沖縄にやってきました。ハブも殺せるスゴイ奴と称賛され「ハブ対マングース」という見世物まで登場しました。ところが、ハブにとっては捕食対象でもマングースにとってはまったくの対象外。マングースの獲物はトカゲや鳥、小さな哺乳類などです。ネズミとハブ退治に期待されたマングースですが、沖縄固有の稀少生物を次々と捕食し、絶滅寸前へと追いやることもあったため今度は害獣扱いに。

見世物となり命がけの闘いを強いられ、ハブを駆除しないと叩かれ、生態系を壊したとしてマングースはついには駆除対象となります。すべては人間の勝手な都合と思いこみで、マングースはとんだ災難です。生き物の生態系を一番壊しているのは人間かもしれません。

外国生まれでも日本で育てば国産牛

「今夜はお肉にしよう!」思ったらまず思い浮かぶのは牛肉ではないでしょうか?スーパーなど精肉売り場には輸入牛、国産牛、和牛など肉の産地が明記してあります。言うまでもなく、輸入牛は外国で加工され輸入されたお肉ですが、国産牛と和牛はどちらも日本で育った牛です。その中で「和牛」とされるのは、日本在来種で生れも育ちも加工もすべて日本でなくてはなりません。

和牛とは日本の在来種である「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4種類のみです。これらを交配させ日本生れの日本育ちの牛を食肉として加工したものだけが「和牛」です。「国産牛」とは日本で飼育・加工された牛を指します。外国牛も海外生まれの日本の牛も、輸入され国内で一定期間飼育された後に食肉用として加工すれば「国産牛」となります。そのため、ホルスタイン牛もアンガス牛も日本で育ち日本で加工されたら「国産牛」というわけです。

和牛と聞くと柔らかくて美味く高級感がありますが、和牛、国産牛、輸入牛それぞれに美味しくて味わい深い牛肉です。お肉の特性を生かした調理法もたくさんあるので、色々食べ比べてみるといいかもしれません。

渋谷のモヤイは生粋の日本人

渋谷駅前にドスンと置かれたモヤイ像。どことなくイースター島のモアイと似ている気もする、人の顔をした石像です。「モアイのパクリ?」「イースター島と関係あるの?」「モアイの発音間違った」と設置当初からいろいろ噂されています。確かにモデルはイースター島のモアイのようですが、モヤイはれっきとした日本人です。1980年、太平洋に浮かぶ新島が東京都移管100年を記念して新島から渋谷区に贈られた記念のオブジェです。

モヤイは「コーガ石」という日本の新島とイタリアのレパリ島のみでしか採取できない貴重な鉱石で作られています。名前の由来は昔の言葉で助け合う、協力し合う、分けあうを意味する「もやう」から命名されました。モヤイの名はモアイの発音を真似たのでも間違ったのでもなく深い意味が込めらてれいました。

よく見るとモヤイ像には顔が2つあります。バス停側はウエーブヘアのサーファーのお兄さん、反対側は髭面のお爺さんです。これは新島でサーフィンが盛んなことと、その昔、流刑地だったため流人の時の流れを表しているとか。そう、モヤイはイースター島ではなく新島からやってきた生粋の日本人でだったのです。

タンスの数え方は「棹(さお)」

現在ではタンスを一台、二台と数えることもありますが、正しくは「一棹」「二棹」と数えます。今のタンスにはどこにも棹はついていませんが、昔はタンスに棹が標準装備されていました。

衣類を収納するタンス は1600年代半ば江戸時代に登場したと言われています。ただし、タンスは高価なもので庶民は「長持」と呼ばれる背の低い木箱を利用し、長持ちに車輪をつけ移動・持ち運び可能な「車長持」は大変重宝されていました。今でいうキャスター付き収納ボックスです。

ところが、1657年に起こった江戸大火の際、街中の人々が衣類や貴重品を入れた車長持ちを引いて逃げ出したため路地に長持渋滞が発生。避難が滞り大惨事となってしまったのです。そのため車長持は製造禁止となり、代わって長持に棹を刺し担いで運べるように改良されました。庶民にタンスが普及する頃には棹と装着する金具は標準装備、棹あってこそのタンスなので棹と数えるようになったわけです。

緊急時にタンスを担ぐのもいかがなものか?と思いますが、でも、車長持をゴロゴロ引きずるよりは速やかに避難できると考えたのでしょう。

アダルトカラーは各国それぞれ

日本でアダルトカラーといえばピンクです。いわゆる性的描写や性的表現に「ピンク」とたとえる事が多いのですが、これは世界共通ではありません。アメリカやイギリスなど英語圏では「青」、スペインでは「緑」、イタリアでは「赤」、中国では「黄色」がアダルトカラーとされています。

日本では昔から桃や桃色に性的な意味合いを持っていたので、今でも「ピンク映画」「ピンクサロン」などピンクがアダルトカラーとして定着しています。しかし、アメリカやイギリスなど英語圏では青のためアダルト映画は「blue film」、下ネタジョークは「blue joke」と言います。スペイン語では緑はVerde(ベルデ)といい、アダルト映画を「Cine Verde(シネ・ヴェルデ)」、アダルト本は「Libro Verde(リヴロ・ヴェルデ)」、ついでにスケベなオジサンは「Viejo Verde(ビエホ・ベルデ)」と呼びます。イタリアでは赤は「ロッソ」なのでポルノ映画は「film rosso」、赤い印のついた映画やTV、娯楽は子どもNGです。中国ではアダルト映画を「黄色電影」、アダルト本は「黄色書簡」と黄色をイメージしています。ただ、フランスは微妙で白がセクシーを象徴する色であり、性的な表現に関しては日本同様にピンク、「rose(ロゼ)」ということになっています。

月の土地は1エーカー2700円

月に土地を持っている人は実は世界で600万人以上もいるのだそうです。所有者は芸能人や著名人など余程お金に余裕がある人だけかと思いきや、我々一般人でも1エーカーおよそ1200坪が2700円で月に土地を購入出来ます。もちろん、ジョークとしての販売なので、あらかじめお断りしておきます。

1エーカーというと、サッカーグラウンド1面ほどの大きさです。地球上でそんな大きな土地を2700円で買う事は出来ませんが月面ならば可能です。月の土地を販売するのはアメリカに本社がある「ルナエンバシー社」。日本にも代理店があります。

当然、購入には規約やルールがあり、まずは月に関する法律「宇宙条約」と「月協定」を理解しなくてはなりません。また、販売される土地は限られている上に自分で選ぶことが出来ませんので、どんな土地が与えられたかは買ってからのお楽しみです。

月以外にも火星、金星、水星などの他の惑星の土地も販売しているとか。しかし、今はまだ確認されてはいませんが、将来もし異星人がその土地を既に所持し居住していた場合はどうなるのでしょう?地球外の土地で相手が異星人となると話は別。まだ前例がないので難しいところです。

冬眠中の熊はトイレはしない

冬眠中の熊はずっと眠ったまま数か月を過ごします。冬眠前にたくさん食べて栄養をつけたとはいえ、途中でオシッコやウンチに起きたりはしません。熊の巣穴は常に排泄物で汚れることはなくクリーンです。

冬眠前に蓄えた脂肪を水分に変え、尿は膀胱でカルシウムに変え、食べたもの飲んだものすべて無駄なく体内でリサイクル。粗相しないようお尻に栓までしているというから驚きです。栄養は一滴たりとも逃さないというわけです。

その上、メスは冬眠中に出産し乳を与え、子どもをある程度大きく育てます。数か月飲まず食わずでこれは相当エネルギーが必要です。生まれたばかりの子熊は母熊の乳を飲んでいるのでわずかな排泄はしますが、それを母熊は舐めてささやかなエネルギーに変えていきます。

だからこそ、冬眠までに最大限の栄養を体内に確保するため、山に食料が少なければ危険と知りつつも人里まで餌を求めてやってきてしまうのでしょう。冬眠中の熊の眠りは浅く、常にウトウトしている状態なので、人間の足音などで簡単に目を醒ますこともあります。特にメスの熊は子どもを守るために獰猛ですから要注意です。

元祖トイレットペーパーは素手と葉っぱ

温水洗浄便座が多くの家庭に普及した今もやはりトイレットペーパーは必需品。1850年代アメリカで開発されたロール式トイレットペーパーはまさにトイレ革命です。それ以前はちり紙、その前はヘラや貝殻、葉っぱ、さらにそれ以前は素手でお尻を拭いていました。

日本の元祖お尻拭きといえば素手か植物の葉や海藻です。縄文時代の遺跡からはトイレで使用された貝殻や陶器の破片も発見され、後に専用の木ヘラが使用されたこともわかっています。トイレ用の紙が登場したのは明治時代になってから。明治維新以降にはホテルや公共機関などではロール式トイレットペーパーもお目見えしましたが、舶来モノで高価なため庶民は昭和中頃まで四角く切ったチリ紙が定番でした。

元祖お尻拭きが素手か植物の葉というのは世界共通で、後にそれぞれ木の棒やヘラと新アイテムが現れます。紀元前の古代ギリシャ・ローマではスポンジ状のものがついた棒が、2000年前のシルクロードの古代トイレから竹に布を巻き付けたお尻棒が発見されています。しかも、コレ共用だったいうから驚きです。

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