あやかし、もののけ、ホントにいるの?
~日本の幽霊のセオリー~
地球・あやかし紀行
不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。
今回の“あやかしさん”は「幽霊」。日本の幽霊の3つの“なるほど~”を紹介します。夏と言えば幽霊!怪談の季節です。
7月26日は、『幽霊の日』です。
なぜ、幽霊の日となったか?といえば、1825年(文政8年)の江戸・中村座で「東海道四谷怪談」が初演されたことにちなんで。お盆も近いですからね。お盆にはお芝居も落語も「怪談」は外せない。風物詩です。
お盆は亡くなった先祖の霊を供養する期間。お盆には先祖の魂が家に帰ってくるともいいます。お盆の期間は日本全国共通ではありません。ただ、一般的には8/13~16の4日間ですが、旧暦では7/13~16です。新暦になり一ケ月ほどの違いがありますが。今でも東京の都心や一部の地域では旧暦のお盆が適用されています。
さて、日本の幽霊といえばどのようなイメージでしょうか?足がない、柳の下、ヒュ~ドロドロドロ~という登場音。この3つはお約束です。1つずつご説明しましょう。
- 足がない
これはご存知の方も多いと思いますが、幽霊に足がなくなったのは江戸時代から。
現在では国宝にもなっている、江戸時代の絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)の幽霊画「お雪の幻」のイメージが定着したためだと言われています。このお雪は夢に出てきた円山応挙の亡くなった奥さんがモデルとか、足を描く前に墨が足らなくなったからぼかしたとも言われています。真相は円山応挙本人しかわかりません。
- 柳
柳は細くしなやかで風にゆらゆら揺れていかにも幽霊っぽいです。柳には精霊や魂が宿る木と信じられていました。昔、中国では亡くなった人の棺は柳の木で作られていて、霊と柳は深い関わりがあると考えられたため、幽霊=柳は中国から伝わったイメージなのでしょう。日本でもかなり古い時代から柳の精霊が女に化けた、柳の下を歩いていると頬や身体を撫でられた、傘などが無くなったという逸話があります。
- ひゅ~ドロドロドロ♪
もちろん、本当に幽霊が登場する時にこんなSEは聞こえません。歌舞伎やお芝居
で幽霊の登場シーンをより効果的に演出するための音。横笛でヒューと吹き太鼓でドロ
ドロドロ~と叩き、そして幽霊最初のセリフ「うらめしや~」。昔の音効さんの想像力が生み出した力作が現代までに定着しているのです。今でもこの音を聞けば誰もが「あっ出る!ほら出た~」と思うはずです。誰が考えたか正確にはわかりませんが、後世に残った素晴らしい効果音。芸術賞モノです。
幽霊にだって足はあります。海外の幽霊にはほとんど足はありますし、柳の下でなくても幽霊はどこにでも現れます。そしてヒュードロドロドロ~とは鳴りませんがラップ音と言われる奇妙な音を発することもあります。
他にも火の玉(オーブ)、生暖かい風、長い髪の毛など数々の幽霊のお供があります。これについてははまた別の機会に…
☆おまけ☆ 余談ですがお盆にキュウリとナスに足をつけて飾りますが、あれは「ご先祖様食べて~」ではありません。「精霊馬(しょうりょううま)」といってキュウリを馬、ナスを牛に見立てています。ご先祖様は足が早いキュウリの馬に乗り家族の元に帰り、ナスの牛はお供えをお土産に一杯乗せて帰ってね、という意味があるそうです。お盆が終わったら、キュウリとナスは塩で清めて処分するそうです。
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2022/7/25 16:00 |
本業はTV番組・イベントなどキャスティングP
音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。
仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に
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趣味はイラストレーション、読書。
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